話題株ピックアップ【夕刊】(1):電通グループ、リクルート、日本電産

注目
2020年5月28日 15時14分

■電通グループ <4324>  2,993円  +422 円 (+16.4%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

電通グループ<4324>が大幅に4日続伸。27日取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)の連結業績は収益が2527億3700万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は246億9400万円(同2.7倍)、最終損益は153億5600万円の黒字(前年同期は25億8300万円の赤字)だった。景気悪化に対応したコスト管理に努めたことなどが寄与した。同時に20年12月通期の業績予想はいったん取り下げて未定とすると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、業界全体の需要が落ち込むなか、20年度は大幅な収益減少もリスクシナリオとして想定している。ただ、今期予想の年95円配当は据え置く方針としたことが安心感を呼んでいる。

■VTホールディングス <7593>  349円  +36 円 (+11.5%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

VTホールディングス<7593>が急反騰し、一時3月6日以来の350円台を回復した。27日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の1.7%にあたる200万株または10億円を上限に自社株買いを実施すると発表。併せて、株主優待制度を拡充し、20年3月末から洗車やガラスコーティングなどのキーパーLABOサービスの20%割引券を追加で贈呈することを明らかにしており、株主還元姿勢を評価する買いが入った。同時に20年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表。20年3月期の最終利益は前の期比44.8%減の20億7900万円になり、21年3月期も前期比39.4%減の12億6000万円に落ち込む見通しになったが、こちらへの反応は限定的となっている。なお、配当は20円と前期実績を維持する方針としている。

■天馬 <7958>  1,837円  +134 円 (+7.9%)  本日終値

天馬<7958>が大幅高で5連騰。前日は好決算が評価され7%上昇したのに続き、この日も8%近い上昇をみせた。同社は27日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の5.8%にあたる140万株または23億8420万円を上限に、28日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表、これを好感する買いが入った。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。

■リクルート <6098>  3,849円  +253 円 (+7.0%)  本日終値

リクルートホールディングス<6098>が4連騰と上値追い基調。寄り付きはカイ気配で始まる人気となった。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期決算は売上高が前の期比4%増の2兆3994億6500万円と増収を確保し、最終利益段階で同3%増の1798億8000万円と増益を達成した。新型コロナウイルスの影響が懸念されるなか、求人検索サイト「インディード」が牽引する形で成長トレンドを維持したことを評価する買いが優勢だ。ただ、4月の売上収益は前年同月比21%減と足もとは苦戦しており、上値では戻り売りも厚い。

■大塚ホールディングス <4578>  4,669円  +279 円 (+6.4%)  本日終値

大塚ホールディングス<4578>が急動意、4000円台前半のもみ合いを上放れた。同社は精神神経系の医薬品を主力とする製薬大手。28日後場取引時間中に発表した20年12月期第1四半期(1~3月)決算は、抗精神病薬など主力製品が好調で売上収益が前年同期比8%増の3395億6000万円、営業利益は同73%増の539億4600万円と急拡大しており、これを材料視する買いを呼び込む形となった。

■SRAホールディングス <3817>  2,414円  +137 円 (+6.0%)  本日終値

SRAホールディングス<3817>は大幅続伸。27日の取引終了後に発表した20年3月期決算が、売上高436億4200万円(前の期比7.0%増)、営業利益49億4800万円(同21.3%増)となり、営業利益が従来予想の45億円を上回って着地したことが好感された。運用・構築事業及び販売事業が増加したことによる増収効果に加えて、販売管理費の効率化も寄与した。なお、同時に発表した21年3月期連結業績見通しは、売上高427億円(前期比2.2%減)、営業利益45億円(同9.1%減)と減収減益を見込む。新型コロナウイルス感染症による製造業などの収益が低下し、厳しい状況が続くことが見込まれており、同社の顧客に製造業の割合が高いことからその影響を受けるものとしている。

■日立金属 <5486>  1,237円  +62 円 (+5.3%)  本日終値

27日に決算を発表。「今期税引き前は赤字縮小へ」が好感された。

日立金属 <5486> が5月27日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年3月期の連結税引き前損益は406億円の赤字(前の期は430億円の黒字)に転落し、21年3月期は150億円の赤字に赤字幅が縮小する見通しとなった。

⇒⇒日立金属の詳しい業績推移表を見る

■日本電産 <6594>  6,838円  +334 円 (+5.1%)  本日終値

日本電産<6594>は大幅反発し、約3カ月ぶりの高値圏に浮上した。27日取引終了後、大手自動車メーカーの中国・吉利汽車が5月に発表した新型電気自動車(EV)「Geometry C」にトラクションモータシステム「E-Axle」の150kWモデル「Ni150Ex」が採用されたと発表しており、これを好材料視する買いが入ったようだ。「E-Axle Ni150Ex」は昨年4月に量産開始した「E-Axle」の進化モデルで、「Geometry C」の動力性能、電費性能、音振性能の向上と車重の低減に大きく貢献しているという。同社は2030年までにEV用駆動モーター市場で世界シェア35%獲得を目指しており、E-Axleをそのけん引役に位置づけている。

■キーエンス <6861>  44,580円  +1,840 円 (+4.3%)  本日終値

キーエンス<6861>が1800円を超える上昇をみせ4連騰。異彩の強さを発揮して上場来高値圏を走っている。新型コロナウイルス感染症拡大による影響で世界経済が落ち込むなかFA関連セクターには逆風が強かった。しかし、ここにきて主要先進国で経済再生に向けた動きが活発化、全人代開催中の中国でも景気刺激策への思惑があり、景気底入れへの期待で風向きが変わった。同社株も貸株調達による空売りが高水準に入っていたことがうかがわれるが、5月下旬以降は買い戻しにより踏み上げ相場の様相となっている。

■芝浦機械 <6104>  2,413円  +92 円 (+4.0%)  本日終値

芝浦機械<6104>は大幅高で4日続伸。同社は27日取引終了後に21年3月期の配当予想を発表。年間配当は前期比114円30銭増の199円30銭に大幅増配する方針とした。年間75円(中間期と期末に37円50銭ずつ)の普通配当に加え、6月末を基準日として総額約30億円(1株当たり124円30銭)の特別配当を実施する。特別配当の実施は2月21日に公表済みだが、これを改めて材料視する買いが向かったようだ。なお、同時に発表した20年3月期の連結最終利益は前の期比79.9%増の73億3800万円となり、続く21年3月期の同損益予想は26億円の赤字に転落する見通しとなった。今期は経営改革プランの実施で構造改革費用が膨らむ見込みだ。

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