【杉村富生の短期相場観測】 ─いよいよ波乱はチャンスのタイミング到来!
「いよいよ波乱はチャンスのタイミング到来!」
●NY市場は予測通り大荒れの展開に
まさに、「このことよ、このことよ」ではないか。筆者は5月以降、基本方針は「徹底した売り上がり」(現金を積み増せ)、投資戦術は「銘柄を絞り込み、小玉での小すくい作戦」を提唱してきた。「弱気ですね」と酷評されたが、それは違う。これがリスク・マネジメントである。
すなわち、現状を正しく認識するとともに、相場の水準、方向(トレンド)を見据え、キャッシュ・ポジション(現金比率)を調節、波乱に備える。まあ、キャッシュ・イズ・キングとは言わないが、潤沢な現金を持っていれば多少の揺れにはびくともしない。それが“心”の余裕になる。
11日のNY市場は大荒れとなった。NYダウは1861ドル(6.9%)安の2万5128ドル、 ナスダック指数は527ポイント(5.3%)安の9492ポイントだ。ナスダック指数は前日に1万0086ポイントの史上最高値をつけていた。それが一転、暴落である。
4~6月は想定外のすさまじい猛反騰劇に、多くの市場関係者、投資家が強気に傾いていた。「ここを買わずに、どこを買うんだ?」と。マーケットのコンセンサスは「日米両市場ともに、年初の高値を一気に奪回する」と、強気ムード一色だった。こんな局面を思い切って買うと、すっころぶ(高値をつかむ)。投資家の皆さんは良くご存知ではないか。
だからこそ、余計なことだが、執拗に警鐘を鳴らしてきたのだ。要するに、コンスタントに“利”を得るにはどうすれば良いか。筆者は常に、「個人投資家の立場に立って」をモットーに生きてきた。この世界は「3%の勝者に97%の敗者」と形容されるほどの苛酷なところである。
●今回は3月のような状況とは違う!
儲けるためには多数意見(市場ムード)に従っていてはダメだ。もちろん、大勢には逆らえない。強気相場にはついていくしかない。中途半端な水準でのカラ売りは厳禁である。ただし、少数意見に耳を傾け、冷静さを失わないことが大切だ。強気相場(反騰初期局面)と熱狂相場(過熱ゾーン突入)は異なる。
それと、ウォールストリート(金融街→株式市場)は絶好調だが、メーンストリート(商店街→実体経済)はボロボロという異常な状況(ギャップ)が継続するはずがない。異常は必ず修正される。VIX(恐怖)指数は40ポイント台に乗せてきた。早晩、機関投資家のリスク・パリティが発動されるだろう。
とはいえ、6月は3月のような悲惨な状況にはならない。古来、パニックは政策の母、という。各国政府、金融当局のドラスチックな政府対応の効果がある。ここは積み増した現金を駆使し、「突っ込み買い方針」が有効と判断する。そう、買おうじゃないか。
狙い目は電子認証のGMOクラウド <3788> 、トビラシステムズ <4441>、食料品のネット通販のcotta <3359> [東証M] 、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連のYE DIGITAL <2354> [東証2] 、新型コロナウイルスワクチン開発計画に参加のスリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG] などになろう。
2020年6月12日 記
株探ニュース