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和島英樹の「明日の好悪材料Next」~第11回

特集
2020年8月9日 8時40分

有機ELの需要が想定以上に、1Q決算の健闘企業は?

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)

株式ジャーナリスト

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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7月31日分

8月3日分

8月4日分

8月5日分

8月6日分

7月31日~8月6日の期間では、第1四半期を軸に決算発表が多数。その中でも、新型コロナ感染拡大の中でも健闘している企業が目立った。具体的には衛生用品、内食需要、免疫力向上、ネット通販などに関連する企業。また、一部企業ながら、有機ELの需要が想定以上で、今後の広がりに期待がかかる。

7月31日分 ライオン<4912>

■好悪材料~上期最終を24%上方修正・最高益予想を上乗せ

歯ブラシ国内首位。トイレタリー3位。解熱鎮痛剤の「バファリン」などの薬品や工業用品も手掛けている。

2020年12月期の第2四半期(1~6月)の売上高は前回予想を11億円上回る1691億円(前年同期比1.1%増)、営業利益は44億円超過の259億円(同2倍)となった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による衛生関連製品などの需要増、および宣伝費やその他経費の減少などが要因としている。通期業績予想については変更なし。

■『株探』プレミアムで確認できるライオンの業績修正履歴の推移

『株探』プレミアム

同社の衛生用品はキレイキレイシリーズが主力。具体的には「薬用泡ハンドソープ」「うがい薬」「薬用ハンドジェル」「99.99%除菌ウエットシート」などがある。自社生産であり、供給面では大きな問題とはなっていないもよう。特に薬用ハンドジェルは水なしでサッと消毒ができる「指定医薬部外品」になる。

低アルコール処方で、子供でも使うことができる。報道では衛生関連用品は第2四半期以降前年比1.8倍に増産しているという。発表後の株価は織り込み済みとしてさえないが、業績拡大傾向が続きそう。

新型コロナ感染の再拡大もあり、衛生用品への需要が高水準となっている。先に下方修正したトイレタリー首位の花王<4452>も衛生商品は急増となっている。同2位のユニ・チャーム<8113>もウエットティッシュなどが拡大している。

衛生用品を扱うドラッグストアで、大手のツルハホールディングス<3391>、ウエルシアホールディングス<3141>、コスモス薬品<3349>なども順調に推移している可能性がある。

8月3日分 ホクト<1379>

■好悪材料~上期経常を一転黒字に修正

ブナシメジ、マイタケなどキノコの最大手。長野県中心に全国展開。新型コロナでキノコの免疫力向上効果に関心が高まっている。

2021年3月期の第1四半期(4~6月)の売上高は166億5100万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は6億100万円(前年同期は6億1000万円の損失)となった。

同時に上期(4~9月)の業績予想を上方修正。売上高は前回予想を15億円上回る337億円、営業損益は従来の10億2000万円の赤字から5億7000万円の黒字と差し引き15億9000万円の改善を見込む。

会社側の発表資料によると「新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、内食志向が進み、免疫力向上の関心が高まったことなどがキノコの需要喚起につながった」とし、「また、春先の低温により野菜の品薄基調が続き、キノコの価格も堅調に推移した」ことも寄与したとする。

通期業績についてはコロナ影響や天候要因などが不透明として据え置いた。

■ホクトのウェブサイトの抜粋

ホクト

免疫力を向上させる食品としては、ヨーグルトで森永乳業<2264>、雪印メグミルク<2270>、明治ホールディングス<2269>などがある。また乳酸菌飲料のヤクルト本社<2267>、カスピ海ヨーグルトや大豆発酵食品のフジッコ<2908>、漬物のピックルスコーポレーション<2925>などへの関心も高まりそうだ。

8月4日分ニチレイ<2871>

■好悪材料~4~6月期(1Q)経常は14%増益で着地

冷蔵倉庫と冷凍食品で首位。低温物流は海外でも積極展開。水産や畜産も手掛けている。

2021年3月期の第1四半期(4~6月)は、売上高が1380億5400万円(前年同期比3.3%減)、営業利益78億6100万円(同14.5%増)となった。

売上高は新型コロナの影響を受けた外食産業向けの販売減少が響き、減収を余儀なくされた。一方、消費者の巣ごもりを背景に、比較的採算の良い内食・中食向けが拡大。特に家庭用調理品では「本格炒め炒飯」「特から」(からあげ)などの主力商品が堅調で、春の新商品「」も好調に推移した。

営業利益は家庭用の商品ミックス改善やコストコントロールもあり2ケタ増益を確保した。通期の売上高は5850億円(前期比横ばい)、営業利益315億円(同1.5%増)を計画している。配当は前期比2円増配の年44円配当の方針。

■『株探』プレミアムで確認できるニチレイの通期業績の収益性推移

『株探』プレミアム

コロナ感染の再拡大もあり内食傾向が継続か。ニチレイ<2871>のほか東洋水産<2875>、日清食品ホールディングス<2897>、日清製粉グループ本社<2002>などのほか、食品スーパーにも引き続き注目できそう。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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