明日の株式相場戦略=直近IPOの動向焦点、全体相場はGC示現で先高感も
24日の株式相場は、依然、薄商いが予想されるなか、直近IPO銘柄の動向などに市場参加者のセンチメントは左右されそうだ。
この日で売買代金は6日連続で2兆円割れ。「海外投資家は依然として夏休み状態」(市場関係者)とみられており、東証1部は閑散状態となっている。その一方で熱気にあふれているのが、東証マザーズを中心とする中小型株だ。この日もマクアケ<4479>やAI inside<4488>、ジーエヌアイグループ<2160>といった銘柄が大幅高となった。なかでも人工知能(AI)ベンチャーのニューラルポケット<4056>は3日目で公開価格の5.7倍となる5100円で初値をつけたが、その後もセカンダリー市場でストップ高に買い上げられる人気ぶりだ。東大・松尾豊教授が顧問に就任していることなどが話題だが、「IPOの人気銘柄はある程度の水準まで上昇しないと止まらない」(アナリスト)とみる声は少なくない。ニューラルなど直近IPO株の上昇が続く間は、中小型株人気は続きそうだ。ただ逆に言えば直近IPO株が天井をつければ、中小型株も波乱となる可能性もある。
市場には、「今週末の米ジャクソンホール会議を機に海外投資家は帰ってきそう」(アナリスト)との声もあり、薄商いのなか人気を集める中小型株の急騰がどこまで続くかが注視されている。また、75日と200日移動平均線がゴールデン・クロス(GC)したことも関心を集めている。「過去にGCを示現した際も1カ月後頃から相場は上昇し始めた」(同)といい、そろそろ大型株も視野に入れた巻き戻しの展開を意識する時期は近づきつつあるのかもしれない。
スケジュール面では、米共和党大会が24~27日の日程で開催される。また、今晩は7月のシカゴ連銀活動指数が発表される。
(岡里英幸)