ログイン
米国株

緩和マネーの行方は? 業績と株価のギャップが語るもの <東条麻衣子の株式注意情報>

市況
2020年6月24日 20時00分

新型コロナウイルスの感染再拡大や経済回復の行方を懸念する声はあるものの、株式市場は堅調な推移を続けている。だが、ここ2週間程度の間に相場に変化が生じてきたように感じる。

■FOMC発表に下落で応じたマーケット

6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2022年まで政策金利のゼロ付近での維持と米国債・モーゲージ債の現行ペースでの買い入れを継続する方針が示された。

FOMC声明の発表以前の過剰流動性相場であれば、低金利の継続は好材料として受け止められてもおかしくはなかったが、 NYダウは大幅な下落を見せた。

なぜ、株式市場は下落で反応したのか。

筆者は、10-12月期および21年1-3月期に対し市場が求めている業績と、株価の間にあるギャップを埋めにきたのではないかと考えている。

■埋められない窓

NYダウの日足チャートを見ると、10-11日に開けた窓を依然として埋められずに推移している。

これは、過剰流動性だけでは業績を無視してまで、相場全体をこれ以上押し上げる力はないことを物語っており、NYダウは8日高値の2万7580ドルを更新できない可能性があるのではないか。

米国、日本市場ともに金融・経済政策が相場の下値を支えるとみられるものの、筆者は今後、指数に連動する運用成果を目指すパッシブ運用よりも、アクティブ運用のパフォーマンスが良くなる相場展開を予想している。それ故、投資においては個別銘柄を正しく判断することがより重要になってくるだろう。

■低空売り比率のセクターに資金集中か

6月に入ってからの空売り比率の平均は41.125。同期間の業種別の空売り比率の低かったものを挙げると、

1位 医薬品  36.175

2位 精密機器 36.181

3位 鉱業   36.312

4位 情報通信 36.862

5位 保険   36.8

となっている。米国市場においても、GAFA(グーグル=アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン)やテスラ、仮想通貨関連といった一部銘柄に緩和マネーが集中している。先高観の強い銘柄がさらにマネーを呼び込み上昇していく構造である。

日本市場でも、空売り比率の低いセクターに同様に資金が集中し続けるのではないだろうか。

◆東条麻衣子

株式注意情報.jpを主宰。投資家に対し、株式投資に関する注意すべき情報や懸念材料を発信します。

株式注意情報.jp http://kabu-caution.jp/

Twitter https://twitter.com/kabushikichui

株探ニュース

関連記事・情報

  1. 混迷経済の最強指標は、「利益より売上高」「1年先より5年先」 (06/24)
  2. 明日の株式相場戦略=マザーズ強烈波動、爛熟する個人マネー (06/24)
  3. 【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! (6月24日発表分) (06/24)
  4. “つながる工場”の落とし穴、リスク再認識で浮上「IoTセキュリティー」関連.. (06/24)
  5. コロナ対策で急浮上「産業用AR」に熱視線、注目必至の有望株総ざらい.. (06/23)
  6. ★本日の【サプライズ決算】速報 (06月24日)
  7. 明日の決算発表予定 ニトリHD、出前館など11社 (6月24日)
  8. レーティング日報【2段階格上げ↑】 (6月24日)
  9. 話題株ピックアップ【夕刊】(1):BASE、ニトリHD、トヨタ (06/24)
  10. 【↓】日経平均 大引け| 小反落、手掛かり材料難で方向感つかめず (6月24日)

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    【植木靖男の相場展望】 ─上げるも下げるも相場、時を待て! 市況
  2. 2
    6月に配当取りを狙える【高利回り】ベスト30 <割安株特集> 特集
  3. 3
    個人投資家・有限亭玉介:話題株をピックアップ!個別株の明暗わかれやすい相場で気になる株【FISCOソーシャルレポーター】 特集
  4. 4
    【今週読まれた記事】“大きな変化”、株高は長期上昇トレンドへ 特集
  5. 5
    今期活躍期待の【連続最高益】銘柄リスト〔第4弾〕31社選出 <成長株特集> 特集
人気ニュースベスト30を見る
ログイン プレミアム会員登録
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.