話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱ケミHD、寿スピリッツ、ショクブン
■三菱ケミHD <4188> 630円 +2.9 円 (+0.5%) 本日終値
三菱ケミカルホールディングス<4188>は3日続落。東海東京調査センターは9日、同社株のレーティングを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」へ引き下げた。目標株価は530円とした。同社は、機能商品、素材、ヘルスケア、産業ガスの4つを基幹ビジネスとする日本最大の総合化学企業。中国経済の減速に加え、新型コロナウイルスの影響などによる事業環境の悪化を背景に20年3月期の業績は大幅な計画未達を予想。具体的には、前3月期のコア営業利益は会社予想の2100億円に対して1846億円(前の期比41%減)を予想。21年3月期の同利益は1335億円と連続減益を見込んでいる。
■バローホールディングス <9956> 1,891円 +3 円 (+0.2%) 本日終値
バローホールディングス<9956>は後場プラスに転じた。午後1時ごろに発表した3月度の月次営業情報で、スーパーマーケットの既存店売上高が前年同月比3.2%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。また、ドラッグストアの既存店売上高も同2.5%増と3カ月連続で前年実績を上回った。
■寿スピリッツ <2222> 4,490円 -180 円 (-3.9%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>は続落。9日の取引終了後、第4四半期(1~3月)の売上状況(概算)を発表しており、前年同期比14.8%減の95億600万円となったことが嫌気されたようだ。第4四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大により直営店や催事販売、海外向けなど主要な販売チャネルの売り上げが大きく落ち込んだ。月別の売上高をみると1月は前年同月比15.4%増だったが、2月は同5.7%減、3月は同44.8%減となった。なお、通期(19年4月~20年3月)では10.8%増だった。
■国際石油開発帝石 <1605> 652.6円 -20.5 円 (-3.1%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、JXTGホールディングス<5020>といったエネルギー関連株が安い。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」が9日開催したテレビ会議で、5月から日量1000万バレルの協調減産が決まった。ただ、同日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は前日比2.33ドル安の1バレル=22.76ドルと下落した。今回の協調減産の規模は、新型コロナウイルスの影響による原油需要減少をカバーするには十分ではなく、期待には達しなかったとの見方が出ている。
■ショクブン <9969> 393円 +80 円 (+25.6%) ストップ高 本日終値
ショクブン<9969>がストップ高。食材宅配の大手で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外出自粛の動きが出るなか、需要開拓が期待できる局面にある。人工知能(AI)を使った配送ナビゲーションで業務効率化への期待も大きい。投資資金の攻勢で株価は急速人気化しており、10日付で日証金から貸株規制が出たことを契機に物色人気を加速させている。
■テイツー <7610> 31円 +5 円 (+19.2%) 本日終値
テイツー<7610>が急伸。9日の取引終了後、集計中の20年2月期の単独業績について、営業利益が1億2000万円から2億6000万円(前の期比28.7%増)へ、最終利益が4000万円から1億7800万円(同64.8%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高が215億円の従来予想に対して214億4900万円(同6.8%減)とほぼ計画通りの着地となったことに加えて、「古本市場」などの店舗で中古商材に注力したことによる粗利の確保と、全社での経費削減活動による販管費の抑制が奏功したという。
■ベガコーポレーション <3542> 525円 +80 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
ベガコーポレーション <3542> [東証M]がストップ高。9日大引け後、20年3月期の経常損益(非連結)を従来予想の1億5000万円の赤字→1億4000万円の黒字(前の期は2億5600万円の赤字)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなったことが買い材料視された。家具・インテリアのEC販売で自社サイトの売上高が好調に推移する中、販売価格と商品構成の見直しによる原価率の改善、在庫適正化や配送料抑制などが奏功し、採算が大きく改善した。
■スタティアH <3393> 559円 +80 円 (+16.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
スターティアホールディングス<3393>がストップ高。同社は9日、子会社スターティアレイズが、ファイル暗号化サービスを提供するDataClasys(東京都千代田区)と製品の販売に関する契約を締結し、業務提携したと発表しており、これが好感された。個人情報保護法の制度改正大綱でデータ暗号化やデータ利便性についての記載が増え、市場でのニーズが高まっていることから、暗号化・DRM(デジタル著作権管理)で高い実績を持つDataClasys社と提携するという。提携により暗号化・DRM製品「DataClasys」とスターティアレイズのクラウドストレージサービス「セキュアSAMBA」を連携させ、テレワークにおけるファイル共有の情報漏洩対策として販売するとしている。
■C&R <4763> 900円 +128 円 (+16.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
クリーク・アンド・リバー社 <4763> が急騰。9日大引け後に発表した20年2月期の連結経常利益は前の期比32.7%増の21億円に拡大して着地。続く21年2月期も前期比23.6%増の26億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は映像、ゲーム、Web業界向け派遣・紹介などを展開する主力の国内クリエーティブ分野を中心に収益が伸長する。なお、新型コロナウイルスの影響は織り込んでいない。同時に、今期の年間配当は前期比1円増の16円に増配する方針とした。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の3.5%にあたる80万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いも向かった。
株探ニュース