【杉村富生の短期相場観測】 ─「低金利、低物価、低成長が継続する!」

市況
2020年9月6日 9時15分

「低金利、低物価、低成長が継続する!」

●NY市場は波乱だが、ニューノーマル時代は株式がメイン!

順調すぎるほど快調に上値を追ってきたNY市場だが、週末は大波乱(急落)の展開となった。しかし、過度の悲観は禁物だ。国際マネーは大挙しアメリカに向かっている。この流れは止められない。それに、ニューノーマル(新常態)時代は株式がメインである。

先(8月末)のジャクソンホールの会合(オンライン)ではニューノーマルの状況が確認された。すなわち、低金利、低物価、低成長の継続である。これはグロース(成長株)中心の株高の要因になる。

すでに、アメリカ(NY、ナスダック)市場ではGAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム+マイクロソフト)をはじめ、セールスフォース・ドットコム(CRM)、テスラ(TSLA)などIT系企業が世界の投資マネーを集め、フィーバーを演じている。

日本市場では直近IPOのティアンドエス <4055> [東証M]、ニューラルポケット <4056> [東証M]、インターファクトリー <4057> [東証M]が好人気だ。半導体、AI(人工知能)関連セクターに属する。

もっとも、こちら(日本)は完全にマネーゲームに近い。上がるから買う、買うから上がる、といった感覚である。「こんな激しい動きにはついて行けない」という向きはチャート妙味のエル・ティー・エス <6560> [東証M]、Eストアー <4304> [JQ]はどうか。

ドローン専業の自律制御システム研究所 <6232> [東証M]、ソフトウェア検査専業のバルテス <4442> [東証M]、EC(電子商取引)支援のGMOペパボ <3633> [東証2]はじっくり狙える。なお、ペパボの社名は創業者が新聞配達などで苦労しただけに、「初心を忘れず」と、ペーパーボーイに由来する。

●自民党総裁選はほぼ決着のムード!

一方、日米ともに選挙の季節を迎えている。アメリカの大統領選挙は11月3日の投票日までもつれそうだ(トランプ氏の支持率が上昇、バイデン氏に迫る)が、日本の自民党総裁選(ポスト安倍→後継首相)は国会議員票において、菅義偉官房長官が圧倒的に優勢の状態にある。

今回の総裁選は本則(国会議員票394票+党員・党友票394票、計788票による投票)ではなく、特例(国会議員票394票+47都道府県各3票の141票、計535票の投票)によって行われる。政治的な空白を避けるためだ。すでに、国会議員票は菅氏が細田派、麻生派、二階派、竹下派、石原派、無所属など294人の支持を集めている。

国会議員票の75%を抑えたことになる。まあ、政治の世界は「一寸先は闇」といわれるものの、これは揺るがないだろう。

マーケットにとっては成長路線、日本再生戦略の修正(政策転換)が最大のリスクだったが、この点に関しては従来の政策が踏襲されそうである。菅氏は夜学(法政大学2部)に学んだ苦労人だ。やってくれるのではないか。

ただ、当面の株式市場は様子見姿勢を強めるだろう。市場エネルギーは細る。大統領選挙の年の9~10月は「NY市場は小休止」とのアノマリーがある。イベントリスクを避けようとするのだ。それだけに、小物が集中物色される可能性がある。

なお、菅氏は秋田県出身だ。秋田県における上場企業は銀行以外、インスペック <6656> [東証2]のみ。これは改めて評価できる。

2020年9月3日 記

株探ニュース

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