20日の米国市場ダイジェスト:NYダウ592ドル安、原油暴落や中小企業支援策の増額合意なく失望感
■NY株式:NYダウ592ドル安、原油暴落や中小企業支援策の増額合意なく失望感
米国株式相場は反落。ダウ平均は592.05ドル安の23650.44ドル、ナスダックは89.41ポイント安の8560.73ポイントで取引を終了した。中小企業支援策の追加資金を巡り民主党と共和党の協議が難航していることを嫌気して、売りが先行。NY原油先物(5月限)が急落し歴史上初めてのマイナス圏での取引に入ると、株式相場も下げ幅を拡大する展開となった。セクター別では公益事業、不動産が大きく売られたが、医薬品・バイオテクや小売の下落は最小にとどまった。
飛行機メーカーのボーイング(BA)は、中国国家開発銀行(CDB)リーシングが29機の737マックス機の注文をキャンセルしたとの報道が嫌気され下落。航空大手のユナイティッド航空(UA)は、1-3月期決算で21億ドルの損失を計上し下落した。また、エンターテインメント会社のウォルト・ディズニー(DIS)は、アナリストによる同社の投資判断引き下げが嫌気され下落。一方、小売ドラッグストアのライトエイド(RAD)は、店内での新型ウィルス検査を拡大すると発表し急伸した。また、ファストフードのシェイク・シャック(SHAK)は、株式売り出しで1.5億ドルの資金調達に成功したため、中小企業支援で政府から承認された融資1000万ドルを返金すると発表し大きく上昇した。
中小企業支援策への追加資金拠出についてムニューシン米財務長官は、民主党との合意が近いと述べたものの、相場を押し上げるには至らなかった。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:原油先物暴落でリスクオフの動きも
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は107円86銭から107円61銭まで下落して107円62銭で引けた。米国の3月シカゴ連銀全米活動指数が2009年1月来で最大の落ち込みを見せたほか、NY原油先物の暴落、また、中小企業支援策を巡る追加支援で依然共和・民主の合意がまとまらず米債利回りの低下を受けたドル売りやリスク回避の円買いに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは1.0850ドルから1.0887ドルまで上昇し1.0864ドルで引けた。ドイツの一部経済再開を好感しユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は117円25銭から、116円90銭まで下落。ポンド・ドルは1.2417ドルから1.2487ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9693フランから、0.9659フランまで下落した。
■NY原油:大幅続落で20.43ドル、5月限の価格は史上初のマイナスを記録
NY原油先物6月限は大幅続落(NYMEX原油6月限終値:20.43 ↓4.60)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前営業日比-4.60ドルの1バレル=20.43ドルで取引を終えた。取引レンジは20.19ドル-24.92ドル。17日のアジア市場(時間外取引)では押し目買いの興味が散見されたがニューヨーク市場で下げ幅は一段と拡大した。5月限の価格は一時-40.32ドルまで下落しており、6月限の取引にも大きな影響を与えた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 22.50ドル -0.78ドル(-3.35%)
モルガン・スタンレー(MS) 38.36ドル -0.73ドル(-1.87%)
ゴールドマン・サックス(GS)180.40ドル -3.09ドル(-1.68%)
インテル(INTC) 59.18ドル -1.18ドル(-1.95%)
アップル(AAPL) 276.93ドル -5.87ドル(-2.08%)
アルファベット(GOOG) 1266.61ドル -16.64ドル(-1.30%)
フェイスブック(FB) 178.24ドル -1.00ドル(-0.56%)
キャタピラー(CAT) 114.60ドル -1.70ドル(-1.46%)
アルコア(AA) 7.45ドル -0.14ドル(-1.84%)
ウォルマート(WMT) 129.85ドル -2.27ドル(-1.72%)
《SF》