来週の株式相場戦略=省力相場の行方探る展開、東証マザーズ人気の動向注視
来週の株式市場は薄商いが続く省力相場のなか、中小型株人気が続く展開が予想される。 日経平均株価の予想レンジは2万2500~2万3500円。
東証1部市場は、売買代金が連日の2兆円割れとなっている。この要因に関しては、「日経平均株価の2万3000円近辺というのは、上値を試せば利益確定売りが出てくるし、下押せば買いが入ってくる上下に動きにくい水準。特に、国内機関投資家は様子見姿勢を強めているようだ」(アナリスト)との見方が出ている。例年、お盆明けからは相場は徐々に活気づくが、今年はコロナ禍という相場環境のためか依然として夏休み状態となっている。
しかし、中小型株に目を転じれば東証マザーズ指数は、18年6月以来、2年2カ月ぶりの高値水準で活況となっている。日経ジャスダック平均は今年1月の高値を抜けていないが、これは東証マザーズがIT・バイオ系銘柄を中心に構成されており、コロナ禍の環境に強いためだろう。米国のナスダック指数が、史上最高値を更新しているが、マザーズ指数も一段の上昇余地はありそうだ。20日にマザーズに上場したニューラルポケット<4056>は2日目でも寄り付いていないが、東大・松尾豊教授が顧問に就任している注目のAI(人工知能)ベンチャーであり、買い殺到状態となっている。BASE<4477>やマクアケ<4479>などに牽引される格好で、東証マザーズ人気がどこまで続くかが注目される。
来週は、特に27~28日に予定されている米ジャクソンホール会議が注目される。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演は27日の予定だ。また、24~27日に米共和党大会が開催される。国内では、26日にリクルートホールディングス<6098>、27日にDMG森精機<6141>が決算発表を予定している。25日にインターファクトリー<4057>が東証マザーズに新規上場する。
(岡里英幸)