話題株ピックアップ【夕刊】(2):久光薬、ローソン、ファストリ

注目
2020年7月10日 15時18分

■久光製薬 <4530>  4,960円  -410 円 (-7.6%)  本日終値

久光製薬<4530>が急落。9日取引終了後、未定としていた21年2月期の業績予想を公表し、連結営業利益は前期比43.2%減の129億円との見通しを明らかにした。主力の消炎鎮痛剤「モーラステープ」の販売が減るほか、「サロンパス」も伸び悩む見通しだ。今期年間配当は前期比50銭増の83円50銭と増配を見込むが、市場は大幅減益予想を嫌気して売りが膨らむ展開となっている。

■ローソン <2651>  5,500円  -290 円 (-5.0%)  本日終値

ローソン<2651>が大幅反落。9日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高1553億6000万円(前年同期比13.1%減)、営業利益26億2300万円(同81.6%減)、最終損益41億8500万円の赤字(前年同期71億8400万円の黒字)となり、最終赤字転落を嫌気した売りが出た。新型コロナウイルス感染症拡大によるリモートワークの広がりや外出機会の減少などで、「ローソン」の客数や売り上げが大きく減少した。また、エンタテインメント関連事業で、興行の中止や延期に伴いチケット取扱高が大幅に減少したことも響いた。同社は同時に、従来未定としていた21年2月期通期業績予想について、売上高6700億円(前期比8.2%減)、営業利益350億円(同44.4%減)、最終利益50億円(同75.1%減)を見込むとしたが、営業利益で500億円強を見込んでいた市場予想を下回ることも売り材料視されている。

■国際石油開発帝石 <1605>  598.2円  -30.4 円 (-4.8%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>が安い。9日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前日比1.28ドル安の1バレル=39.62ドルと下落した。米国での新型コロナウイルス感染拡大を受け、ロックダウン(都市封鎖)の再実施に対する警戒感が浮上し、先行きの経済活動の減速を懸念する売りが膨らんだ。WTI価格の下落に伴い、国際石開帝石などは軟調な値動きとなった。

■東海東京 <8616>  230円  -8 円 (-3.4%)  本日終値

東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>は反落。9日の取引終了後、トーセイ<8923>グループと不動産を証券化し、シンガポール証券取引所が出資するセキュリティ・トークン取引所への上場に向けた実証実験を開始したと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。セキュリティ・トークンとは、ブロックチェーン技術などにより株式や債券、不動産などを裏付けとし、デジタル化した証券のことで、証券取引の決済期間の短縮化や流動性の向上、コストの大幅な削減といったメリットが挙げられている。同社では、将来的に国内でセキュリティ・トークン販売が可能になることを視野に入れているという。

■ファーストリテイリング <9983>  60,280円  -2,080 円 (-3.3%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が反落。9日の取引終了後、20年8月期の連結業績予想について、売上高を2兆900億円から1兆9900億円(前期比13.1%減)へ、営業利益を1450億円から1300億円(同49.5%減)へ、純利益を1000億円から850億円(同47.7%減)へ下方修正したことが嫌気された。4月に発表した連結業績予想に日本の緊急事態宣言の影響が織り込まれていなかったことや海外の店舗の営業再開が想定より遅れたことで、第3四半期業績が全セグメントで計画を下回ったことに加え、第3四半期決算で減損損失を計152億円計上し、第4四半期でも追加の減損損失リスクを見込んでいることなどが要因としている。ただ、足もとでは国内ユニクロ事業、ジーユー事業、グレーターチャイナのユニクロ事業の業績が想定を上回るペースで回復しているという。なお、第3四半期累計(19年9月~20年5月)決算は、売上高1兆5449億円(前年同期比15.2%減)、営業利益1323億8300万円(同46.6%減)、純利益906億4000万円(同42.9%減)だった。また、あわせて6月度の国内ユニクロ売上速報を発表しており、既存店及びEコマース売上高は前年同月比26.2%増と、大幅増収で4カ月ぶりに前年実績を上回った。月初から前年を上回る暑さとなったことで夏物商品の需要が高まったことに加えて、「ユニクロ誕生感謝祭」が好調だったことなどが寄与した。

