8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ461ドル高、NY市の活動再開で景気回復期待が強まる
■NY株式:NYダウ461ドル高、NY市の活動再開で景気回復期待が強まる
米国株式相場は続伸。ダウ平均は461.46ドル高の27572.44ドル、ナスダックは110.66ポイント高の9924.75ポイントで取引を終了した。5月雇用統計の予想外の改善に加えて、全米経済への貢献度が高く、ウイルス感染被害の大きかったニューヨーク市が8日から第1段階の活動を再開したため、景気回復期待が強まり買い先行で寄り付いた。ハイテク大型株の上値が重くナスダックは一時下落する場面もあったが、引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。セクター別では、エネルギー、消費者サービスが上昇した一方、半導体・同製造業装置は下落した。
電気自動車(EV)メーカー大手のテスラ(TSLA)は中国での3月自動車販売が回復、過去最大を記録したことが明らかになり上昇。ファストフードのダンキンブランズ(DNKN)は経済活動の再開に伴い25000人の雇用を発表したほか、アナリストによる投資判断引き上げが好感され上昇。航空機メーカーのボーイング(BA)や航空会社のジェットブルー(JBLU)もアナリストによる投資判断引き上げが好感され急伸した。一方で、料理宅配サービス大手のグラブハブ(GRUB)は配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)との合併交渉の難航が報じられ下落した。
全米経済研究所(NBER)は米国経済が2月に景気後退入りしたと正式に宣言した。2009年から始まった景気拡大は128カ月と過去最長を記録した。
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■NY為替:ドル・円は一時108円24銭、利益確定を狙った円買い強まる
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円42銭から108円24銭まで下落して108円44銭で引けた。米3年債入札は好調だったほか、全米経済研究所(NBER)が「米国経済は2月に景気後退入りした」と宣言し、米国債利回りの低下に伴うドル売りに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは1.1276ドルから1.1318ドルまで上昇して1.1292ドルで引けた。ドイツの低調な経済指標を嫌ったユーロ売りが続いたが、米長期金利の動向を意識したユーロ買い・ドル売りが観測されており、ユーロは下げ渋った。ユーロ・円は123円52銭から122円23銭まで下落した。利益確定を狙ったユーロ売りが観測された。ポンド・ドルは1.2652ドルから1.2736ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9628フランから0.9556フランまで下落した。
■NY原油:反落で38.19ドル、原油需要を巡る思惑などで利食い売りが増える
NY原油先物7月限は反落(NYMEX原油7月限終値:38.19 ↓1.36)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比-1.36ドルの1バレル=38.19ドルで取引を終えた。取引レンジは37.96ドル-40.44ドル。8日のアジア市場で40.44ドルまで買われたが、原油需要を巡る思惑などで利食い売りが活発となり、ニューヨーク市場で一時37.96ドルまで下落。ただ、その後は米国株高を意識して下げ渋り、時間外取引では38ドル台前半でのもみ合いが続いた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.54ドル +0.43ドル(+1.53%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.15ドル +0.62ドル(+1.25%)
ゴールドマン・サックス(GS)220.81ドル +2.89ドル(+1.33%)
インテル(INTC) 63.67ドル -0.67ドル(-1.04%)
アップル(AAPL) 333.46ドル +1.96ドル(+0.59%)
アルファベット(GOOG) 1446.61ドル +8.22ドル(+0.57%)
フェイスブック(FB) 231.40ドル +0.63ドル(+0.27%)
キャタピラー(CAT) 137.72ドル +2.60ドル(+1.92%)
アルコア(AA) 12.98ドル +0.91ドル(+7.54%)
ウォルマート(WMT) 121.24ドル -0.32ドル(-0.26%)
《ST》