2倍株ハンターの『株探』活用術 & コロナ禍で成功した割安大型&優待イベント狙い
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 モンサンの場合-最終回
三菱地所<8802>、NATTY SWANKY<7674>、アズ企画設計<3490>
10年前から草食のインデックス投資を開始し、3年前に肉食系!?の個別株投資にシフトしたばかりのサラリーマン投資家。米国公認会計士の資格を持ち、企業のIR部門での勤務経験もあり財務分析はお得意項目。3年前の本格投資開始時は、株主優待狙いで買ったペッパーフードサービス<3053>などで大当たりし、以降、本気になっての銘柄選びに目覚めていく。もともとはファンダメンタル重視だったが、1年前から投資仲間に影響を受け、テクニカル分析も取り入れた融合型を導入。これと並行して次々と2倍株をゲットし資産拡大に拍車がかかる。SNS(交流サイト)での情報発信も好評で、ツイッターのフォロワーも急上昇中だ。
第1回目記事「変幻自在の2倍株ハンター、2カ月に1つのハイペースで獲得する技」を読む
第2回目記事「グレートグロース株を掘り当てたいなら、紅白の'キテる予想'を頑張ろう!」を読む
第3回目記事「買い時・売り時の見極めが進化!『ファンダ×テクノ』のハイブリッド戦略」を読む
2倍株ハンターのモンサン(ハンドルネーム)。投資の中核に据えているターゲットにするのは小型成長株で、ファンダメンタルズとテクニカル分析を使って銘柄選びと売買のタイミングを図っている。
ファンダ主体にテクニカルを加え、その手順も状況に応じて変幻自在のスタイルを取っていることが、2カ月の1個のハイペースで2倍株をつかんできた力になっていた。だがモンサンの変幻自在ぶりはこれだけではない。
特集最終回では、コロナ暴落のリスクオフ相場などを切り抜ける際に行った三菱地所<8802>、NATTY SWANKY<7674>の事例を紹介しよう。これらは中核に据える小型成長株狙いとは違った視点で取引し、キャピタルゲインをゲットした。
これについて解説する前に、モンサンが変幻自在の戦略で勝利を呼び込むために行っている日々のマーケット・ウォッチの一端を見ていく。
朝は「騰落レシオ」「VIX」、夜は「今日の気になるIR」を毎日発信
「おはようございます。騰落レシオ107、VIXが29と上昇。米国と欧米不安。日本は昨日も安定だが出来高少ないのが気になる。米大統領選に向けた株価調整は一応注意を」
「おつかれさまです。今日の気になるIRはありませんが、PALTEK<7674>、エコモット<3987>」と続々と5G 関連IRが出ました。5G 通信が開始して周辺機器やサービス、ローカル5G等がこれから注目されるのかもしれませんね」
これらは10月20日、本人がツイッターで発信したメッセージの一部だ。モンサンは毎朝、騰落レシオとVIXを確認し、自分が使うメモの目的も兼ねて、SNSを通じてその値を発信することから投資の一日が始まる。
そして夜にはモンサンなりの「気になるIR(投資家向け広報)」を公表している。決算内容やIRを確認し、「あっ!」と思うものがあれば、それを言葉にして1日の締めくくりにしている。
気になるIRがない場合は、自分がその日に気付いた何かをつぶやいていく。
■モンサンのツイッターの画面の朝バージョン
■モンサンのツイッターの画面の夜バージョン
例に挙げたつぶやきについて投資初心者向けに触れておくと、「騰落レシオ」とは、市場の過熱感や強弱感を見る際に使われる指標のこと。「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100(%)」で計算する。
一方のVIXはVolatility Indexの略語で、一般に恐怖指数とも呼ばれ、数値が高いほど投資家が先行きに対して不安を感じる局面とされる値だ。
モンサンは騰落レシオについては、値が130程度に上昇すると買われ過ぎ、70程度まで下降すると売られ過ぎという目安をつけている。130超えの時は現金比率を増やし、70を割った時はフルインベスト体制で臨むのが通常のスタイルだ。
一方のVIXは、一般に言われるように低い方が好ましいと捉えている。そうした状況だと「業績がよく、買われるべき正統派の銘柄が素直に上昇する相場」と考えてリスクオンの姿勢で向かう。
VIXが30を超えてくるようになると、悪い意味でのサプライズが起こることが多い状況だととらえ、こうした時は警戒モードに切り替えていく。
適時開示情報と『株探』サイトが御用達
こうした毎日の取り組みが2倍株ハンターのモンサンの投資眼を磨いているはず。だが、会社員で本業にも忙しいモンサンは、どのようにして作業を続けているのか。
この作業を効率化するお役立ちツールの2大柱が、日本取引所グループが公表する「適時開示情報閲覧サービス」と、手前味噌になってしまうが当サイトの『株探』だ。
取引所の適時開示情報は、株式分割や公募情報、株主優待の新設など、株価に影響を与える企業の重要情報を一覧できるもの。『株探』では銘柄ページの「ニュース」「開示情報」のタブにその銘柄の適時開示を一覧できる。
モンサンは通勤途中などでも手軽にチェックできるスマートファンやタブレットのアプリ『適時開示なう』を活用中だ。
■『株探』で確認できる適時開示情報の抜粋(ソフトバンクグループ<9984>の例)
注:10月26日時点
ネットを通して、手軽にIR情報を確認できるようになってはいるが、毎日、全銘柄の情報をチェックするのは簡単な作業ではない。そこで、重要情報のピックアップの手助けをするのが『株探』の人気コラム「明日の好悪材料」のコーナーだ。
ここでは、各企業のIR情報のポイントが分かる。モンサンは、電車通勤による帰宅途中の時間を利用して、適時開示情報とこの好悪材料のコーナーを並行して確認し、企業が発信するIR情報のハイライトを把握するのだ。
この作業で気になる企業を見付けた後は、株価チャートの動きも確認。さらにPTS(取引所の立会時間外にも取引ができる私設市場)の動きを見て、開示情報がどう影響したかを把握する。ここまでがモンサンが行う一日のざっくりした投資情報収集のルーティンだ。これを継続して投資眼を養っていく。
■『株探』で掲載している「明日の好悪材料」の抜粋
注:10月23日分の例
IR情報から「バスる」ワードに目を付ける
モンサンいわく、こうした作業を続けていくと、企業のIR情報や関連ニュースを見て、いくつかのうちから「これはバズる」と思うものがピンとひらめいてくるのだという。
例えば、取材班がモンサンのインタビューをしたのは9月中旬。この時、直近IR情報を見て、ビビっときたのはアズ企画設計<3490>だった。
同社は埼玉県を地盤に不動産業を行う会社で、その時のニュースは米国の大手不動産仲介企業と業務提携したというもの。
■『株探』に掲載されたアズ企画設計<3490>のニュース
株探でその情報を見つけ、その記事中に提携先の企業には「世界最大級の不動産エージェントが所属する」という記述に引かれたようだ。
「世界最大級」など、通常の記事ではめったに登場しないような奇抜な記述が、モンサンにとっての「バズりワード」となっているという。
実際、このニュースが原因となったのかの証明は難しいが、アズ企画設計はこのニュースの後で取引時間中の年初来高値を更新。いったん株価は大きく調整したが、10月半ばに再び大暴騰でバスる場面を見せた。
■アズ企画設計の日足チャート(20年8月~10月23日)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。