来週の株式相場戦略=日経平均の半値戻しが焦点、高値警戒感も台頭か
今週の日経平均株価 は前週に比べ398円(2.0%)高と2週連続で上昇した。特に、週末17日には一時1万9900円台に乗せ3月11日以来、約1カ月ぶりの水準に上昇した。トランプ米大統領が新型コロナウイルス の感染者の少ない地域から経済活動の再開を認める方針を発表した。また、米ギリアドサイエンシズによる抗ウイルス薬「レムデシビル」の新型コロナウイルス患者に対する治験結果が良好だった、と報じられたことも好感された。
この日の株価上昇で、日経平均2万円が目前に迫った。とりわけ、1月17日高値から3月19日安値までの下げ幅の半値戻しである2万236円が近づいている。NYダウは半値戻しの2万3890ドルを直近に上回っており、今晩の相場次第では2万4000ドルの節を抜くことができるかどうかが焦点だ。
ただ、日経平均株価の騰落レシオは17日時点で114まで上昇している。3月中旬には40台と歴史的低水準に落ち込んでいたが、足もとでは一時の売られ過ぎ感は薄れ、120の過熱ゾーンに近づいている。世界の新型コロナウイルスの感染者状況のほか、国内の動向も一段と関心を集めそうだ。7日の緊急事態宣言から2週間が過ぎ、その効果が出てくるか注目される。日本での感染拡大が続くようなら「米国株が上昇しても日本株は買えない状況にもなりかねない」(アナリスト)ことを警戒する見方も出ている。
来週は、国内外とも決算発表が注目されそうだ。米国では21日のネットフリックスやテキサス・インスツルメンツ、23日のインテルなどが注目される。日本では24日から3月決算が本格化する。決算発表日を延期する動きも強まっているが、同日のアドバンテスト<6857>などが注目されている。
日経平均株価は、2万円を前後する一進一退が続く可能性がある。こうしたなか、値動きが軽い東証マザーズやジャスダックなど中小型株物色が続く展開も予想される。直近IPO銘柄を狙う動きなどが続きそうだ。日経平均の予想レンジは1万9500~2万300円。
(岡里英幸)