富田隆弥の【CHART CLUB】 「安値期日・彼岸の9月、冷静に調整を待つ秋相場」

市況
2020年9月5日 10時00分

◆大型で非常に強い台風9号が通過したばかりだが、この週末はさらに強い勢力を持つ台風10号がやって来るようだ。昨今の台風は、海水温の上昇に伴い膨大な水蒸気の供給を受けながらどんどん巨大化する。未曽有の大型台風にしっかりと備え、通過するのを待ちたい。

◆米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8月27日のジャクソンホール会合で改めて低金利継続の必要性を唱えた。インフレ率が目標の2%を一時的に超えても金融緩和の姿勢を継続するという。FRBがこのような音楽(金融緩和延長)を奏でるのならば、世界のマネー(投資家)はそれに合わせて引き続き踊らざるを得ないだろう。

◆米国は秋相場も快調にスタートした。9月2日現在、ナスダック総合指数は4日続伸で最高値(ザラバ)を1万2074ポイントに、S&P500は続伸し最高値を3588ポイントにそれぞれ伸ばし、そしてNYダウも高値を2万9162ドルに伸ばして、2月の最高値(2万9568ドル)にあと400ドル程に迫る。

◆ただ、チャート的には米国株は過熱を強めている。ナスダックは3月安値の6631ポイントから5ヵ月で82%上昇し、RCI(順位相関指数)やRSI(相対力指数)、移動平均線カイリ率などのテクニカル指標は日足、週足とも過熱信号を灯している。

◆それでも、世界各国の金融・財政政策を背景にあふれたマネーが米国に流れ込み、株式市場をどんどん膨張させている。「流れに従う」のが相場の基本ではあるが、とはいえ過熱警戒を無視してどこまでも上がり続けるとは思えず、9月は調整を挟むことを覚悟しておきたい。

◆例えば、(1)3月安値から半年(安値期日)を迎え、(2)9月は日米ともメジャーSQ(先物・オプション清算日、日本は9月11日、米国は9月18日)があり、(3)米国は8月31日にNYダウの採用銘柄の入れ替えと、アップル(4分割)とテスラ(5分割)の株式分割が実施された。(4)そして、日本では9月14日に安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が行われ、秋の彼岸を控える。このように9月は調整のキッカケになる要因が少なくなく、投資家としては冷静に調整を待つのも一策ではないだろうか。

(9月3日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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