【杉村富生の短期相場観測】 ─基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”
「基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”」
●物色傾向は微妙に変化、出遅れ株を物色!
基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”である。値動き、物色傾向はほぼそっくり、あとを追っている。外国人主導のマーケットだけに、やむを得ない。そのNY市場では先駆したハイ・グロースの一角が利食い売りに押され、出遅れセクターが物色されている。
NYダウは高値波乱だ。新型コロナウイルスの感染者数の急増(経済活動の停滞)に加え、ウォール街は左翼的な「バイデン大統領」の誕生に身構え始めている。この局面ではバイデンショックに対する構えが必要だろう。
先週初めの13日にはGAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の時価総額が606兆円と、東証1部(2171社上場)の時価総額596兆円を上回った。いかに、「これがトレンド」(アナリスト)とはいえ、ちょっと極端すぎないか。
EV(電気自動車)のテスラは時価総額が34兆円に膨らみ、日本企業の時価総額トップのトヨタ自動車 <7203> の22兆円の1.5倍になった。いや、これで驚いていてはいけない。わずか年間36万台、赤字のテスラの時価総額は日本の自動車メーカー9社の合計33兆円を超えた。いや~、とんでもない話である。
現地では「近い将来、テスラの時価総額は45兆円になる」とのレポートが紹介されている。2000年2月(ITバブルのピーク)、光通信 <9435> が24万1000円の高値をつけたとき、外資系証券がレーティングを「強気」とし、目標株価は「40万円」としたのを思い出してしまった。歴史は繰り返すのだろうか。
●ハイ・グロースの一角は利食い売りに押される!
日本市場では好人気だったレーザーテック <6920> 、キーエンス <6861> 、SMC <6273> などが値を消し、日産自動車 <7201> 、日本航空 <9201> 、JR西日本 <9021> などが反発している。ショート筋の買い戻しもあろう。
新興市場のイノベーション <3970> [東証M]、サーバーワークス <4434> [東証M]、ブロードバンドセキュリティ <4398> [JQ]などテーマ性を手掛かりに、大きく買い進まれていた銘柄群がさえない。物色面には短期的に、明らかな変化がみられる。
直近IPO銘柄(7月15日上場)銘柄のGMOフィナンシャルゲート <4051> [東証M]、アイキューブドシステムズ <4495> [東証M]は16日に、6550円(公募価格2540円比2.6倍)、9430円(同3倍)の初値をつけたあと急落、今回のセカンダリーマーケットは不発に終わりそうである。
さて、新型コロナウイルスの感染者数(世界)は1300万人を突破、収束の兆しがみえない。東京都の感染者数は激増している。感染防止にはマスク、手洗い、消毒のほか、「3密」を避けることに加え、浮遊する微粒子「エアロゾル」対策として高効率エアフィルター、高性能空気清浄機の導入が不可欠だろう。
この分野では本コラム既報の星和電機 <6748> 、ワイエイシイホールディングス <6298> をはじめ、ポエック <9264> [JQ]が先行している。ポエックのオゾン脱臭・洗浄・殺菌システム「ヴォルガ」はハイスピードによる空間洗浄が可能という。
2020年7月17日 記
株探ニュース