株価指数先物 【週間展望】 ―ショートポジションが積み上がりやすい場面だが、ボトムレンジでは反発狙いも
「ショートポジションが積み上がりやすい場面だが、ボトムレンジでは反発狙いも」
今週の日経225先物は、先週までの流れから一転、直近のボトムレンジとなる節目の2万2000円および200日移動平均線が位置する2万1800円処を意識した不安定な相場展開が警戒されそうだ。主な要因として挙げられるのが、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念と本格化する日米企業の決算発表、そして米中の緊張の高まりである。新型コロナウイルスについては、米国ではアラバマ、カリフォルニア、ネバダ、テキサスの各州で過去最多の増加となり、死者数は連日で1000人を超えている。国内では東京都の感染者数が連日で200人を超えているほか、地方でも拡大がみられ累計は3万人超えている。「GoToトラベルキャンペーン」スタート後の4連休を含む期間の感染状況が明らかとなってくる7月末から8月上旬にかけての感染者拡大が警戒されやすい。
また、日本が連休中の米国市場では、ナスダックが2日間で342ポイント下落し、支持線として意識されている25日移動平均線を一時下回る場面がみられた。注目されたテスラの決算は4半期連続の黒字を達成し、S&P500種採用の基準をクリアした形だが、バブル化が指摘されていた株価は利益確定の流れとなり、2日間での下落率は10%を超えている。マイクロソフトは好決算ながらもコンセンサスを下回ったことで利食い優勢となったほか、インテルも新製品の生産プロセスに再び遅れが生じていることを明らかにしたことが嫌気され24日には一時18%下げるなど、ハイテクセクターに弱い値動きが目立つ。さらに、米政府が米国の知的財産を窃取する一大拠点だったとして閉鎖を命じたテキサス州の中国総領事館が閉鎖したほか、中国政府は対抗措置として四川省成都にある米総領事館の閉鎖を命じるなど、米中の対立激化が重荷となることが考えられる。
24日のシカゴ先物の清算値は大阪比410円安の2万2340円だった。週初はこれにサヤ寄せする格好でのギャップスタートが想定されるが、足元のリバウンドにより切り上がっていたレンジ(2万2700~2万3000円)の下限を割り込んでくることになる。また、支持線として意識されている25日移動平均線(2万2500円処)も下回ってくることで、節目の2万2000円および200日移動平均線が位置する2万1800円処が意識される可能性がある。今週はAMD、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップルの決算発表が予定されており注目となる。米国では追加財政策がまとまるまでは、基本的には強気基調が続くと考えられるが、ハイテクセクターに対する利益確定の流れが強まれば、連動性の高い日経225先物へはショートポジションが積み上がりやすいだろう。
ただし、米VIX指数は足元で上昇をみせているものの、24日は25日移動平均線に上値を抑えられる形となり、引けにかけて低下している。ナスダックも25日移動平均線レベルでの踏ん張りをみせてくる可能性もあり、週明けはギャップスタート後はさらに下を売り込みづらくなりそうである。利食い優勢ながらも全体としては、強気基調自体は変わらないだろう。仮にグロース株への利食いが強まるとしても、バリュー株へのシフトが強まるといった形での資金流入が意識されやすい。NT倍率は先物中心限月において高値圏での推移が続いている。週初の段階では低下が見込まれることから日経225先物売り、TOPIX先物買いによるNTショートを意識。上昇する25日線が支持線として意識されるため、同線接近では自律反発を意識した反対売買に。同線を明確に下回る場面においては、改めてNTショートのポジションになるだろう。
なお、今週は国内での決算発表が本格化する。週間で約785社が予定されているため、主要企業の決算内容に振らされやすいだろう。機関投資家は積極的なポジションは取らないと考えられるため、先物市場においては短期筋の売買が中心になりやすい。商いは引き続き膨らみづらい需給状況だが、その一方で調整局面では日銀のETF買い入れによる下支えのインパクトが大きくなる。短期筋の売り仕掛けがみられる場面においてボトムレンジに接近するようであれば、短期的なロングポジションによる値幅取り狙いも一考と考えられる。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
6月限 日経225 22,071.46 TOPIX 1550.43
7月限 日経225 22,601.81 TOPIX 1555.00
◆日経225先物9月限(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
