明日の株式相場に向けて=トランプ・ツイッター砲再び轟く
きょう(7日)の東京株式市場は売り先行で始まったもののその後は下げ渋る展開となり、日経平均株価が10円安の2万3422円とわずかな下げにとどまった。後場最終盤になって、前日終値にあと“1円”に迫り、あわよくばプラス圏浮上の場面もあった。
トランプ米大統領が大統領選を目前にしたこのタイミングで新型コロナウイルスに感染したこともサプライズだったが、短時日でホワイトハウスに戻り職務に復帰するというのも少なからぬサプライズではあった。しかし、相変わらずトランプ・ツイッター砲は健在だ。追加経済対策については大統領選が終わるまで協議を先送りすることを表明、民主党と折り合うことを拒否する姿勢をみせ、選挙に勝つことへの執念をみせる。これが米株を終盤に波乱におとしいれた。一方、きょうの東京市場の朝安後の戻り足は、昼ごろにトランプ氏が航空業界や中小企業向け支援策に関するツイートを投稿したことが追い風となった。
ただ、トランプ氏の頑張りも流れはバイデン氏に傾いているようだ。「マーケットは“バイデン大統領”で買える株を探す段階に入った」と言う市場関係者もいる。バイデン氏の勝利と合わせて、上院、下院ともに民主党が制する「トリプルブルー」が実現すれば、政策がスムーズに通りやすくなるというメリットが生じる。また追加経済対策としてはトランプ氏が政権として1兆6000億ドルを提案しているのに対し、2兆2000億ドルを提示する民主党の方が規模は大きい。きょうの東京市場ではバイデン氏が再生可能エネルギー重視の政策スタンスにあることから、レノバ<9519>、イーレックス<9517>、ミダック<6564>といった環境関連株に物色の矛先が向かった。米国株市場と合わせ新たな相場が芽生える可能性もあるが、やはり現実問題として、法人増税やGAFA規制の動きは米国株市場の活力をそぐ方向に働く懸念が拭えない。
東証1部は大統領選を前に積極的な売り買いは入れにくいという状況もあってか、ここにきて日米ともに商いは低調、東証1部の売買代金は連日で2兆円台を下回った。ただし、前日も触れたようにマザーズ市場は我が道を行く展開。2018年2月以来となる1300台回復が目前となっている。「個人の信用買い残は、コロナ急落前の水準を既に上回っており、目先的には警戒も必要」(ネット証券アナリスト)という声もある。直近IPO銘柄もタスキ<2987>が一時ストップ安となるなどやや荒れ模様だ。
あすのスケジュールでは、8月の国際収支、9月の景気ウォッチャー調査、9月の都心オフィス空室率など。なお、セブン&アイ・ホールディングス<3382>やローソン<2651>の3~8月期決算発表が予定されている。海外では米30年国債の入札など。中国市場は引き続き休場となる。