話題株ピックアップ【夕刊】(1):日機装、日本製鉄、三菱UFJ

注目
2020年5月27日 15時14分

■日機装 <6376>  1,029円  +125 円 (+13.8%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率6位

日機装<6376>が一時ストップ高まで買われた。同社はきょう、自社の空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」に搭載されている深紫外線LEDについて、新型コロナウイルスに対する有効性を確認したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。同社は新型コロナの不活化試験を、宮崎大学医学部の共同研究講座「医療環境イノベーション講座Collaboration Labo. M&N」で実施。その結果、新型コロナの感染価の減少率は、30秒、60秒照射後にともに99.9%以上だったという。

■DOWA <5714>  3,505円  +335 円 (+10.6%)  本日終値

DOWAホールディングス<5714>が続急伸。26日取引終了後に発表した20年3月期の連結決算は、売上高4851億3000万円(前期比7.1%増)、営業利益259億5500万円(同39%増)に伸びて着地しており、これを好感する買いが向かった。製錬原料の購入条件が改善したうえ、パラジウム・ロジウムといった白金族金属の価格上昇や数量増加も寄与し、製錬部門の採算が大きく改善した。廃棄物処理やリサイクルを展開する環境・リサイクル部門が増収増益だったことも業績を押し上げた。なお、21年3月期の業績見通しは新型コロナウイルスの影響で需要の先行きが不透明なため、未定としている。

■四国化成工業 <4099>  1,137円  +73 円 (+6.9%)  本日終値

四国化成工業<4099>が大幅高で3日続伸。26日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の2.8%にあたる160万株または17億240万円を上限に、27日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表しており、これを好感する買いが入った。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。また、今回取得する全株と4月30日時点で保有する自己株式の一部(156万2100株)を6月10日付で消却することも明らかにしている。

■天馬 <7958>  1,703円  +105 円 (+6.6%)  本日終値

天馬<7958>が大幅高。26日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高857億6200万円(前の期比1.2%増)、営業利益30億6500万円(同30.5%増)、純利益25億400万円(同11.2%増)と3割営業増益となったことが好感された。国内事業で製品構成や販売価格の見直しを実施したことに加えて、中国や東南アジアで採算が改善したこと寄与した。なお、21年3月期業績予想は新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難なことから未定としている。

■藤森工業 <7917>  3,425円  +210 円 (+6.5%)  本日終値

藤森工業<7917>は大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は26日、同社株のレーティングの「バイ」を継続するとともに、目標株価4500円を維持した。同証券では、新型コロナウイルスなどを契機とするPF(液晶偏光板用プロテクトフィルム)の需要減退と新規製造ラインの立ち上げに伴う償却費増による21年3月期の減益は株価に織り込み済みとしている。今後はクラウド需要拡大が牽引する半導体向け電子記録用材事業や包装事業などの中長期的な成長を評価する局面を迎えるとしている。21年3月期の連結営業利益は前期比7.4%減の82億円(会社予想82億円)を見込むが、今上期を底に業績は好転すると予想しており、22年3月期の同利益は今期推定比の14.6%増の94億円と2ケタ増を見込んでいる。

■サイボウズ <4776>  2,612円  +118 円 (+4.7%)  本日終値

サイボウズ<4776>が反発し、連日で年初来高値を更新している。26日取引終了後に発表した4月の月次売上高は前年同月比18%増の13億1200万円と2ケタ増収を続けており、これを好感する買いが入った。併せて開示したクラウド関連事業の売上高は前年同月比25%増の9億4600万円だった。営業利益は新型コロナウイルス感染症の影響で国内での月次業績集計作業が遅延しているため、開示しなかった。なお、3月の営業利益は同72%減の5800万円だったが、これは賞与など人件費や広告宣伝費、地代家賃の増加によるもので、公表済みの連結業績見込みに織り込み済としている。

■DyDo <2590>  5,220円  +225 円 (+4.5%)  本日終値

ダイドーグループホールディングス<2590>が高い。26日の取引終了後に発表した第1四半期(1月21日~4月20日)連結決算が、売上高374億1300万円(前年同期比5.6%減)、営業利益7億4100万円(前年同期1億1300万円の赤字)、最終損益3800万円の赤字(同3億2200万円の赤字)となり、営業損益が黒字転換したことが好感された。政府による緊急事態宣言などによる外出自粛の動きから、国内で主に自販機チャネルの売上高に影響し減収となったが、一方で広告販促費や自販機にかかる減価償却費などが減少したことで黒字を確保した。なお、21年1月期通期業績予想は、従来は売上高1690億円、営業利益23億円、最終利益14億円を見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しが不透明であり、業績への影響額を合理的に見積もることは困難であるとして未定に修正した。

■日本製鉄 <5401>  1,010.5円  +36.3 円 (+3.7%)  本日終値

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など大手をはじめ鉄鋼株が軒並み高。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で年間粗鋼生産量も今年度は大幅な落ち込みが予想されている。そのなか、鉄鋼セクターの株価は大きく売り込まれる展開を余儀なくされたが、4月下旬以降は総じて底入れの動きを見せてきた。ここ主要各国が経済活動再開の動きをみせるなか、世界景気回復に対する思惑も徐々に強まってきた。業種別指数でみると世界景気に敏感な「鉄鋼」は日経平均と比べ出遅れが際立っていたが、全体相場の戻り足が強まるなか、空売りの買い戻しを誘発し足もと上値追い基調が強まっている。

■三菱UFJ <8306>  444.5円  +15.6 円 (+3.6%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクに買いが先行。前日の米国株市場では経済活動再開への動きが景気底入れ期待につながるなか、米新築住宅販売件数などをはじめ事前の市場コンセンサスを上回る堅調な経済指標の発表を受け、ゴールドマン・サックスやシティグループなど大手金融株が軒並み大幅高に買われた。米10年債利回りも再び0.7%台に戻しており、これを背景に米国事業を展開する日本のメガバンクにも投資資金が流入している。

■日本郵船 <9101>  1,605円  +55 円 (+3.6%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>など海運株に買いが集まった。世界の主要国で経済活動が再開する動きが広がっており、全人代が開催中の中国などでも景気刺激策への期待が強まっている。これまで新型コロナウイルスの感染拡大による影響で低迷を余儀なくされたグローバル物流にも回復が見込めるとの思惑が出遅れていた海運セクターに買いを呼び込んでいる。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数もまだ底値圏ながら続伸歩調で、直近26日現在で500台を回復している。

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