【杉村富生の短期相場観測】 ─「日本株は出遅れ!政治の季節が株高を支援!」

市況
2020年9月13日 9時15分

「日本株は出遅れ!政治の季節が株高を支援!」

●NY市場の「ITバブル崩壊」はあり得ない話!

NY市場は波乱含みの展開となっている。S&P500指数、ナスダック指数は史上最高値を更新中だったし、NYダウは2月12日の史上最高値(2万9551ドル:終値ベース)奪回目前に迫っていた。とりあえず、「利食っておこう」とのムードが台頭するのはやむを得ない。しかし、ニューノーマル(新常態)を背景とする世界的な株高は始まったばかりである。

ウォール街では巨大IT企業の株価急落を受け、「2000年2~3月のITバブル崩壊」を危惧(連想)する声が聞かれる。だが、当時とは状況がまったく違う。

すなわち、2000年はFRBが金融引き締めを強行、景気が失速し、IT企業の業績は悪化した。現在はどうか。IT企業の業績はGAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム+マイクロソフト)を中心に好調だ。さらに、ドキュサイン、セールフォース・ドットコム、オクタなど新しい世界的な成長企業が次々に登場している。

景気は底練り状態だ。これ以上、悪くなりようがない。それに、低金利、低物価、低成長が継続する。コロナショックによって、本格的なデジタル社会が到来、新常態は株式の時代の訪れを告げている。そのメインはNY市場だ。このままピークとはならないと思う。

もちろん、NY市場がハシャギすぎた面はある。いかに、国際マネーが集中したとはいえ、やりすぎだ。なにしろ、NY市場(ナスダック市場を含む)の時価総額は3992兆円と、東京市場の6.5倍に膨らみ、GAFA+Mの時価総額は815兆円、テスラの時価総額は44兆円(9月1日時点)になっていた。まあ、これは異常だったのではないか。

●物色面ではド真ン中の銘柄を! 小物は…?

水素トラックのニコラの時価総額は2兆円を超えた。テスラの時価総額はトヨタ自動車 <7203> の時価総額(23兆円)の2倍弱だ。水素トラックを開発中のいすゞ自動車 <7202> の時価総額は8636億円、同じく日野自動車 <7205> は3976億円にすぎない。ニコラはこれから工場を作るという話だ。確かに、夢はある。

ただ、行き過ぎは修正される。逆に考えると、日本株は出遅れが著しい。加えて、新政権が誕生、「菅首相」はオンライン診療電子行政などデジタル社会に向けての施策を打ち出すだろう。解散総選挙は年内の可能性がある。タイミング的にはここしかない。株式市場では「総選挙は買い」という。

物色面ではまず、ド真ン中の銘柄を攻めたい。本命は値動きが良好なソフトバンクグループ <9984> だろう。配当利回り6%の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> は9月中間配当取りを兼ねて狙える。日本郵船 <9101> は出直り。3月IPOの株価不振組のフォーラムエンジニアリング <7088> はそろそろのタイミングだろう。

小物はどうか。電子カルテのソフトマックス <3671> [東証M]、国策に沿うITbookホールディングス <1447> [東証M]にはチャート妙味を指摘できる。

このほか、急動兆の浜井産業 <6131> [東証2]、底打ちのポエック <9264> [JQ]などが狙い目となる。

2020年9月11日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.