米国株式市場見通し:追加財政策の行方を睨む

市況
2020年7月18日 15時07分

今週の流れを引き継ぎ、ハイテク株では利益確定売りが継続し伸び悩む一方でFRBや米国政府の大規模な刺激策への期待に景気循環株は続伸する可能性がありそうだ。米国政府が検討している第4弾パンデミック救済策の行方に注視したい。米国政府は中国のアプリTikTokを国家安全上の問題から禁止したり、親会社をブラックリストに載せることを検討していると報じられているほか、米司法長官がディズニー、アップル、グーグルなどに対して中国に依存し過ぎないよう警告するなど、米中対立はリスクとなる。

トランプ大統領はパンデミック危機により大きな損害を受けた国民に対し追加支援が必要との考えで、その一つの手段として給与税免除を検討しているようだ。7月末には失業保険の週600ドルの特別支給が終了し、小規模企業を支援するプログラムの申請期限も8月に迫る中、ウイルス感染が収束する兆候が見られず追加財政策が必至と見られる。共和党上院のマコーネル院内総務は次回刺激策の上院案を来週中に作成すると報じられている。民主党は、地方政府への支援を主張しているが、連邦政府はずさんな予算管理が起因したとして地方政府への支援には消極的だ。トランプ大統領は次回のパンデミック救済策に給与減税が盛り込まれなければ承認しないとしており、交渉が難航する可能性もある。

経済指標では、6月シカゴ連銀全米活動指数(21日)、5月FHFA住宅価格指数、6月中古住宅販売件数(22日)、週次新規失業保険申請件数、6月景気先行指数(23日)、6月新築住宅販売(24日)などが予定されている。また、20カ国(G20)財務相・中銀総裁のビデオ会合が予定されている。危機を終息させ成長を呼び起こすためにG20でどのような協調した取り組みが示されるかが焦点となるだろう。

企業決算ではITサービスのIBM(20日)や飲料メーカーのコカ・コーラ(21日)、防衛のロッキードマーチン(21日)、ソーシャルメディアサービスのスナップ(21日)、ソフトウェアのマイクロソフト(22日)、電気自動車のテスラ(22日)、半導体のテキサスインスツルメンツ(21日)やインテル(23日)、通信ではAT&T(23日)、ベライゾン(24日)及びTモバイル(24日)、製薬会社のバイオジェン(22日)、ファストフードのチポトレメキシカングリル(22日)、短文投稿サイトのツイッター(23日)、オンライン小売りのアマゾン(24日)、金融ではキヤピタルワン(21日)、TDアメリトレード(21日)、アメリカンエキスプレス(24日)などが予定されている。売上好調で株価が過去最高値を更新してきたアマゾンやテスラの決算には期待が集まる。

また、特にパンデミック危機による影響が深刻な旅行関連業界の決算も注目だ。大手航空のユナイテッド(21日)、サウスウェスト(23日)、アメリカン(23日)やカジノ経営のラスベガスサンズ、クルーズ運営のロイヤルカリビアン(24日)などの決算発表が控えている。ロイヤルカリビアンは第2四半期も運営ができず大幅な減益が警戒される。ユナイテッドはPPP失効後、雇用をほぼ半減する計画を発表済みだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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