【杉村富生の短期相場観測】 ─基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”

市況
2020年7月19日 9時15分

「基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”」

●物色傾向は微妙に変化、出遅れ株を物色!

基本的に、東京市場はNY市場の“写真相場”である。値動き、物色傾向はほぼそっくり、あとを追っている。外国人主導のマーケットだけに、やむを得ない。そのNY市場では先駆したハイ・グロースの一角が利食い売りに押され、出遅れセクターが物色されている。

NYダウは高値波乱だ。新型コロナウイルスの感染者数の急増(経済活動の停滞)に加え、ウォール街は左翼的な「バイデン大統領」の誕生に身構え始めている。この局面ではバイデンショックに対する構えが必要だろう。

先週初めの13日にはGAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の時価総額が606兆円と、東証1部(2171社上場)の時価総額596兆円を上回った。いかに、「これがトレンド」(アナリスト)とはいえ、ちょっと極端すぎないか。

EV(電気自動車)のテスラは時価総額が34兆円に膨らみ、日本企業の時価総額トップのトヨタ自動車 <7203> の22兆円の1.5倍になった。いや、これで驚いていてはいけない。わずか年間36万台、赤字のテスラの時価総額は日本の自動車メーカー9社の合計33兆円を超えた。いや~、とんでもない話である。

現地では「近い将来、テスラの時価総額は45兆円になる」とのレポートが紹介されている。2000年2月(ITバブルのピーク)、光通信 <9435> が24万1000円の高値をつけたとき、外資系証券がレーティングを「強気」とし、目標株価は「40万円」としたのを思い出してしまった。歴史は繰り返すのだろうか。

●ハイ・グロースの一角は利食い売りに押される!

日本市場では好人気だったレーザーテック <6920> 、キーエンス <6861> 、SMC <6273> などが値を消し、日産自動車 <7201> 、日本航空 <9201> 、JR西日本 <9021> などが反発している。ショート筋の買い戻しもあろう。

新興市場のイノベーション <3970> [東証M]、サーバーワークス <4434> [東証M]、ブロードバンドセキュリティ <4398> [JQ]などテーマ性を手掛かりに、大きく買い進まれていた銘柄群がさえない。物色面には短期的に、明らかな変化がみられる。

直近IPO銘柄(7月15日上場)銘柄のGMOフィナンシャルゲート <4051> [東証M]、アイキューブドシステムズ <4495> [東証M]は16日に、6550円(公募価格2540円比2.6倍)、9430円(同3倍)の初値をつけたあと急落、今回のセカンダリーマーケットは不発に終わりそうである。

さて、新型コロナウイルスの感染者数(世界)は1300万人を突破、収束の兆しがみえない。東京都の感染者数は激増している。感染防止にはマスク、手洗い、消毒のほか、「3密」を避けることに加え、浮遊する微粒子「エアロゾル」対策として高効率エアフィルター、高性能空気清浄機の導入が不可欠だろう。

この分野では本コラム既報の星和電機 <6748> 、ワイエイシイホールディングス <6298> をはじめ、ポエック <9264> [JQ]が先行している。ポエックのオゾン脱臭・洗浄・殺菌システム「ヴォルガ」はハイスピードによる空間洗浄が可能という。

2020年7月17日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.