話題株ピックアップ【夕刊】(2):ワークマン、ローソン、トヨタ
■ワークマン <7564> 9,500円 +270 円 (+2.9%) 本日終値
ワークマン<7564>が続伸。午前中の日本経済新聞電子版で、「子供服と子供靴事業に参入する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、7月に新商品を投入し、「ワークマンプラス」200店舗で販売するという。ウィズ・コロナでは屋内よりも郊外などでアウトドアを楽しむライフスタイルが広がるとみて、親子で楽しめるように品ぞろえを強化するようだ。
■ミライトHD <1417> 1,600円 +20 円 (+1.3%) 本日終値
ミライト・ホールディングス<1417>が3日続伸。岩井コスモ証券は16日、同社株の目標株価を1650円から1700円に引き上げた。投資判断の「A」は継続した。通信工事大手の同社の20年3月期の連結営業利益は、ICTソリューション事業の伸びもあり前の期比6.3%増の219億9300万円と市場予想を上回った。21年3月期の同利益は前期比横ばいの220億円の見込み。通信各社の5G投資前倒しやテレワークなどによるICT環境の構築需要が見込める一方で、新型コロナウイルスの影響による受注の後ずれや東京五輪の延期による需要消失なども出てきそうだ。ただ、今下期以降は堅調な推移を見込んでおり、22年3月期の同利益は今期推定比6%増の234億円を予想している。
■ローソン <2651> 5,930円 +70 円 (+1.2%) 本日終値
ローソン<2651>は3日続伸。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「良品計画と提携する。一部の店舗に生活雑貨『無印良品』の商品を置くほか、プライベートブランド(PB)商品も共同開発する」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、きょうから東京都内のローソン直営店3店舗で無印良品の商品を販売するとしており、今後はローソン1店舗で取り扱う商品数約3500品目のうち、最大約500品目を無印良品の商品に置き換えるという。良品計画<7453>は同じ旧セゾングループのコンビニエンスストア、ファミリーマート<8028>に無印良品の商品を供給していたが、19年1月末に契約を終えており、良品計画にとっても販路拡大への思惑が働き、堅調な動きとなった。
■インテージH <4326> 819円 -52 円 (-6.0%) 本日終値 東証1部 下落率3位
インテージホールディングス<4326>が大幅反落。16日の取引終了後、20年6月期の連結業績予想について、売上高を710億円から670億円へ、営業利益を48億4000万円から36億5000万円へ、純利益を31億5000万円から14億5000万円へ下方修正したことが嫌気された。新型コロナウイルス感染症の影響により、マーケティングリサーチの事業におけるオフライン調査の中止や延期が発生しているほか、全てのセグメントで顧客の予算削減などの影響や新規営業活動の制約により案件数の伸びが鈍化していることが要因としている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,944円 -77 円 (-1.1%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、ホンダ<7267>など自動車株が総じて安い。前日発表された5月の米小売売上高は過去最大の伸び率をみせた。米国の急速な個人消費回復は国内自動車セクターにとってもポジティブ材料だが、足もと外国為替市場で1ドル=107円10銭台までドル安・円高方向に振れたことで、輸出採算悪化の思惑から株価の上値を重くした。北朝鮮による南北共同連絡事務所の爆破で地政学リスクが意識されるなか、リスクオフの円高に対する警戒感が強い。
■ノムラシス <3940> 679円 +100 円 (+17.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ノムラシステムコーポレーション<3940>がストップ高で年初来高値を更新、一気に600円台後半に乗せてきた。独SAPのERPソフトに特化する形でシステムの導入コンサルティングを展開、RPA分野での受注開拓も進めており、政府が旗を振る企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資の担い手として注目度が高い。20年1~3月期はトップラインが2ケタ増収、営業利益も前年同期を4割以上も上回る好調ぶり。20年12月期通期計画では営業14%増益の3億7900万円を見込むが進捗率を考慮すると増額される可能性もある。6月末の株主を対象に1株を2株にする株式分割を実施する予定であり、権利取り狙いの買いも呼び込んだ。
■電業社機械製作所 <6365> 2,720円 +370 円 (+15.7%) 本日終値
電業社機械製作所<6365>が後場急伸。午後2時ごろに発表した21年3月期連結業績予想で、売上高215億円(前期比9.3%増)、営業利益19億5000万円(同13.0%増)、純利益14億円(同10.1%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当を前期比5円増の90円を予定していることが好感された。例年に比べて受注残が多いことが業績を牽引する。なお、今期の受注は、政府の経済対策として予算化された公共インフラ設備の受注に加えて、省エネルギーや生産性向上を目的とする設備の更新需要などの受注を確保し200億円(前期256億円)を目指すとしている。なお、20年3月期決算は、売上高196億7400万円(前の期比7.3%増)、営業利益17億2500万円(同0.7%増)、純利益12億7100万円(同2.5%増)だった。
■アジャイル <6573> 754円 +100 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値
アジャイルメディア・ネットワーク<6573>がストップ高。16日の取引終了後、人工知能(AI)カメラによる「密集・発熱・マスク着用」を検知・共有する、新型コロナウイルス対策の独自AIソリューションの提供を開始したと発表しており、これが好感された。同ソリューションは、同社が提供するAI分析ソリューション「SkyREC(スカイレック)」で施設来店者やイベント参加者及び従業員の安全対策として、一定エリアの混雑状況を把握する「密集検知」や、サーマルカメラによって発熱者を検知する「発熱検知」、マスクの装着有無を把握する「マスク検知」、現場責任者や本社管理者にそれらの取得データを動画化し自動で報告する「分析情報の共有」などを提供するという。同社ではイベントや展示会場、ホテルビュッフェ、社員食堂、商業施設、オフィスビルなど提案するとしている。
■石川製作所 <6208> 1,914円 +238 円 (+14.2%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
石川製作所<6208>、豊和工業<6203>、細谷火工<4274>など防衛関連に位置づけられる銘柄群が一斉に買われた。北朝鮮と韓国の関係悪化が懸念されるなか、16日に北朝鮮が同国南西部に設置されている南北共同連絡事務所を爆破したことで、地政学リスクが改めて意識される状況となった。これを受けて、東京市場では一連の防衛関連株に値幅取りを狙った短期資金が流入する格好となった。
■キューブシステム <2335> 872円 +75 円 (+9.4%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
キューブシステム<2335>は9.4%高と大きく水準を切り上げ、1月21日につけた年初来高値856円を更新した。アフターコロナの世界では生産性向上を目的に企業のデジタル化投資が加速するとみられているが、そのなかソフト開発やデータベース構築を主力とするシステムインテグレーターで、情報通信、流通、金融と幅広い業種に高実績を有する同社への評価が高まっている。情報通信業界ではAI・IoTやクラウド型ITソリューションなどで案件を確保し、流通ではホームファニチャリング事業向け案件や成長領域での顧客開拓が進んでいる。金融ではキャッシュレス化の流れを追い風にクレジット会社向けシステム構築案件が拡大している。コロナ禍にあっても21年3月期業績は売上高が9%増の160億円、営業利益は17%増の11億2000万円と2ケタ成長を見込んでおり、PERなど投資指標面でも割高感はなく、成長期待を背景に機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測される。
株探ニュース