話題株ピックアップ【夕刊】(1):ネットワン、オービック、中外製薬
■ネットワンシステムズ <7518> 3,090円 +399 円 (+14.8%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
ネットワンシステムズ<7518>が急反騰し、年初来高値を更新した。23日の取引終了後に発表した21年3月期の連結業績予想で、売上高1900億円(前期比2.1%増)、営業利益170億円(同3.2%増)、純利益115億円(同13.6%増)と増収増益を見込み、また年間配当は前期比3円増の48円を予定していることが好感された。通信事業者市場で、MSP(マネージド・サービス・プロバイダー)も含めたサービス基盤ビジネスが堅調に推移する見通しのほか、前期に5G案件を獲得したパートナー向けビジネスが引き続き拡大する見通し。売上総利益率や生産性改善の取り組みも寄与する見込みだ。なお、20年3月期決算は、売上高1861億6900万円(前の期比6.5%増)、営業利益164億7600万円(同35.4%増)、純利益101億2400万円(同2.3倍)だった。
■オービック <4684> 15,930円 +900 円 (+6.0%) 本日終値
23日に決算を発表。「今期経常は7%増で9期連続最高益更新へ」が好感された。
オービック <4684> が4月23日大引け後(15:00)に決算を発表。20年3月期の連結経常利益は前の期比9.7%増の460億円になり、21年3月期も前期比7.1%増の493億円に伸びを見込み、9期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。11期連続増収、9期連続増益になる。
■カナミックネットワーク <3939> 710円 +37 円 (+5.5%) 本日終値
カナミックネットワーク <3939> が急伸。医療及び介護事業者向けクラウドサービスを主力に展開するが、23日取引終了後、新型コロナウイルスなどの感染症対策として屋内空間除菌装置「UVC エアクリーン manager」の販売を開始したことを発表、医療施設、介護施設、保育園・幼稚園、調剤薬局など幅広い業態で需要が見込まれることが予想され、これを手掛かり材料に投資マネーが流入した。
■NOK <7240> 1,171円 +57 円 (+5.1%) 本日終値
NOK<7240>が続伸。23日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が6196億円から6271億円(前の期比6.3%減)へ、営業利益が95億円から112億円(同51.6%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。電子部品事業の販売が伸びたことに加えて、不要不急の投資の見直しや経費削減施策などが奏功したという。なお、最終損益は減損損失の計上で30億円の黒字から23億円の赤字(前の期34億1900万円の黒字)へ下振れた。また同時に、従来未定としていた期末配当を12円50銭にすると発表した。年間配当は37円50銭となり、前の期実績に比べて12円50銭の減配となる。
■Sansan <4443> 5,250円 +250 円 (+5.0%) 本日終値
Sansan<4443>が続伸。この日午前中、あらゆる請求書のワンストップ受領と正確なデータ化、データベースでの一元管理を実現した新サービス「BillOne(ビルワン)」を発表しており、これが好感された。同サービスは、同社が培ってきたクラウド名刺管理サービスのデータ化技術をもとにスタートするもので、多数の拠点や部門へバラバラに届いていた紙やPDFの請求書をオンライン上に集約し、請求書の情報を99.9%の精度でデータ化するというもの。これにより購買取引を可視化し全社に共有することで、コストコントロールだけではなく、営業機会の創出や将来的な収益の最大化に貢献するほか、テレワークやBCPの課題解決にも貢献するとしている。
■タダノ <6395> 801円 +25 円 (+3.2%) 本日終値
タダノ<6395>が続伸。23日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が116億円から155億円(前期比2.1%減)へ、純利益が70億円から78億円(同31.9%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高が2280億円の計画に対して2279億円(同20.9%増)で着地とほぼ計画通りとなったことに加えて、日本向けの建設用クレーン、車両搭載型クレーン及び高所作業車の売価の改善や売上構成の変化に伴う原価率の改善が寄与した。また、昨年7月31日に買収が完了したDemag(デマーグ)事業の棚卸資産評価損の減少や統合プロジェクト費用の圧縮などが利益を押し上げた。
■中外製薬 <4519> 13,565円 +335 円 (+2.5%) 本日終値
中外製薬<4519>が反発。23日取引終了後、20年12月期第1四半期(1~3月)の連結業績が売上高1794億2400万円(前年同期比16.3%)、最終利益515億3300万円(同47.1%増)だったと発表しており、これを好材料視する買いが向かった。国内でがん領域の新製品や主力品の販売が好調だった。また、海外では血友病治療薬「ヘムライブラ」の通常出荷価格による親会社ロシュ(スイス)向け輸出を開始したほか、ロイヤルティ収入も大幅に増加した。第1四半期業績が2ケタ増収増益と好調なスタートを切ったことが好感されたようだ。なお、今期業績予想は売上高のみ(前期比7.8%増の7400憶円)開示している。
■武田薬品工業 <4502> 3,789円 +82 円 (+2.2%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が高い。日経ビジネス電子版がこの日、「一般用医薬品(大衆薬、OTC)を手掛ける完全子会社の武田コンシューマーヘルスケア(TCHC、東京・千代田)を売却する方針を固めた」と報じており、これが材料視されたようだ。記事によると、売却先はOTC国内最大手で大正製薬ホールディングス<4581>傘下の大正製薬や投資ファンドなどが名乗りを上げることになりそうで、売却金額は4000億円程度まで膨らむことが予想されるという。TCHCはビタミン剤の「アリナミン」やかぜ薬の「ベンザブロック」などを展開しているが、武田では非中核事業を売却することで、財務体質の改善を図る方針だという。
■MS&AD <8725> 3,031円 +44 円 (+1.5%) 本日終値
MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>は反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。なお、目標株価は5200円から4200円に引き下げている。同証券では、20年3月期のような正味自然災害発生損が継続しても極めて割安と指摘。また、新型コロナウイルスに関する休業保険の支払いの影響は限定的かつ一時的としている。20年3月期の経常利益予想は会社側計画の2100億円に対して2080億円(前の期比28.6%減)、21年3月期の同利益は2870億円(今期推定比38.2%増)になると予想している。
■マクアケ <4479> 4,555円 +30 円 (+0.7%) 本日終値
マクアケ<4479>が反発。岩井コスモ証券は23日、同社株の投資判断「A」と目標株価5500円を継続した。同社は、市場に出ていない新しい製品やサービスを紹介する購入型クラウドファンディングのプラットフォーム「Makuake」を運営している。第2四半期(1~3月)の売上高は前年同期比2.1倍の6億円、営業利益は1億4000万円となり、前年同期の954万円の営業損失から黒字転換している。マクアケで掲載する製品やサービスへの応援購入総額は、前年同期比2.2倍の26億円に増加。マスク用の携帯除菌ケースなどが応援購入金額を集めた。20年9月期は売上高が前期比63%増の22億円、営業利益は同3.8倍の4億8000万円と大幅な増収増益の予想。消費者が自宅で消費を行う「巣ごもり消費」も同社にとって追い風となる、とみている。
株探ニュース