伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 6月21日版
日経平均が3万円以上を目指す動きになるかの分岐点
1. NYダウ、週明け後に上げるなら上昇継続の可能性残す
図1は、 NYダウ日足です。NYダウは、6月19日の価格が下げていますが、終値で6月16日の安値2万5811ドルを維持する動きとなっていることや、6月16日以降の価格が終値ベースで上値、下値を切り下げる動きになっていないことなどから、まだ上昇途中の小幅調整の範囲内の動きである可能性を残しています。
6月15日の安値2万4843ドルが押し目底になって、新たな上昇の流れへ入っているなら、週明け後は19日の安値2万5759ドルを維持して新たな上昇の流れへ入る公算です。
週明け後の価格が下げる場合、6月16日以降の動きは、上値の重さを確認した後の下降局面である可能性が大きくなります。
週明け後の価格が下げる場合、その後は一気に5月14日の安値2万2789ドル以下へ下げるという見方が有力になります。
図1 NYダウ日足
2. 日経平均、最も強い展開はおおよそ1営業日80円の速度
6月7日に配信した記事(「日経平均株価が年内に3万円を目指す展開を視野に入れる」)では、アベノミクスの3本の矢の政策がすべて出揃ったことで、 日経平均株価が3万円以上を目指す可能性があると書きました。
この記事を読み、何をバカなことを書いているんだと考えた方が多いのだと思います。私は記事を書く際、必ずそうなると考えて書いているわけではありません。ただ、目標があるなら、目標へ到達するための道筋があるので、それを想定しておくことで、予測の当否を誰よりも先に知ることができると考えています。
実際に3万円以上を目指す展開になるなら、今後の価格が2万2000円以下をつける場面は、3万円以上の戻り高値へ到達した後、価格が天井をつけて急落するときになると考えられます。
まずは週明け後、NYダウが反発を開始して、日経平均株価が上昇すれば、3万円以上を目指す可能性を残すことになります。当然、週明け後のNYダウが下げるなら、日経平均株価が3万円以上を目指す展開を考えにくくなります。
事前に想定できるシナリオはいくつもあり、重要な分岐点を通過するごとに、シナリオが絞られてくるのです。