前場に注目すべき3つのポイント~ギャップスタートも5Gなどハイテク株への押し目を狙う動き

市況
2020年7月27日 8時54分

27日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ギャップスタートも5Gなどハイテク株への押し目を狙う動き

■フジHD、21/3業績予想 営業利益130億円、コンセンサス下回る

■前場の注目材料:富士フイルム、社会インフラ画像診断の機能拡張、剥離・漏水もAI検出

■ギャップスタートも5Gなどハイテク株への押し目を狙う動き

27日の日本株市場は売り優勢の相場展開になりそうだ。連休中の米国市場は続落となり、シカゴ日経225先物清算値は大阪比410円安の22340円と大きく下落している。米国政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じた報復措置として、中国政府も成都の米国総領事館閉鎖を要求し、米中対立深刻化で投資家心理が悪化。ハイテク株の売りも続いていることが嫌気されそうである。円相場は1ドル106円ちょうど水準と円高に振れて推移していることも重石になりそうだ。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップダウンからのスタートとなり、日経平均は一気に25日線を割り込み、75日線レベルでの攻防になりそうだ。先週の上昇でレンジを切り上げていたが、切り上がったレンジ下限22700円レベルのほか、支持線として意識されている25日線をあっさり割り込んでくるとみられ、投資家心理が悪化しそうである。日経平均はこれまでのもち合いレンジの下限レベルである22200円処での踏ん張りを見極めたいところであろう。

新型コロナウイルス感染症の拡大が重石になる中で、米中対立の緊張が高まっていることもあり、ポジション圧縮に向かわせやすい。米国ではハイテク株の弱い値動きが目立っているが、テスラは良好な決算を発表したが、弱い値動きをみせており、トレンドが崩れつつある。本格化する決算の中でこれまで上昇をけん引してきたハイテク株への利益確定の流れが強まるようだと、日本においてもグロース株売りが意識されやすくなりそうだ。

もっとも、インテルが16%超の下落となる一方で、競合相手のAMDが16%を超える上昇をみせており、強気基調は継続していると考えられる。そのため、利益確定が出やすいものの、ショートポジションを積み上げていく流れには向かわないだろう。ギャップダウンによって後場は日銀のETF買い入れが意識されやすく、下値を売り込む流れも限られそうである。ボトム接近の局面においては、押し目拾いの動きも意識されよう。本日はグロース株売りによるリバランスからバリュー株にシフトしやすい面はあるだろうが、成長期待の大きい5Gなどハイテク株への押し目を狙う動きが底堅さにつながる可能性はありそうだ。

■フジHD、21/3業績予想 営業利益130億円、コンセンサス下回る

フジHD<4676>は2021年3月期業績予想を発表。売上高は前期比9.8%減の5694億円、営業利益は同50.6%減の130億円を見込んでいる。コンセンサス(150億円程度)を下回る。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、営業休止を余儀なくされたホテル部門の落ち込みが響く。年間配当は前期から8円減らし、36円とした。あわせて1250万株(発行済み株式数の5.3%)を上限とする自社株買い決議。

■前場の注目材料

・VIX指数は低下(25.84、-0.24)

・米原油先物は上昇(41.29、+0.22)

・日銀のETF購入

・米景気刺激策への期待

・コロナ向けワクチン開発の進展

・富士フイルム<4901>社会インフラ画像診断の機能拡張、剥離・漏水もAI検出

・トヨタ<7203>日系各社の回復シナリオ注目、2大市場で新車需要持ち直しも…

・住友ゴム<5110>ニトリルゴム製の薄手手袋生産2倍に、マレーシア増強

・日本精工<6471>富山に新工場、藤沢から熱処理移管

・NEC<6701>慶大とデジタル人材育成

・大興電子通信<8023>中小向けアンチマルウエア

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 日銀金融政策決定会合主な意見(7/14-15開催分)

<海外>

・10:30 中・6月工業利益(5月:前年比+6.0%)

《ST》

提供:フィスコ

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