明日の株式相場に向けて=マザーズ崩れ足、待つ勇気も必要に

市況
2020年10月26日 17時00分

週明け26日の東京株式市場は売り買い交錯で方向感が定まらず、日経平均株価は前週末終値近辺でもみ合い、結局22円安の2万3494円と小反落した。もっとも、売り買い交錯というのはやや実態とカイ離した表現で、模様眺め一色の展開と言った方が正しいかもしれない。そのくらい商いは低調で東証1部売買代金は1兆6000億円台も下回った。

米大統領選は相変わらずバイデン氏勝利の可能性が濃いことをメディアは喧伝するが、選挙はフタを開けてみないことには分からない。4年前の再現を確信するような要素はなものの、完全否定できるほどトランプ氏との差は広がってないように思える。実際、トランプ氏が大統領の座を降りることを望んでいる人は多いかもしれないが、マーケットはヒールのイメージが強くてもアメリカ・ファーストを前面に押し出し中国との対決姿勢を明示する現在の政権を本音の部分で支持している。そして米国以上にトランプの勝利を切望しているのは東京市場だ。しかし、接戦になればトランプ陣営は必ず郵便投票の正当性を否定して法廷闘争に持ち込むことが予想され、ウィズコロナならぬウィズカオスの株式市場と対峙する覚悟は必要かもしれない。

きょうは、日経平均など全体指数に連動する大型株は比較的静かな値動きだが、中小型株の下げがきつくなっている。とりわけマザーズ指数が下げ止まらず、きょうは終値で1200を割った。アンジェス<4563>は自律反発局面に入っているが、既にアンジェスの株価を横目に全体のムードが作られるという地合いではなくなっている。マザーズ時価総額で断トツのメルカリ<4385>が下値模索の動きを続け、フリー<4478>、ラクス<3923>、弁護士ドットコム<6027>、BASE<4477>、JMDC<4483>なども下げがきつい。比較的頑強な展開を続けていたSansan<4443>もきょうは大幅続落を余儀なくされるなど、時価総額上位銘柄への売り圧力が顕著だ。見た目以上に投資マインドは傷んでいる。これらの銘柄に売り一巡感が出るまでは、その他の銘柄についても買い向かうのは「蛮勇」となる恐れがある。前週の当欄でキャッシュポジションをできるだけ高めておくのが得策としたが、中途半端に買い出動してはいけない。落ちてきたナイフをつかめば怪我をするのが道理で、「待つ勇気」も必要だ。

あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントはないがIPOが1件あり、東証マザーズにカラダノート<4014>が新規上場する。決算発表は信越化学工業<4063>や富士通<6702>が予定されている。海外では9月の米耐久財受注額、8月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数。10月の米消費者信頼感指数などが注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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