話題株ピックアップ【夕刊】(2):コマツ、東京製鉄、SBG

注目
2020年10月26日 15時18分

■古野電気 <6814>  1,249円  +25 円 (+2.0%)  本日終値

古野電気<6814>が続伸、一時5%高で1284円まで上値を伸ばす場面があった。魚群探知機や船舶用電子機器メーカーでは世界トップシェアを有し、人工知能(AI)を活用した船舶の自動運航分野でも活躍が期待されている。また、教育ICT分野への展開も注目され、同社の無線LAN・ハンディターミナル事業は「GIGAスクール構想」を追い風に収益寄与が見込まれている。21年2月期業績予想は営業利益段階で従来予想の15億円から30億円(前期比24%増)に引き上げ脚光を浴びた。株価は今月5日と14日に2回マドを開けて買われる異色の上昇トレンドを形成、1月につけた年初来高値1388を目指す動きにある。

■カワチ薬品 <2664>  2,948円  +49 円 (+1.7%)  本日終値

カワチ薬品<2664>が3日ぶりに反発。前週末23日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2770億円から2800億円(前期比3.6%増)へ、営業利益を70億円から85億円(同49.8%増)へ、純利益を48億円から58億円(同51.7%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、マスクや消毒関連など感染予防関連商材が堅調に推移したことや、外出自粛や在宅勤務などを背景に、生活必需品や内食需要を中心とした商材の販売が好調だったことが要因。また、前年に計上のあった、新ポイントカード移行に伴うポイント引当金の影響がなくなったことや、販促活動の自粛及び見直しを行ったことから広告宣伝費が削減されたことなども寄与する。同時に発表した第2四半期累計(3月16日~9月15日)決算は、売上高1485億4900万円(前年同期比8.8%増)、営業利益65億4100万円(同2.5倍)、純利益46億1100万円(同2.3倍)だった。

■キヤノン電子 <7739>  1,460円  +20 円 (+1.4%)  本日終値

キヤノン電子<7739>が4日続伸。前週末23日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、営業利益を38億円から43億円(前期比46.8%減)へ、純利益を28億5000万円から35億5000万円(同42.0%減)へ上方修正したことが好感された。売上高は、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないことから753億円(同15.5%減)の従来見通しを据え置いているものの、収益改善に向けた生産性の向上や経費削減の推進などに取り組んでいることが利益を押し上げるという。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高543億9400万円(前年同期比19.3%減)、営業利益37億5700万円(同42.9%減)、純利益28億4300万円(同42.1%減)だった。

■蝶理 <8014>  1,652円  +21 円 (+1.3%)  本日終値

蝶理<8014>は反発。午後1時ごろ、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2000億円から2100億円(前期比36.2%減)へ、営業利益を42億円から47億円(同42.8%減)へ、純利益を21億円から22億円(同63.9%減)へ上方修正したことが好感された。上期において、本業の事業収益力に底堅さが見られたほか、利益率の改善と経費の削減などの効果もあり、年間見通しを見直したという。また、未定としていた年間配当は中間・期末各14円の年28円(前期63円)を予定している。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1021億5500万円(会計基準変更に伴い比較なし)、営業利益15億9700万円(同65.4%減)、純利益2億6100万円(同91.9%減)だった。

■コマツ <6301>  2,517円  +31 円 (+1.3%)  本日終値

コマツ<6301>が続伸。SMBC日興証券は23日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は2300円から3000円に見直した。業績回復への可能性が徐々に高まりつつあると判断し、投資評価を引き上げた。特に、グローバル景況感の改善と公共投資増加で来期以降の業績回復を見込んでいる。具体的には、低金利政策のもとでの米国の一般住宅建設需要の回復、公共投資による景気刺激策の期待も織り込んでいる。21年3月期の連結営業利益は1300億円(会社予想1150億円)で据え置いたが、22年3月期の同利益は2000億円から2170億円に増額修正している。

■東京製鐵 <5423>  699円  -51 円 (-6.8%)  本日終値

東京製鐵<5423>が大幅反落。同社は23日取引終了後に、21年3月期通期の単独業績予想を修正。営業利益見通しは前期比69.5%減の53億円(従来予想は62億円)に下方修正した。新型コロナウイルスの影響で国内の鋼材需要が低迷し、鋼材市況の回復が遅れるなか、足もとの製品出荷数量や出荷単価がともに想定を下回って推移していることが主な要因。また、主原料の鉄スクラップが海外で値上がりしていることも重荷になるとしている。なお、売上高見通しは同25.5%減の1340億円と従来計画を据え置いている。

■日本エム・ディ・エム <7600>  2,065円  -80 円 (-3.7%)  本日終値

日本エム・ディ・エム<7600>は3日続落。前週末23日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が73億円から77億5000万円(前年同期比11.8%減)へ、営業利益が5億5000万円から8億2000万円(同35.2%減)へ、純利益が3億3000万円から5億2000万円(同43.6%減)へ上振れて着地したようだと発表したが、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。国内で、人工関節及び脊椎固定器具分野における新型コロナウイルス感染症の影響による症例数の減少が、想定と比較して少なかったことが貢献した。また米国でも、一時延期されていた人工関節分野における手術が早期に再開され、症例数が速やかに回復したことで、想定と比較して症例数の減少が少なかったことも寄与した。なお、21年3月期通期業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることを受けて、売上高を178億円から174億円(前期比3.8%減)へ下方修正したが、営業利益22億円(同16.8%減)、純利益16億円(同26.1%減)は従来見通しを据え置いている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,888円  -194 円 (-2.7%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>の株価変調が続いた。売買代金は東証1部上場企業で2位以下に大差をつけて断トツの水準をこなしたが、小幅ながらきょうで5日続落となった。米ハイテク株のオプション取引でコールを大量購入していることからハイテク株比率の高いナスダック総合指数との株価連動性が指摘されているが、前週後半はナスダック指数が戻りに転じているにも関わらず、同社の株高には反映されていない。また、同社が出資する中国アリババ集団の傘下企業である金融会社アント・グループの上海市場上場は買い材料ながら、株価にはすでに織り込みが進んだとの見方が強い。11月9日の決算発表を前に機関投資家などが買いポジションを低めているとの観測もある。

■松屋アールアンドディ <7317>  4,095円  +640 円 (+18.5%) 一時ストップ高   本日終値

松屋アールアンドディ<7317>が後場上げ幅を拡大。前引け後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が40億円から41億円、営業利益が1億8000万円から3億1000万円へ、純利益が1億2000万円から2億4000万円へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。血圧計腕帯の受注が想定していたよりも増加したことに加えて、エアバッグやカーシートの受注が回復したこと、更に防護服関連の売り上げが堅調に推移したことなどが要因という。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、顧客先との商談や打ち合わせをリモートに切り替えるなどし、旅費交通費を抑制できたことなども寄与した。

■エスケイジャパン <7608>  675円  +100 円 (+17.4%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位

エスケイジャパン<7608>が前週末に続く連日のストップ高で異彩を放った。株価は前週19日に急動意しストップ高を演じたが、その後小休止を挟んで一気に上値追い基調を強めてきた。市場では「『鬼滅の刃』がコロナ禍にあっても爆発的な興行人気を博しており、同関連グッズを手掛ける同社株に個人投資家などの短期値幅取りを狙った資金が集中した。時価総額が50億円前後と小型で足が軽い」(ネット証券ストラテジスト)としている。

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