話題株ピックアップ【夕刊】(2):東芝、郵船、ソニー

注目
2020年10月19日 15時16分

■東芝 <6502>  2,820円  +70 円 (+2.6%)  本日終値

東芝<6502>が4日ぶり反発。国際的にサイバー攻撃に対する脅威が増すなか、同社は“究極の暗号”として注目される量子暗号を活用した通信を既存の光ファイバー回線で提供するサービスを提供すると発表した。2025年度までに国内外での展開を目指すとしており、これを材料視する買いを引き寄せる形となった。

■三井化学 <4183>  2,687円  +64 円 (+2.4%)  本日終値

三井化学<4183>が反発SMBC日興証券が16日付で、投資評価を新規に「1」とし、目標株価を3300円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券によると、基盤素材事業の安定性への過度な期待は赤字見通しが示されたことにより既に後退したと判断する一方、機能商品群での増益要因が豊富な点を高く評価しているという。また、フェノールは増設計画が相対的に少なく、中期的な需給見通しは良好と考えているという。短期的には、上期決算での会社計画の上方修正がカタリストと予想しているほか、積極的な株主還元や安定配当へのコミットメントが株価の下支えになるとしている。

■日本郵船 <9101>  1,945円  +45 円 (+2.4%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運株が買われた。海運セクターは東証1部33業種中のなかで値上がり率1位にランキングされている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は今月7日を境に一貫して下げ基調となっているが、米国では大統領選でのバイデン候補勝利を読み、民主党政権下での大規模追加経済対策への思惑が高まりをみせているほか、海運市況に大きな影響を及ぼす中国でも足もと景気回復への期待感が募っている。欧米での新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感は根強いものの、株価的には織り込みが進んでおり、空売り残高の多い大手海運株は目先買い戻しが株価を浮揚させる動きが出ている。

■ソニー <6758>  7,769円  +166 円 (+2.2%)  本日終値

ソニー<6758>が大商いで4日ぶり反発。目先売りが一巡し7700円台後半で強調展開をみせている。市場では「同社株ではここ調整局面にあったが、固有の売り材料は見当たらず目先値ごろ感が生じていた。きょうは米追加経済対策への期待から米株先物が買われており、同社株をはじめ輸出主力株には追い風となっている。また、19日付の日刊工業新聞で、来年にも発売見通しの米アップルのヘッドマウントディスプレー(HMD)にソニー製部品が採用されたと報じられたこともタイミングよく株価の浮揚材料となった」(国内証券ストラテジスト)という。

■ワコム <6727>  669円  +14 円 (+2.1%)  本日終値

ワコム<6727>が3日ぶりに反発。同社はきょう、増進会ホールディングス(Z会グループ、静岡県三島市)と教育分野における「手書き×デジタル」の利用に向けた包括的な業務提携契約を締結したと発表。この業務提携は、両社が教育分野で新たな価値を創造していくことを目指すもの。Z会グループが「手書き学習」と多様な教育サービスを通じて長年蓄積してきた学習指導ノウハウと、ワコムの「手書き」分野におけるテクノロジーの開発力を効果的に組み合わせることで、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の顧客ニーズに応えた革新的な学習サービスの共同開発などを進めるとしている。

■日経レバ <1570>  21,540円  +440 円 (+2.1%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が反発。日経平均株価にリンクさせたETFで価格変動率は基本的に日経平均の2倍に設定されている。全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家を含めた短期資金の売買が活発化する傾向がある。きょうは大商いのソフトバンクグループ<9984>をしのぎ、全市場を通じて売買代金1位となっている。日経平均株価は朝方高く始まった後、上値が重いという大方の見方を覆し、米株指数先物を横にらみに一時300円近い上昇をみせた。米株市場は大統領選でのバイデン候補勝利を織り込む形で大型経済対策への期待からリスク選好ムードにある。これに追随する形で日本株も上値指向を強めている。

■日産化学 <4021>  5,570円  +100 円 (+1.8%)  本日終値

日産化学<4021>が反発。SMBC日興証券が16日付で、投資評価を新規に「1」とし、目標株価を6300円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、動物薬原体については川下での在庫調整により売り上げの伸び悩みが想定されるが、成長要因が豊富な農薬を牽引役に増益基調が続くと予想。また、半導体のリソグラフィー工程材料の需要増や液晶配向材のシェア拡大により、機能性材料事業での増益確度も高いとしている。更に、21年3月期においては、成長性と安定性の高さが相まって過去最高営業利益を更新できる数少ない企業となると予想している。

■ヤマハ <7951>  4,850円  +80 円 (+1.7%)  本日終値

ヤマハ<7951>が9日ぶりに反発。同社はきょう、「車載向けヤマハブランドスピーカーシステム」が上海汽車グループの自動車ブランドMGの新型「MG5」に搭載されることが決まったと発表。このほど、新型「MG5」の上位グレードに搭載される純正品として、6個のスピーカーを用いた同システムが採用された。同社は今後も車載向けヤマハブランドオーディオの展開を国内外に向けて拡充するとしている。

■東京応化工業 <4186>  6,150円  +100 円 (+1.7%)  本日終値

東京応化工業<4186>が続伸している。SMBC日興証券が16日付で、投資評価を新規に「1」とし、目標株価を7000円でカバレッジを開始したことが好材料視されているようだ。同証券によると、同社の半導体材料はフォトレジスト、洗浄剤といったウエハー面積以上の需要増が見込まれる製品が主力であることから、EUV用フォトレジストや洗浄剤のTSMC向けを中心とした販売増、ArF用フォトレジストのシェア回復、KrF用フォトレジストの3D-NAND向けでの拡販により、増益基調をたどる可能性がセクター内で特に高いと評価。また、財務施策の一段の強化による株主還元やROEの向上も期待できるとしている。このほか、20年12月期の配当計画の上方修正や、21年12月期以降の自己株式の取得も予想している。

■コマツ <6301>  2,444.5円  +29.5 円 (+1.2%)  本日終値

コマツ<6301>や日立建機<6305>、ファナック<6954>、ユニ・チャーム<8113>といった中国関連株はしっかり。中国国家統計局が19日に発表した20年7~9月期の実質国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比4.9%増となった。市場予想(5.2%増)は下回ったものの、4~6月に続く堅調な経済成長が評価されており、コマツなど中国関連株は堅調な値動きとなっている。

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