来週の相場で注目すべき3つのポイント:米ハイテク株の動向、メジャーSQ、ECB定例理事会

市況
2020年9月5日 18時46分

■株式相場見通し

予想レンジ:上限23500-下限22500円

来週の日経平均は、23000円台を固めることができるかが注視される。日経平均は8月25日戻り高値23431.04円を抜き一時は23580.51円まで上昇した。その後は戻り売りで上げ幅を縮めてはいるものの、日足チャートでは下値切り上げで1月以来となる24000円台も視野に入る動きとなっている。ただ一方で、NYダウに続いて日経平均もコロナショック後の高値を付けたことで、目先の達成感も出てきている。東京市場は、11日にメジャーSQ(特別清算指数)を控えており、米国株の動向と先物をにらんで神経質な動きとなる可能性はあるが、為替相場で円高傾向が強まらない限りにおいては、日経平均が23000円を割り込む材料は見当たらない。

15-16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と16-17日の日銀金融政策決定会合までは、押し目買いを誘い込む強調展開が継続する期待がある。一方、物色面では潮目の変化が表れている。米国ではアップルやアマゾンが3日に下落、日本では初の6万円乗せを達成した任天堂<7974>が4日に反落した。グロース株およびハイテク株に利益確定売りが先行する一方、バリュー株に資金と関心がシフトする可能性が高まっているといえよう。

■為替市場見通し

来週のドル・円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)は追加の金融緩和を検討しており、9月15-16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では、フォワードガイダンスの強化や量的緩和策の拡大について議論される可能性がある。8月米雇用統計は市場予想を上回る内容だったものの、パウエルFRB議長は「8月雇用統計は良い結果だったが、我々は活動を支援するために経済には長期にわたる低金利が必要と考えている」との見方を伝えており、米国金利の先高観は一段と後退している。ただし、ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル買いは継続する可能性があるため、短期的にはドル・円の取引にも何らかの影響が及びそうだ。

欧州中央銀行(ECB)は10日開催の理事会で緩和政策の拡大に踏み切るとの観測から、ユーロ売り・米ドル買いが一時的に増える可能性があり、この局面でドル売り・円買いの取引はやや縮小するとの見方が出ている。3日の米国株式は大幅安となったが、上昇局面における調整安の範囲内とみられ、米国株式の先高観は失われていないようだ。ペンス米副大統領は4日、「パンデミック救済策の合意なくても政府機関閉鎖は回避することで民主党と政府は合意した」と伝えており、追加経済支援策導入への期待は低下したが、米国経済のゆるやかな回復への期待は持続しており、米国株式が上げ渋ってもリスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

■来週の注目スケジュール

9月7日(月):日・景気動向指数(7月)、独・鉱工業生産指数(7月)など

9月8日(火):日・家計支出(7月)、日・景気ウォッチャー調査 先行き判断(8月)など

9月9日(水):日・工作機械受注(8月)、中・消費者物価指数(8月)など

9月10日(木):日・コア機械受注(7月)、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見など

9月11日(金):日・景況判断BSI大企業製造業(10-12月)、米・財政収支(8月)など

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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200905-00934017-fisf-market

米国株式市場見通し:9月相場に警戒(9/5)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200905-00934019-fisf-market

新興市場見通し:米ハイテク株に懸念残るが底堅さ期待、9月IPOは相次ぎBB(9/5)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200905-00933001-fisf-bus_all

国内外の注目経済指標:ECBの金融政策は現状維持の予想(9/5)

《YN》

提供:フィスコ

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