7月22日 22890 22930 22700 22750 -90
7月21日 22600 22910 22600 22840 +190
7月20日 22650 22770 22550 22650 -20
◇TOPIX先物9月限(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
7月22日 1582.0 1584.0 1571.0 1573.5 -5.0
7月21日 1570.0 1584.0 1569.0 1578.5 +6.0
7月20日 1572.0 1578.0 1564.5 1572.5 -1.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
7月24日(9月限) 22340 -410
7月23日(9月限) 22540 -210
7月22日(9月限) 22755 +5
7月21日(9月限) 22720 -120
7月20日(9月限) 22790 +140
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
7月17日 1兆7407億円 -825億円 3684億円 +500億円
7月10日 1兆8232億円 -214億円 3183億円 -665億円
7月3日 1兆8447億円 +241億円 3849億円 +60億円
6月26日 1兆8206億円 -672億円 3788億円 +147億円
6月19日 1兆8878億円 -480億円 3640億円 +786億円
6月12日 1兆9358億円 -3999億円 2853億円 -1746億円
6月5日 2兆3357億円 -896億円 4600億円 -384億円
5月29日 2兆4254億円 -1453億円 4984億円 +317億円
5月22日 2兆5707億円 +732億円 4666億円 +156億円
5月15日 2兆4974億円 +1437億円 4509億円 -681億円
5月8日 2兆3537億円 +687億円 5191億円 +195億円
5月1日 2兆2850億円 -1275億円 4995億円 +223億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
7月20日 7億1471万株 -778万株 1億8688万株 -232万株
7月17日 7億2249万株 +305万株 1億8921万株 -44万株
7月16日 7億1944万株 -1691万株 1億8965万株 +531万株
7月15日 7億3636万株 -1831万株 1億8434万株 +908万株
7月14日 7億5467万株 +1132万株 1億7525万株 +393万株
7月13日 7億4335万株 -2225万株 1億7132万株 +384万株
7月10日 7億6560万株 +717万株 1億6748万株 -1752万株
7月9日 7億5843万株 -195万株 1億8500万株 +53万株
7月8日 7億6039万株 -643万株 1億8446万株 +842万株
7月7日 7億6682万株 +1290万株 1億7603万株 -2335万株
7月6日 7億5392万株 -257万株 1億9938万株 -126万株
7月3日 7億5649万株 -30万株 2億0065万株 -1453万株
7月2日 7億5680万株 +331万株 2億1519万株 +241万株
7月1日 7億5348万株 +449万株 2億1277万株 -606万株
6月30日 7億4899万株 +988万株 2億1884万株 +1149万株
6月29日 7億3910万株 +777万株 2億0734万株 +1316万株
6月26日 7億3132万株 -275万株 1億9417万株 +438万株
6月25日 7億3408万株 +853万株 1億8978万株 -301万株
6月24日 7億2554万株 -883万株 1億9280万株 +6万株
6月23日 7億3437万株 -881万株 1億9274万株 +541万株
6月22日 7億4319万株 -119万株 1億8733万株 +48万株
6月19日 7億4438万株 +528万株 1億8685万株 +284万株
6月18日 7億3909万株 -1176万株 1億8400万株 -162万株
6月17日 7億5085万株 -757万株 1億8563万株 +1720万株
6月16日 7億5843万株 -1370万株 1億6842万株 +1906万株
6月15日 7億7213万株 +1326万株 1億4936万株 +364万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円
6月29日 1001億円
7月9日 1002億円
7月10日 1002億円
7月20日 1002億円
株探ニュース