ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (28)逆張り戦略に適した銘柄には短期売買を心がけよう【銘柄探検】
株価の方向性に逆らった取引は短期勝負!
◆逆張りは腕に自信のある投資家向け
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
安倍前首相が体調不良を理由に辞任を表明した20年8月末、安倍氏が牽引してきたアベノミクス相場の終焉の訪れに寂しさを覚えた個人投資家も多かったのではないでしょうか。その後、菅新内閣が発足し、新政権への政策期待が高まっています。米国でも11月には大統領選挙が行われますから、日米ともに新たな体制に向かって踏み出す2020年後半になりそうですね。
20年2月に新型コロナウイルスの脅威が明らかになった時、日本をはじめ世界の株式市場はリーマンショック級の暴落に見舞われました。日経平均株価は2万4000円台からあっという間に2万円大台を割り込み、1万6000円台まで下落してしまいました。この数年、上昇を続けてきたアベノミクス相場とともに歩んできましたので、4年間にわたる長期上昇をわずか1カ月で帳消しにする強烈な暴落に驚かれた投資家も多かったことと思います。
2万円割れはないだろうと考えて買い向かった人も、暴落が続く日々に「いつ底を打つのだろう?」と不安に襲われたことでしょう。株価は通常、トレンドが転換するまで、そのトレンドに沿って動きます。「2万円割れはない」などと考えて買い向かっても、下降トレンドが継続している間は下げ止まらないものなのです。
ただ、今回のコロナショックのような下げ一辺倒の大暴落でなければ、株価は上げ下げを繰り返しながら下落していきます。腕に自信がある個人投資家ならば、下落の途上にあっても、この一時的な上昇局面を狙って株を売買することは不可能ではありません。
そこで今回は、株探の「銘柄探検」に用意されているファンダメンタルズとテクニカルの2つの視点のうち「テクニカルで探す」に着目し、これを銘柄選び、そして売買戦略に活用する方法を探ってみましょう。
いつものように各ページの上部にあるグローバルナビから「銘柄探検」を選んでクリックします(図1)。表示された「銘柄探検」のページには、オレンジ色の「ファンダメンタルズで探す」と緑色の「テクニカルで探す」の2つのメニューが用意されています。今回は「テクニカルで探す」から、「オシレーター系の指標【主に逆張り】」をみていきます(図2)。
図1 グローバルナビの「銘柄探検」からスタート
図2 銘柄探検の「オシレーター系の指標【主に逆張り】」のメニュー
銘柄探検のメニューの「オシレーター系の指標【主に逆張り】」では、株価の反発や反落を狙った、いわゆる逆張り戦略で取引するためのテクニカルチャートとして「RSI」と「MACD」の2つをピックアップしています。
株価は上昇、下落、あるいは横ばいのいずれかの方向に沿って動きますから、「上昇トレンド」か「下降トレンド」、もしくは「横ばいトレンド」のいずれかに分けられます。たとえば、株価が値下がりする下降トレンドの場合には、株価が底を打つまで下げ続けることになります。しかし、株価が値下がりする過程では、毎日、常に値下がりし続けるわけではなく、上昇と下落を繰り返しながら下落していきます。下降トレンドが発生している時に、この短期的な株価の上昇を狙って株を買う取引手法のことを「リバウンド上昇狙い」と言います。そして、このような株価のトレンドに逆らうようにして行う取引スタイルのことを「逆張り」と呼びます。「オシレーター系の指標【主に逆張り】」では、株価の長期的な方向性(=トレンド)に逆らって売買を行うための候補となる銘柄を表示してくれるのです。
さらに、逆張りで買った銘柄もその株価が短期的に上昇すれば、いずれは過熱感が生じることになります。過熱感が生まれると利益確定を考える人も出てきますので、株価が下落に転じる可能性が高まります。この場合には、下落が予想されるわけですから、信用売りもしくは利益確定を行う戦略をとっていくことになります。
なお、逆張り戦略では、基本はトレンドに逆らった売買となります。逆張りのポジションが大きなトレンド転換と一致した場合は、トレンドに乗って利益を膨らますことができますが、そうしたケースは決して多いものではありません。仮に思惑通りに反発(反落)したとしてもそれが一時的なものにすぎなかった場合、これまでのトレンドに戻るだけですから、利益を失うばかりか損失を膨らませてしまうリスクさえあります。このため、逆張りの取引では、基本はトレンドを見極めたうえで短期の時間軸での取引に徹することが大変重要になります。
株探ニュース