ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (20)急騰・急落銘柄を移動平均線に注目してピックアップしてみよう

特集
2020年5月15日 9時30分

勢いやトレンドがある銘柄を探そう

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆欲や不安に支配された売買を封じるために

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

世界の株式市場が新型コロナウイルスの感染拡大により暴落してから、早いものでもう2カ月ほど経ちました。私たちの日常生活を見渡すと、全国の都道府県に緊急事態宣言が拡大されるなどして経済活動が停滞を強いられ、企業業績にも悪影響を及ぼし始めています。しかし、米国をはじめとした世界の株式市場は、何事もなかったかのように落ち着きを取り戻しています。日経平均株価を見ても、3月19日に1万6358円まで下落しましたが、5月12日現在、2万円台を回復する強い動きになっています。

私たちが日常生活で感じる経済を巡る体感温度と株式市場の強さの間にある格差に、驚きや納得のいかない気持ちを感じる人も多いかもしれません。

株価は内閣府の景気動向指数を見るとわかる通り、実際の景気に先行して動く景気先行指数となります。つまり、現在の業績動向に対する単純な評価ではなく、今後、業績がさらなる成長・改善を見込むことができるのかを評価しているのです。

足元の業績が悪かったとしても、多くの投資家が将来の業績が良好だと判断すれば、株価は過小に評価されているわけですから、上昇することになります。反対に、足元の業績が良好でも、将来、業績が悪化すると考える投資家が増えれば、株価は過大に評価されているわけですから、下落することになります。

ただ、私たち人間は欲深い生き物なので、株価が下がれば「どこまで下がるのだろう」と不安に駆られます。反対に、株価が上昇すれば「まだまだ上がるだろう」と欲深くなります。こうした欲や不安に支配された売買をできるだけ封じるためには、テクニカル分析を活用して売買を機械的に判断しなければならないでしょう。

そこで今回は、株探の「株価注意報」の「テクニカル」の項目を利用して、銘柄を探すときにチェックしたいチャート分析の活用法について解説していきます。まずは「 本日のゴールデンクロス銘柄(5日と25日移動平均線)」と「本日のデッドクロス銘柄(5日と25日移動平均線)」からみていきましょう。

次ページ:移動平均線の交差が表す買いと売りのサイン

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