話題株ピックアップ【夕刊】(1):C&R、SHIFT、ソニー
■C&R <4763> 1,307円 +269 円 (+25.9%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
クリーク・アンド・リバー社<4763>が急反騰し、年初来高値を更新した。9日の取引終了後に発表した21年2月期第1四半期(3~5月)の連結業績は、売上高94億8600万円(前年同期比15.2%増)、経常利益10億6200万円(同34.4%増)に伸びて着地。これが好材料視された。国内クリエイティブ分野で主力のテレビ、ゲーム、Webの派遣・請負事業に加え、YouTubeや電子書籍などの案件が伸びたほか、韓国のテレビ局向け派遣事業を今期から再連結化した効果も売上高を押し上げた。また、新規事業の着実な進展で損益が改善したことに加え、働き方の見直しや徹底的な無駄の排除による販管費の抑制も大幅増益に貢献した。経常利益の上期計画(14億円)に対する進捗率は75.9%に達しており、業績上振れ期待も出てきている。
■SHIFT <3697> 12,780円 +1,560 円 (+13.9%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
SHIFT<3697>は急騰し、上場来高値を更新した。9日の取引終了後に発表した20年8月期第3四半期累計(19年9月~20年5月)の連結業績は、売上高207億1900万円(前年同期比51.8%増)、経常利益17億5800万円(同2.1倍)に拡大しており、これを好材料視する買いが向かった。主力のエンタープライズ市場向けソフトウエアテストで注力領域としている通信や保険業界などの大型顧客の開拓が進んだことが寄与した。また、ゲーム会社などエンターテインメント向けも業界内認知度の向上や既存顧客の売上高が増加し、大幅増収を達成している。
■BASE <4477> 6,530円 +380 円 (+6.2%) 本日終値
BASE<4477>が大幅続伸で連日の上場来高値。中小企業向けなどを主力にECサイト制作サービスを展開しており、先行投資で足もとの損益は赤字だが、顧客開拓が進むなかトップラインの伸びが顕著で、将来的な成長期待から機関投資家とみられる実需買いが続いている。9日取引終了後、同社のEコマースプラットフォーム「BASE」がアパレル生産マネジメントツール「AYATORI」とサービス連携し、オリジナルアパレル製造支援を強化することを発表、これが物色人気を助長する形となった。
■ソニー <6758> 7,780円 +107 円 (+1.4%) 本日終値
ソニー<6758>が続伸。この日朝方、人気ゲーム「フォートナイト」を運営する米エピック・ゲームズ(ノースカロライナ州)に2億5000万ドル(約268億円)の戦略的出資を行うと正式発表しており、これが好感された。エピック社の「フォートナイト」は、世界中に3億5000万人以上のユーザーをゆうする世界最大規模のオンライン対戦ゲームで、「eスポーツ」の競技種目になることも多い。両社はこれまでもさまざまな形で協業してきたが、今回の出資により関係を強固にし、ゲーム分野に限らず、最先端のテクノロジーやエンターテインメント、オンラインサービスを発展させる方針という。
■カナミックネットワーク <3939> 927円 +12 円 (+1.3%) 本日終値
カナミックネットワーク<3939>が売り物をこなし買い優勢の展開となっている。同社は9日取引終了後、自治体向けに独自AIを活用した「要支援要保護児童等リスクアセスメントAI評価システム」を販売開始したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。厚生労働省が提示している「児童虐待に関わる児童相談所と市町村の共通リスクアセスメントツール」のリスク要因とリスク度をAIで自動的に判定するもので、子育て分野におけるAI・IoTの普及の先駆として注目されている。
■双葉電子工業 <6986> 957円 +12 円 (+1.3%) 本日終値
双葉電子工業<6986>が反発。9日の取引終了後、ソフトバンク<9434>及び東京工業大学工学院・藤井輝也研究室と共同で、災害発生時に携帯電話のサービスエリアを迅速に復旧させることを目的とした「有線給電ドローン無線中継システム」を開発し、長時間無線中継を行う実証実験に成功したと発表しており、これが好感された。同システムは、ソフトバンクの全国の主要なネットワークセンターに配備されている「係留気球無線中継システム」と併用して、自然災害などにより支障が生じた携帯電話サービスエリアを、より迅速に復旧させることを目的に開発。実証実験では、双葉電子が開発したドローンをベースにソフトバンク、東工大と共同で有線給電対応に改装。その後、ソフトバンクと東工大が共同開発した無線中継装置と有線給電システムを搭載し、3者が共同で長時間の飛行による無線中継の実証実験を行ったという。
■ユーグレナ <2931> 736円 +1 円 (+0.1%) 本日終値
ユーグレナ<2931>が反発。同社は9日、微細藻類「ユーグレナ」を用いた培養土(肥料)を小橋工業(岡山市)と共同開発し、テスト販売を始めたと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。両社はこのほど、ユーグレナを用いて作製した肥料が植物の生育に有用な効果を示唆する研究結果を確認、テスト販売に至った。なお、同社は内閣府の戦略イノベーション創造プログラム(SIP)での“持続可能な循環型社会を実現する「農業環境エンジニアリングシステム」の開発”に構成員として参画し、ユーグレナ粉末が土壌や作物に与える影響を解析している。
■乃村工藝社 <9716> 777円 -94 円 (-10.8%) 本日終値 東証1部 下落率2位
9日に決算を発表。「3-5月期(1Q)経常は46%減益で着地」が嫌気された。
乃村工藝社 <9716> が7月9日大引け後(15:00)に決算を発表。21年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比45.8%減の14.3億円に落ち込んだ。
■くら寿司 <2695> 4,600円 -480 円 (-9.5%) 本日終値 東証1部 下落率6位
くら寿司<2695>が大幅続落。9日の取引終了後に発表した第2四半期累計(19年11月~20年4月)連結決算が、売上高653億4200万円(前年同期比1.6%減)、営業損益4億9100万円の赤字(前年同期23億5900万円の黒字)、最終損益9億5900万円の赤字(同17億1300万円の黒字)と営業赤字に転落したことが嫌気された。国内16店舗をはじめ計22店舗を出店したほか、ランチタイムに低価格メニューを拡充し平日昼間の売り上げが拡大したものの、新型コロナウイルスの感染者拡大に伴う外出自粛や、政府の「緊急事態宣言」発令後の営業時間の短縮要請などで事業環境が悪化した。なお、20年10月期通期業績予想は引き続き未定としている。
■ユーザベース <3966> 1,988円 -200 円 (-9.1%) 本日終値
9日に発表した「海外募集による新株発行を実施」が売り材料。
海外募集による269万1000株の新株発行を実施する。発行価格は7月9日から10日までのいずれかの日に決定。
株探ニュース