話題株ピックアップ【夕刊】(1):ソニーFH、東レ、郵船
■ソニーFH <8729> 2,412円 +348 円 (+16.9%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
ソニーフィナンシャルホールディングス<8729>が急騰。午後1時30分ごろの日本経済新聞電子版で「ソニーは金融事業を手がける上場子会社のソニーフィナンシャルホールディングスを完全子会社化する」と報じられ、この報道の真偽などの確認のため一時売買停止となった。記事によると、約4000億円を投じてTOBを実施するという。ソニーが持つ人工知能(AI)などの技術と、ソニーフィナンシャルの金融ノウハウを融合させ、フィンテックを活用したサービスを展開。これにより、安定収入のある金融事業の成長を加速させるのが狙いとしている。なお、報道を受けてソニー<6758>も大幅高となった。
■CYBERDYNE <7779> 499円 +52 円 (+11.6%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が急伸。午前10時ごろ、同社が開発・展開する次世代型清掃ロボット「CL02」に関して、日本信号<6741>と協業を開始すると発表しており、これが好感された。日本信号が有する鉄道業界の企業とのネットワークを活用し、CL02の展開を大幅に加速させることが狙い。協業によりCL02の販売から導入支援、保守業務を一貫して提供することが可能となったとしている。
■NFCホールディングス <7169> 2,045円 +187 円 (+10.1%) 本日終値
18日に発表した「1.12%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の1.12%にあたる20万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月19日から21年3月31日まで。
■ユーグレナ <2931> 683円 +49 円 (+7.7%) 本日終値
ユーグレナ<2931>が大幅反発。同社は18日の取引終了後、ヒト臨床試験で微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)粉末を継続的に摂取することで、作業ストレス負荷がかかっている際の自律神経バランスの調整やイライラ感・緊張感の抑制、睡眠の質の改善を示す研究成果を確認したと発表。これを好感した買いが入った。同研究の結果は、「第74回日本栄養・食糧学会大会」で発表されており、心身の疲労やストレス、睡眠不足などの現代人が抱える複合的な健康不安を解決し、根本から健康へ導く石垣島ユーグレナのヘルスケアにおける可能性を示しているという。
■パーク24 <4666> 2,020円 +109 円 (+5.7%) 本日終値
パーク24<4666>は大幅続伸。18日の取引終了後に発表した4月度のグループ月次速報で、タイムズ駐車場の売上高が前年同月比32.2%減となり、2カ月連続で前年実績を下回ったが、大幅減収は想定されていたことに加えて全般高もあって、買い優勢の展開となった。タイムズパーキングは、3月に続き新型コロナウィルスの感染拡大に伴う各自治体からの自粛要請や政府からの緊急事態宣言に伴う移動の減少などの影響により、駐車場の稼働が低調だった。なお、カーシェアリングサービス「タイムズカーシェア」の車両数は2万7870台(前月比284台増)、会員数は138万6817人(同9946人増)と拡大した。
■東レ <3402> 491.8円 +21.8 円 (+4.6%) 本日終値
東レ<3402>が大幅反発。18日、車載コンデンサ用フィルムの需要拡大に対応するため、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)「トレファン」の生産能力を増強すると発表しており、これが好材料視された。土浦工場(茨城県土浦市)に22年稼働開始予定で生産設備を増設し、生産能力を現在の1.6倍にするという。トレファンは、電気自動車のモータを駆動させるパワーコントロールユニットのインバーター回路に使用されていることから、電気自動車市場の拡大により需要が拡大しているという。
■ぴあ <4337> 3,260円 +130 円 (+4.2%) 本日終値
ぴあ<4337>が後場一段高。午後1時ごろ、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が6億円から11億円(前の期比20.1%減)へ、最終利益が1億円から1億2000万円(同85.3%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は1650億円から1630億円(同9.4%減)へやや下振れたものの、チケットの払い戻し対応にかかる一連の収益及び費用の特別勘定への組み換えの増加、更に期末に織り込んでいたチケット仕入れにかかる原価の減少などが利益を押し上げたとしている。
■トーエネック <1946> 3,570円 +140 円 (+4.1%) 本日終値
トーエネック<1946>が続急伸。18日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比23.3%増の125億1100万円に伸び、従来予想の113億円を上回って着地。27期ぶりの最高益更新となり、これを好材料視する買いが向かった。電力関連工事は減少したものの、一般得意先向け空調管工事などが増加したうえ、太陽光発電所の売電収入も伸び、増収を確保した。また、工事採算が改善したことに加え、年金制度見直しによる退職給付費用の減少なども大幅増益につながった。併せて、前期の年間配当を135円から150円(前の期は105円)に増額したことも好感されたようだ。なお、21年3月期の業績と配当見通しは非開示としている。
■三菱UFJ <8306> 423.9円 +16.5 円 (+4.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが商いを集め大きく上値を伸ばした。前日の米国株市場ではワクチンの早期開発期待が経済活動の正常化につながるとの思惑につながり、景気敏感株が全面的に買われたが、そのなかゴールドマン・サックスやJPモルガンなど内需の要である大手金融株の上げ足が際立った。米10年債利回りも0.7%台まで戻すなど長期金利も目先底入れの兆しをみせており、東京市場でも米国での運用環境悪化に歯止めがかかったとの見方からメガバンクが物色人気化している。
■日本郵船 <9101> 1,455円 +51 円 (+3.6%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が買われ、業種別値上がり率で33業種中、上位に食い込んだ。米中対立激化に対する懸念はあるものの、前日の米国株市場ではNYダウが一時1000ドルを超える急騰をみせるなど、リスク選好の流れが強い。世界的に新型コロナ感染者数の伸びが鈍化するなか、国や各地域で経済活動の再開が相次ぎ、景気回復への期待感が株高を後押ししている。また、中国では今週末に全人代開催を控えており、景気刺激策への思惑も浮上している。これがグローバル物流の需要喚起につながるものとして海運セクターにはポジティブ材料となった。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も、目先底入れの兆し。世界経済の停滞懸念を背景に4月21日から5月14日にかけて17営業日連続で下落し393まで水準を切り下げていたが、直近は2営業日続伸で400台を回復している。
株探ニュース