来週の相場で注目すべき3つのポイント:マザーズ決算ピーク、中国経済指標、米小売売上高

市況
2020年8月8日 18時39分

■株式相場見通し

予想レンジ:上限22700-下限21700円

来週の日経平均は、上値の重さが意識されるもみあい相場が継続しそうだ。7月の米雇用統計発表と3連休を通過し、その間の米国市場と為替相場の動向が、週前半の日経平均を左右してこよう。今週は、NYダウやナスダック総合指数の上昇に日経平均が乗り切れない動きが目立った。7月に入って日経平均の25日移動平均線は22500円近辺でほぼフラットの推移となり、小幅な往来相場が継続している。東京都にとどまらず全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大し始め、主力企業の4-6月期決算が想定以上に悪かったことも心理的な重しとなっているようだ。

とりわけ、ネガティブサプライズな決算となったアドバンテスト<6857>のほか、レーザーテック<6920>やSUMCO<3436>といった期待の高かった半導体関連銘柄の株価が週末にかけて大きく下げていることが日経平均の重しになると同時にセンチメント悪化に拍車をかけているようだ。

また、8月15日の旧盆前後の週は夏休みムードから市場エネルギーも低下しやすい傾向がある。手掛かり難のなか、日経平均は往来相場が続きそうな地合いとなっている。来週の営業日数は4日となるが、14日に中国7月小売売上高が前引け前に、また米7月小売売上高が大引け後にそれぞれ明らかとなる。米中の景気動向を占う経済指標の発表がその後の市場のセンチメントに影響を与えてくることになりそうだ。

■為替市場見通し

来週のドル・円は上げ渋りか。米国経済の先行きは依然として不透明であることから、主要通貨に対するリスク選好的なドル買いが拡大する可能性は低いとみられる。米国での新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化するなか、雇用関連指標のさらなる改善は難しい状況となりそうだ。7月雇用統計は市場予想を上回る内容だったものの、週間の新規失業保険申請件数は100万件を大幅に上回る状態が続いており、米国経済の先行き懸念は消えていない。

米連邦準備制度理事会(FRB)当局者も今後の回復シナリオには慎重で、米10年債利回りは節目の0.50%に接近している。長期金利が持続的に上昇する可能性は低いとみられており、主要通貨に対するドル安の流れに変わりはなさそうだ。米政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議が7日までに物別れに終わったことから、株価指数の調整も意識されそうだ。なお、足元でユーロ高・米ドル安は一服しつつあり、ドル・円の取引でも短期的にドル売り圧力が多少弱まる可能性は残されている。

■来週の注目スケジュール

8月10日(月):日・株式市場は祝日のため休場(山の日)、中・消費者物価指数(7月) など

8月11日(火):日・景気ウォッチャー調査(7月)、独・ZEW期待指数(8月)など

8月12日(水):日・工作機械受注(7月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)、米・シスコ決算発表など

8月13日(木):日・三菱商事決算発表、米・アプライド決算発表など

8月14日(金):中・鉱工業生産(7月)、中・小売売上高(7月)、米・鉱工業生産指数(7月)、米・小売売上高(7月)など

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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200808-00934013-fisf-market

米国株式市場見通し:追加経済対策が引き続き相場押し上げ(8/8)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200808-00934020-fisf-market

新興市場見通し:マザーズ決算ピークに期待再燃も、IPO好調持続だが小休止(8/8)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200808-00933001-fisf-bus_all

注目の欧米経済指標:7月米小売売上高は3カ月連続で増加の見通し(8/8)

《YN》

提供:フィスコ

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