■セブン&アイ <3382>  3,304円  -96 円 (-2.8%)  本日終値

セブン&アイ・ホールディングス<3382>は4日続落。9日の取引終了後、未定としていた21年2月期の連結業績予想について、営業収益5兆6920億円(前期比14.3%減)、営業利益3220億円(同24.1%減)、純利益1200億円(同45.0%減)と発表しており、これが嫌気されたようだ。この見通しは、新型コロナウイルス感染症の拡大が上期で緩やかに収束へ向かいつつも、新たな生活様式への変化による影響が今期末まで残ると仮定し算出したもの。また、同じく従来未定としていた配当予想について、中間47円50銭・期末51円の計98円50銭にするとし、前期実績と同額とした。なお同時に、21年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表しており、営業収益1兆3918億2800万円(前年同期比12.8%減)、営業利益713億9000万円(同21.0%減)、純利益139億3700万円(同73.2%減)で着地した。

■島忠 <8184>  2,969円  -51 円 (-1.7%)  本日終値

島忠<8184>は反落。9日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年9月~20年5月)単独決算が、売上高1124億9000万円(前年同期比2.4%増)、営業利益68億3900万円(同2.9%減)、純利益44億9600万円(同8.4%減)と営業減益となったことが嫌気された。1店舗を新規出店したほか、既存店の改装やテナントの導入、フランチャイズ加盟による新業態の導入などを実施した効果で売上高は増加したが、緊急事態宣言を受けて一部店舗の家具売り場を臨時休業したことに加えて、販管費の増加が利益を圧迫した。同時に、未定としていた20年8月期通期業績予想について、売上高1508億4700万円(前期比3.0%増)、営業利益90億4400万円(同0.6%増)、純利益60億9100万円(同0.7%増)を見込むとしている。

■寿スピリッツ <2222>  4,080円  -35 円 (-0.9%)  本日終値

寿スピリッツ<2222>が3日続落。9日の取引終了後、第1四半期(4~6月)売上高が前年同期比74.8%減の26億8100万円になったと発表しており、これが嫌気された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府の緊急事態宣言の発令や、外出自粛要請に伴う移動の減少、出店施設の臨時休業などの影響で、ケイシイシイの「ルタオ」を中心に通信販売は堅調に推移したものの、直営店、催事、交通拠点チャネル(駅・空港・SAなど)がメインの卸販売、海外向け売り上げなど主要な販売チャネルでの売上高が軒並み激減した。

■デルタフライ <4598>  2,152円  +400 円 (+22.8%) ストップ高   本日終値

Delta-Fly Pharma<4598>がストップ高。正午ごろ、「DFP-14323」の第2相臨床試験の効果判定評価が予定通り終了したほか、「脳転移を有する末期非小細胞肺がん患者を治療するための組み合わせ医薬品」に関する特許をPCT(特許協力条約)加盟国に対して国際出願したと発表しており、これが好感された。なお、同件に関する業績への影響は21年3月期業績への影響はないとしている。

■エスクロAJ <6093>  240円  +39 円 (+19.4%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>が急騰し、年初来高値を更新した。9日の取引終了後に発表した21年2月期第1四半期(3~5月)の連結経常利益は前年同期比64.8%増の1億7800万円に拡大しており、これを好感する買いが入った。不動産オークション事業が引き続き好調だった。相続不動産の売却ニーズが高まるなか、相談案件数が増加したうえ、成約価格も上昇した。主力のエスクローサービス事業は登記オペレーションサービスのシステム利用件数が増え、収益を伸ばした。また、販管費の抑制に取り組んだことも大幅増益につながった。上期計画の1億9200万円に対する進捗率は90%を超えており、業績上振れが期待されている。

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