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2020年9月9日 19時30分
特集

「ドローン時代」着々 非接触ニーズ追い風に市場拡大 <株探トップ特集>

―新しい生活様式が導入後押し、インフラ化で成長拍車―

新型コロナウイルスの収束が見通せないなか、感染予防のための「非接触」ニーズは依然として高い。こうしたなか、改めて注目されているのが小型無人航空機(ドローン)で、本格的な実用化に向けた取り組みは以前にも増して活発化している。既に活用されている農薬散布や測量などに加え、今後は多くの分野でウィズコロナ時代の新しい生活様式に対応することを目的とした導入が想定され、市場規模は一段と拡大しそうだ。

●配送サービスで実証実験相次ぐ

KDDI <9433> と日本航空 <9201> 、JR東日本 <9020> 、ウェザーニューズ <4825> 、Terra Drone(東京都渋谷区)は8月末、東京都の公募に対して「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装~ドローンを活用したまちづくり~」を提案し、採択されたと発表した。このプロジェクトでは、薬局や病院などに対する医薬品のドローン配送や、駅周辺施設のフードデリバリー・警備など、ドローンサービスに関するビジネスモデルを検討し、2021年度に東京都内で行う予定の実証実験を通じて運用の課題や収益性などを検証するという。

実証実験が行われる背景には、物流業界は生産年齢人口の減少や荷物の小口化・多様化で人手不足が顕在化していることに加え、新型コロナの蔓延で人を介さない非接触やソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保する生活様式の変化に対応することが求められていることが挙げられる。これらの課題をドローンで解決しようとする取り組みは他にも、神戸市やトルビズオン(福岡市)などが8月に六甲山でドローン配送の実用化に向けた実証実験を実施。この実験にはセイノーホールディングス <9076> が運送ノウハウを提供したほか、ソフトバンク <9434> が通信面で協力した。

また、SBSホールディングス <2384> とドローンの研究・開発などを手掛けるA.L.I.Technologies(東京都港区)は7月下旬、共同で国内の過疎地を想定した物流ドローン試験を開始すると発表。これはコロナ禍で医療物資輸送だけでなく、ステイホーム対策としての家庭向け配送需要の急増により、早急にさまざまな改革や進化が求められていることを受けたもので、この試験を皮切りに社会実装に向けた安全対策や正確なオペレーションを構築するとしている。

●インフラ点検、災害対応の取り組みも

定期的に人の目で直接確認されているインフラ点検や災害対応などでもドローンで代替する取り組みがみられ、自律制御システム研究所 <6232> [東証M]とVFR(東京都品川区)は、7月の豪雨で土砂崩れのあった長野県企業局大鹿発電所付近でドローン空撮による状況調査を実施。また、自律制御シ研は大規模な自然災害時の過酷な環境下で迅速に状況情報収集・調査などに使用できる防災・減災対策ドローンの開発・販売に向け、東光鉄工(秋田県大館市)との協業を開始している。

これ以外にも、ミライト・ホールディングス <1417> 子会社のミライト・テクノロジーズが7月にドローン事業の新会社を設立し、同月には東京都江東区と「災害時におけるドローンを活用した支援協力に関する協定」を締結。山九 <9065> はグループの日本工業検査とドローンメーカーのルーチェサーチ(広島市)との3社で、稼働中のプラントでドローンを使用した検査を実施した。

●レベル4の実用化が視野に

7月9日に開催された「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第14回)」では「空の産業革命に向けたロードマップ2020」が取りまとめられ、有人地帯での目視外飛行(レベル4)の社会実装に向けた技術開発などの取り組みが示された。こうしたことを受け、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はシステム構築や飛行試験に新たに着手。具体的には、目視外及び第三者上空などでの飛行に向けた産業規格のための安全基準策定、物流などの分野での長時間飛行の実現に対応するエネルギーマネジメントシステム、運航管理システムの機能拡張、衝突回避システムの小型化・低消費電力化などの研究開発を進める計画だ。

実施予定先としては、「エネルギーマネジメントに関する研究開発」がマクセルホールディングス <6810> 、「運航管理システムの開発」がNEC <6701> 、NTTデータ <9613> 、日立製作所 <6501> 、ウェザーニューズの4社。また、「単独長距離を実現する運航管理機能の開発(離島対応)」ではSUBARU <7270> 、日本アビオニクス <6946> [東証2]、日清紡ホールディングス <3105> 子会社の日本無線などに委託し、「空の道を組み込んだ統合型情報提供機能の実用化」はゼンリン <9474> が選ばれている。

●市場は25年度に向け急成長へ

国内でのドローン利活用は海外に比べて遅れているともいわれるが、環境整備や技術開発は着実に進んでおり、レベル4に入れば市街地でのドローン活用が本格化するとみられ、市場規模は一段と拡大しそうだ。官民協議会の資料によれば、ドローンサービスの国内市場規模は19年度の約609億円から25年度には約4426億円に成長すると予測されており、関連銘柄からは目が離せない。

地理情報システム(GIS)アプリケーションの受託開発を手掛けるドーン <2303> [JQ]、microdrones社製ドローンを取り扱うイメージ ワン <2667> [JQ]、画像認識・処理に強みを持つモルフォ <3653> [東証M]、全球測位衛星システム(GNSS)アンテナをドローンメーカーに提供した実績を持つヨコオ <6800> のほか、6月に産業用ドローンなどを活用した業務用ロボティクスソリューションを提供するセンシンロボティクス(東京都渋谷区)と資本・業務提携したコムチュア <3844> 、7月にドローンサービス事業者のFLIGHTS(東京都品川区)と業務提携した大日本コンサルタント <9797> [東証2]などにも注目したい。

株探ニュース

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