米国政治の不透明感後退を好感/後場の投資戦略

市況
2020年11月9日 12時19分

日経平均 : 24799.22 (+473.99)

TOPIX  : 1678.68 (+20.19)

[後場の投資戦略]

日本企業の20年4-9月期決算発表が順調に進んでいる。発表は今週で一巡するが、ここまでの途中経過をバリュー株(割安株)、グロース株(成長株)の視点から見てみる。東証が公表している指数に、TOPIXバリュー、TOPIXグロースという指数がある。決算発表が本格化する直前の10月23日終値と2週間後の先週末11月6日終値を比べると、TOPIXバリューの上昇率は0.25%、TOPIXグロースは3.61%。この期間の相場は米大統領選の影響を受けたことも考慮する必要はあるが、決算発表が始まって以降はグロース株優位の相場展開となっていると言えそうだ。

業種別で見てみよう、この期間の値上がり率上位には、医薬品、精密機器、電気機器、機械、その他製品、電気・ガス、食料品、サービス業などが並ぶ。材料が出た個別銘柄が指数の上昇に大きく寄与したものもあるが、概ね景気ディフェンシブやいわゆるグロース色の強い業種が多いようだ。一方、値下がり率上位には、空運業、鉱業、ゴム製品、保険業、証券商品先物、鉄鋼、水産・農林、石油石炭製品、卸売業、海運業などが並んでいる。こちらは景気敏感業種やバリュー色の強い業種、金利上昇局面で物色される業種が目立つ。

このように、決算発表が本格化して以降の東京株式市場では、景気ディフェンシブ株やグロース株が相場を牽引したことが窺える。重ねて言うが、この期間の相場が米大統領選の影響を強く受けていることは考慮しなくてはならない。だが、そのことも含め、今後の相場展開を占うヒントにはなりそうだ。先週末はバリュー株の巻き返しの動きも見られた一方、今週はマザーズやJASDAQ上場企業の決算発表が増え、グロース株優位の相場展開がより鮮明になる可能性もありそうだ。

さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみあいとなりそうだ。これまで東京市場の重しとなっていた米国政治の不透明感が後退している効果は大きく、相場の先高観がさらに強くなっている。一方、日経平均は先週4営業日で1300円を超す上昇となり、上げピッチの速さを警戒する向きも多く、上値はやや重くなりそうだ。なお、今日は引け後にソフトバンクG<9984>が4-9月期決算を発表する。また今晩米国でマクドナルド、ビヨンド・ミートが7-9月期決算を発表する。(小山 眞一)

《AK》

提供:フィスコ

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