利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 15社選出 <成長株特集>

特集
2020年9月10日 19時40分

本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額800億円以上の銘柄を対象に、20年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の4-6月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している15社を選び出し、4-6月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのは、中小企業向けクラウドサービスを展開するラクス <3923> [東証M]。4-6月期(第1四半期)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で商談の停滞や遅れが発生したものの、前期までの積極投資の効果でクラウド経費精算システム「楽楽精算」を中心に顧客数が大幅に増加し、経常利益は9.1億円と過去最高益を63.4%も上回って着地。今月1日に9月末を基準日として1→2の株式分割を実施すると発表したことも評価材料となり、株価は上場来高値圏を快走している。

2位の日用品卸大手あらた <2733> は新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、マスクや除菌剤といった感染予防商材が大きく伸びたほか、調理関連商材や洗剤などの巣ごもり消費関連商材が増勢だった。また、出張費・交際費の削減や生産性の向上も寄与し、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。

3位に入ったオープンハウス <3288> の4-6月期(第3四半期)はプレサンスコーポレーション <3254> の株式取得に伴い、持分法投資利益163億円を計上したことが利益を押し上げた。主力の戸建関連事業は仲介契約件数が4月に大きく落ち込んだが、在宅時間の増加やテレワークの普及で部屋数の多い戸建て住宅への関心が高まり、5月以降の契約件数は急増している。収益計上が見込まれる来期業績への期待が膨らむ。

選出リストは、4-6月期決算発表後に上場来高値を更新した企業が半数を占めた。ラクス、オープンハウスのほか、大幸薬品 <4574> 、ヤオコー <8279> 、ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> 、SHOEI <7839> 、エス・エム・エス <2175> が過去最高値を塗り替えている。

4位の大幸薬品は新型コロナウイルスの感染拡大で消費者の衛生管理意識が高まるなか、感染管理製品「クレベリン」の販売が急増した。業績好調を踏まえ、20年12月期通期の経常利益予想を従来計画の35億円→53億円に大幅上方修正している。今期は決算期変更のため9ヵ月の変則決算だが、過去最高益の20年3月期実績(36.3億円)を大きく上回る見通しだ。

5位にリスト入りした食品スーパーのヤオコーは巣ごもり需要が広がるなか、買い上げ点数が大きく増加し、既存店売上高が3ヵ月連続で前年同月比10%以上伸びたことが収益を押し上げた。8位のJエレベータは主力とするエレベーターの保守・保全業務で、営業拠点拡充などを背景に保守契約台数が増加し、4-6月期(第1四半期)は2四半期ぶりに最高益を更新した。

また、12位のSHOEIは高単価・好採算製品へのシフトが進んだことに加え、コロナ禍で出張費や広告宣伝費などが減少したことも増益の要因となった。14位のエスエムエスは人手不足が続く介護職向け人材紹介の好調が継続したほか、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」の会員数増加や新規人材採用を抑制したことも寄与し、4-6月期(第1四半期)は2四半期連続の最高益更新を遂げた。

このほか、7位の東京都競馬 <9672> は公営競技事業でインターネット馬券購入システム「SPAT4」の賃貸料が大きく増加し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比49.4%増の32.6億円に伸びた。株価は好決算を背景に上昇基調を続け、3日に約7年5ヵ月ぶりの高値となる5270円をつけている。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名     上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<3923> ラクス      63.4   915   560    124   3300   1474  116

<2733> あらた      35.4  3669   2710    6.2  10750  10124 11.7

<3288> オープンH    30.4  27150  20823   40.2  77000  54928  7.7

<4574> 大幸薬品     23.7  2702   2185   45.9   5300*   3633 20.2

<8279> ヤオコー     17.3  8342   7109    1.4  19900  19629 23.8

<3769> GMO-PG   16.1  3166   2728    6.1   9867   9297  126

<9672> 東競馬      15.0  3266   2839    6.3   8513   8009 24.9

<6544> Jエレベータ   12.9   849   752   14.7   3100   2703 81.6

<2160> ジーエヌアイ    9.5   427   390   22.2   1463   1197  231

<4684> オービック     6.9  13089  12246    7.1  49300  46012 46.0

<3064> モノタロウ     6.5  4836   4542   17.0  18584  15887 82.6

<7839> SHOEI     5.4  1505   1428    7.7   4500   4179 27.7

<4528> 小野薬       5.1  28307  26940    2.9  82000  79696 26.3

<2175> エスエムエス    2.5  3018   2945    1.6   6459   6355 51.9

<6750> エレコム      1.6  3781   3721    4.4  14200  13598 22.2

※2019年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

※「*」大幸薬品の今期予想(20年12月期)は決算期変更に伴う9ヵ月の変則決算。

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