話題株ピックアップ【夕刊】(3):東エレク、アンリツ、ファストリ

注目
2020年11月5日 15時24分

■ニチレイ <2871>  2,851円  +112 円 (+4.1%)  本日終値

ニチレイ<2871>は3日続伸しいる。4日の取引終了後、21年3月期連結業績予想について、営業利益を315億円から320億円(前期比3.1%増)へ上方修正したことが好感された。主力の加工食品事業で外食向け業務用調理品の販売回復が遅れていることから、売上高は5850億円から5715億円(同2.3%減)へ下方修正した。ただ、低温物流事業で家庭向け需要が増加していることでTC(通過型物流センター)の取り扱いが拡大していることや、全社的なコスト抑制が利益を押し上げる見通し。また、従来22円を予定していた期末配当を6円増額して28円とするとあわせて発表しており、これも好材料視された。20年12月に創立75周年を迎えることから、記念配当6円を実施する。年間配当は50円(従来予想44円)となり、前期実績に対しては8円の増配となる予定だ。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、売上高2817億6200万円(前年同期比3.5%減)、営業利益167億4500万円(同11.7%増)だった。

■東京エレクトロン <8035>  29,050円  +1,140 円 (+4.1%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>がカイ気配スタートなったほか、レーザーテック<6920>も続伸するなど半導体製造装置関連株が買いを集めた。前日の米国株市場では長期金利の急低下を背景にハイテク株が買いを集め、ナスダック総合指数の上昇率が3.9%に達するなど異彩を放った。そうしたなか、半導体関連株の上げ足が際立っており、エヌビディアやザイリンクスが6%前後の上昇、アプライドマテリアルズは5%弱の上昇と投資資金が集中した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は終値ベースで80ポイント超の上昇と約半年ぶりの上げ幅を記録、この流れを東京市場も引き継ぎ、同関連株の物色人気が高まっている。世界的な5Gの普及やリモートワークの導入加速を背景とするデータセンターの増設で、半導体需要は中期的に拡大基調をたどるとの見方が強い。

■三井海洋開発 <6269>  1,611円  +59 円 (+3.8%)  本日終値

三井海洋開発<6269>が3日続伸。同社は4日取引終了後、決算発表を行い20年12月期の連結営業損益予想を従来の200億円の赤字から170億円の赤字(前期は48億4100万円の赤字)に修正することを明らかにした。建造工事の進捗や追加工事代金の回収などが赤字幅縮小に寄与する。売上高は2800億円(前期比15.8%減)、最終損益は100億円の赤字(前期は182億2700万円の赤字)で据え置いた。市場には、今期業績予想は保守的であり最終的には営業損益は160億円程度の赤字で着地するのではないか、との見方も出ている。

■アンリツ <6754>  2,325円  +83 円 (+3.7%)  本日終値

アンリツ<6754>が続伸し5日移動平均線を上回ってきたほか、リバーエレテック<6666>、ネットワンシステムズ<7518>など次世代通信規格「5G」関連に位置づけられる銘柄に買いが流入した。通信メガキャリア3社が揃って5G関連投資を強める姿勢を示している。日本経済新聞によると、ソフトバンク<9434>とKDDI<9433>は今後10年で基地局整備などにそれぞれ2兆円を投じる計画にあるほか、NTTドコモ<9437>は23年度までに1兆円を投資する方針にあることが報じられている。こうしたなか、5G向け通信計測器のトップメーカーであるアンリツをはじめ、世界最小クラスのATカット水晶振動子や音叉型水晶振動子で5G関連需要を捉えるリバーエレク、通信ネットワーク環境の構築で実績が高く5G投資の恩恵を受けやすいネットワンなどは収益機会が高まるとの思惑が足もと投資資金を誘導している。

■セガサミー <6460>  1,366円  +44 円 (+3.3%)  本日終値

セガサミーホールディングス<6460>が後場一段高。午後0時30分ごろ、保有する政策保有株式の一部を売却したのに伴い、21年3月期第3四半期決算で投資有価証券売却益約59億円を特別利益として計上すると発表しており、これが好感された。

■スカパーJ <9412>  472円  +14 円 (+3.1%)  本日終値

スカパーJSATホールディングス<9412>が大幅高で3日続伸。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を120億円から160億円(前期比4.8%増)へ、純利益を80億円から110億円(同8.5%減)へ上方修正したことが好感された。メディア事業で、大型イベントの中止などにより収益減少が見込まれることから、売上高は1400億円から1390億円(同0.4%減)へ下方修正したが、メディア事業における減収に伴う費用の減少とコスト構造の見直しが進んでいることが利益を押し上げる。また、宇宙事業で航空機内Wi-Fi需要を中心に保守的に見込んでいた衛星回線利用に伴う収益が改善する見通しのほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う運営コストの低減や一部の先行費用の発生延期などによる費用の減少が見込まれるという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高697億7300万円(前年同期比0.7%増)、営業利益111億1600万円(同33.4%増)、純利益78億6500万円(同32.3%増)だった。

■フリー <4478>  9,000円  +250 円 (+2.9%)  本日終値

東証マザーズ指数が連日の大幅上昇、75日移動平均線をターニングポイントに急速なリバウンド局面に入っている。きょうは一時1264.77まで水準を切り上げ、前日分と合わせた上昇率は9.5%に達した。「米国株市場でナスダック総合指数の上昇が目立っており、マザーズ市場にその流れが波及する形で、これまで外資系経由で売り建てられていた株の買い戻しが一気に加速した」(国内ネット証券)という。個人投資家は追い証発生に伴う投げ売りがみられていたが、状況が一変する形となった。時価総額上位10傑にランクされているフリー<4478>やラクス<3923>、弁護士ドットコム<6027>、JMDC<4483>、BASE<4477>、AI inside<4488>、マネーフォワード<3994>などが軒並み大きく買われ、流れの変化を象徴している。

■エフピコ <7947>  4,360円  +90 円 (+2.1%)  本日終値

エフピコ<7947>が4日続伸。きょう付けの日刊工業新聞で「新型コロナウイルスの影響で、デリバリーやテークアウト向け食品容器の需要が大幅に増加している」と報じられており、「増産を前倒しして需要増に応える計画だ」とあることから、増産効果による業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。10月30日に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算によると、製品出荷枚数は前年同期比5.9%増となっており、特にデリバリー・テイクアウト容器の需要が増加しているという。下期も増加が見込まれていることから、増産に乗り出すようだ。

■ファーストリテイリング <9983>  74,400円  +20 円 (+0.0%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が続伸し年初来高値を更新。4日の取引終了後に発表した10月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店及びEコマース売上高が前年同月比16.2%増と5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が低く推移したことで秋冬商品の販売が好調だったことに加えて、Eコマースのキャンペーンが好評だったことが寄与した。なお、客単価が同15.1%の上昇となり、客数は同0.9%増だった。

■リコー <7752>  637円  -73 円 (-10.3%)  本日終値  東証1部 下落率2位

4日に決算を発表。「今期税引き前を一転赤字に下方修正、配当も11円減額」が嫌気された。

リコー <7752> が11月4日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結税引き前損益は295億円の赤字(前年同期は468億円の黒字)に転落した。業績悪化に伴い、今期の年間配当を従来計画の26円→15円(前期は26円)に大幅減額修正した。

⇒⇒リコーの詳しい業績推移表を見る

●ストップ高銘柄

アイケイ <2722>  1,079円  +150 円 (+16.2%) ストップ高   本日終値

アサックス <8772>  767円  +100 円 (+15.0%) ストップ高   本日終値

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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