話題株ピックアップ【夕刊】(1):太平洋セメ、神戸物産、国際石開帝石
■太平洋セメント <5233> 2,553円 +289 円 (+12.8%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
太平洋セメント<5233>は急伸。20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を300万株(発行済み株数の2.44%)、または50億円としており、取得期間は5月21日から7月31日まで。中期経営計画に基づいた株主への利益還元を図るためとしている。また、同時に発表した21年3月期連結業績予想は、売上高8760億円(前期比0.9%減)、営業利益550億円(同9.8%減)、純利益320億円(同18.3%減)と減収減益を見込む。国内外とも新型コロナウイルスによる影響は7月以降回復に向かうことを想定している。それにより短期的には建設工事の中断や延期、中期的には民間設備投資や再開発が抑制されセメント需要が減少する見通し。なお、20年3月期決算は、売上高8843億5000万円(前の期比3.5%減)、営業利益610億800万円(同7.6%減)、純利益391億5100万円(同9.9%減)だった。
■ラクス <3923> 2,210円 +214 円 (+10.7%) 本日終値
ラクス<3923>が大幅続伸し、4カ月ぶりに年初来高値を更新した。20日の取引終了後に発表した4月度の月次売上高で、全社売上高が前年同月比36.1%増と大幅増収となり、これが好材料視されたようだ。「楽楽精算」が同46.1%増となり、引き続き成長を牽引している。
■日本信号 <6741> 1,203円 +114 円 (+10.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
日本信号<6741>は寄り付きから大幅高に買われ3連騰。同社は20日取引終了後に連結決算を発表。20年3月期の経常利益は96億7400万円(前の期比22.5%増)と従来予想の85億円を上回り、5期ぶりに過去最高益を更新したことが好材料視された。ICTソリューション事業の業績拡大が収益をけん引した。国内でホームドアを中心に駅務機器の販売が想定以上に伸びたほか、国際線旅客ターミナルビル向け旅客通過確認システム、イベント会場で使用するX線手荷物自動検査装置なども好調だった。なお、21年3月期の業績予想は新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難なことから開示しなかった。
■日本ピラー工業 <6490> 1,444円 +72 円 (+5.3%) 本日終値
日本ピラー工業<6490>が急反発。20日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の2.07%に相当する50万株または5億円を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いが入ったようだ。同時に発表した20年3月期の連結業績は、売上高292億1300万円(前の期比5.7%減)、営業利益36億8300万円(同28.2%減)に落ち込んだがほぼ計画ラインで着地。精密機械装置向けメカニカルシールや半導体・液晶製造装置関連向けピラフロン製品などが低調だった。なお、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。
■神戸物産 <3038> 5,210円 +90 円 (+1.8%) 本日終値
神戸物産<3038>は続伸。20日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(19年11月~20年4月)連結業績について、売上高が1519億円から1760億円(前年同期比21.8%増)へ、営業利益が98億9000万円から120億円(同28.7%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務の広がりなどを背景とした内食需要の高まりにより、「業務スーパー」加盟店への出荷を押し上げたという。なお、新型コロナの影響が長期化することが予測されることを受けて、連結子会社ジー・テイスト<2694>が減損損失を計上したため、純利益は64億8000万円(同7.1%増)の従来予想に沿った形で着地したようだ。
■国際石油開発帝石 <1605> 753.7円 +12.5 円 (+1.7%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>が5日続伸。20日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比1.53ドル高の1バレル=33.49ドルと上昇した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した米国の原油在庫が減少し需給改善期待が膨らんだ。この日からWTIの期近物は7月となり限月交代した。4月の限月交代時には上場投資信託(ETF)などからの投げ売りで、原油価格がマイナスに売り込まれた。それだけに、5月の動向が注目されたが、限月交代は無難に通過した様子だ。
■TKC <9746> 5,180円 +80 円 (+1.6%) 本日終値
TKC<9746>が続伸。同社はきょう、「マイナンバーカード交付予約・管理システム」の正式提供を開始したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。このシステムは、全国の市区町村が担うマイナンバーカードの交付・管理業務をトータルに支援するクラウドサービス。これにより、住民はインターネットからマイナンバーカードの申請・更新・受け取り予約が可能になるほか、新型コロナウイルスの感染予防対策の一環としても窓口混雑の緩和が期待できるという。なお、第1弾として茨城県五霞町での本格運用がスタートしている。
■日本郵船 <9101> 1,479円 +7 円 (+0.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、NSユナイテッド海運<9110>など海運株が総じて高い。業種別騰落率でも東証1部33業種中で上位に食い込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気後退に加え、米中対立の先鋭化に伴う経済への影響が懸念されるなか、週末22日には中国で全国人民代表大会(全人代)が開幕するが、ここで中国政府による追加景気刺激策に対する期待が高まりやすい。そうしたなか、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は直近4日続伸で477まで水準を戻しており、市況底入れの思惑も浮上している。
■船井総研HD <9757> 2,404円 -285 円 (-10.6%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
20日に決算を発表。「上期経常を一転25%減益に下方修正」が嫌気された。
船井総研ホールディングス <9757> が5月20日大引け後(16:00)に決算を発表。20年12月期第1四半期(1-3月)の連結経常利益は前年同期比4.7%増の15.1億円に伸びた。しかしながら、併せて1-6月期(上期)の同利益を従来予想の31.5億円→22億円(前年同期は29.1億円)に30.2%下方修正し、一転して24.5%減益見通しとなった。
■丸大食品 <2288> 1,990円 -135 円 (-6.4%) 本日終値 東証1部 下落率2位
20日に決算を発表。「前期経常が下振れ着地・今期は23%減益、5円減配へ」が嫌気された。
丸大食品 <2288> が5月20日大引け後(15:00)に決算を発表。20年3月期の連結経常利益は前の期比14.5%増の31.1億円に伸びたが、従来予想の39億円を下回って着地。21年3月期は前期比23.0%減の24億円に減る見通しとなった。
株探ニュース