5日の米国市場ダイジェスト:米国株は大幅反発、5月雇用統計で速やかな回復期待高まる
■NY株式:米国株は大幅反発、5月雇用統計で速やかな回復期待高まる
米国株式相場は大幅反発。ダウ平均は829.16ドル高の27110.98ドル、ナスダックは19
8.27ポイント高の9814.08ポイントで取引を終了した。5月の雇用統計で予想以上に速
い雇用の回復が示されたためV字型回復期待が高まり、投資家心理の改善で買いが先行
した。トランプ大統領が会見で、給与税減税など一段の刺激策を要請していく方針を
示すと上げ幅を拡大し、終日堅調推移となった。セクター別では、エネルギー、自動
車・自動車部品が大幅上昇した一方、食・生活必需品小売りの上昇は小幅にとどまっ
た。
老舗宝石店のティファニー(TIF)は買収で合意しているフランスのLVMHが、買収価格
の再交渉は行わずに予定通り買収手続きを進める方針を示したことが好感され上昇。
住宅メーカーのトールブラザーズ(TOL)はアナリストによる投資判断引き上げが好感
され上昇した。ウーバー(UBER)と合併交渉が続いている料理宅配のグラブハブ(GRU
B)は、欧州の同業社ドイツのデリバリーヒーローや英国のジャストイートも買収に興
味を示していると報じられ急伸。一方で、今まで外出自粛の恩恵を受けてきたフィッ
トネス事業を展開するペロトン(PTN)やビデオ会議サービスのズームビデオ(ZM)は
軒並み下落した。
ナスダック総合指数は日中、過去最高値を更新したものの終値ベースでは僅かに2月の
高値を下回った。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル強含み、米5月雇用統計は予想外の改善を示す
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は109円17銭から109円85銭まで上昇して109円59銭で引けた。米国の5月雇用統計で失業率が予想外に低下、非農業部門雇用者数も減少予想に反して過去最大の増加を記録したポジティブサプライズとなった結果を受け、景気の見通しが大幅に改善。米債利回りの上昇に伴うドル買いやリスク選好の円売りに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは1.1344ドルから1.1279ドルまで下落して1.1291ドルで引けた。トランプ政権が対EU車への関税を課す可能性を示唆したことが嫌気されユーロ売り圧力となった。ユーロ・円は123円63銭から124円26銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2640ドルから1.2731ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9578フランから0.9651フランまで上昇した。
■NY原油:大幅高、5月米雇用統計は想定外の大幅な改善を示す
5日のNY原油先物7月限は大幅高。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+2.14ドルの1バレル=39.55ドルで取引を終えた。取引レンジは37.05ドル-39.68ドル。5日のアジア市場で37.05ドルまで下落した後、欧州市場で38.48ドルまで反発した。この日発表された5月米雇用統計で非農業部門雇用者数は、想定外の大幅な増加を記録したことから、ニューヨーク市場で原油先物は再上昇。通常取引終了後に時間外取引で39.68ドルまで買われた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.11ドル +1.33ドル(+4.97%)
モルガン・スタンレー(MS) 49.53ドル +0.84ドル(+1.73%)
ゴールドマン・サックス(GS)217.92ドル +3.10ドル(+1.44%)
インテル(INTC) 64.34ドル +1.37ドル(+2.18%)
アップル(AAPL) 331.50ドル +9.18ドル(+2.85%)
アルファベット(GOOG) 1438.39ドル +26.21ドル(+1.86%)
フェイスブック(FB) 230.77ドル +4.48ドル(+1.98%)
キャタピラー(CAT) 135.12ドル +6.16ドル(+4.78%)
アルコア(AA) 12.07ドル +0.43ドル(+3.69%)
ウォルマート(WMT) 121.56ドル -0.55ドル(-0.45%)
《ST》