明日の株式相場戦略=ファストリなど超値がさ株に注目、海外勢の買い戻し次第に
3日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比288円高の2万2613円で取引を終えた。一時、前日比500円近い上昇となり2万2800円台まで値を上げる場面があった。政府が緊急事態宣言の解除を発表した先月25日から、日経平均は約9%の上昇と強烈な上げ相場が続いている。
ただ、その一方で騰落レシオは140%を超すなど過熱感を指摘する声は少なくない。そんななか、日経ジャスダック平均は14日ぶりに反落するなど一部銘柄には利益確定売りが出ている様子だ。
足もとの上昇の牽引役となっているのは「海外投資家の買い戻し」(アナリスト)だ。また、個人投資家も上げ潮相場に参入しており、モメンタム(勢い)投資が活発化している。この日は為替が108円後半と円安が進行したことも、全体相場の追い風となった。
今後の全体相場の行方をみるうえで見逃せないのが、ファーストリテイリング<9983>のような指数寄与度の高い超値がさ株の動向だ。ファストリは今月1日まで11連騰した後、2日に一服したがこの日再度上昇した。「コロナショックでヘッジ売りしていた海外投資家が、ファストリのような銘柄に買い戻しを入れていることが指数を押し上げている要因だ」(市場関係者)。このヘッジ売りの買い戻しは、キーエンス<6861>やSMC<6273>などの超値がさ株にも入っている様子だ。このため、一部の値がさ株が指数をけん引する格好で、体感温度を上回る上昇となっている。過熱感が指摘されるなか、日経平均株価がどこまで上昇するかは、超値がさ株の動向次第だろう。
今晩は米5月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況感指数の発表がある。明日は引け後に積水ハウス<1928>の決算発表が予定されている。
(岡里英幸)