テリロジー---2Q増収・大幅な増益、売上高増と利益率向上により利益が増加
テリロジー<3356>は9日、2021年3月期第2四半期(20年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比5.5%増の19.41億円、営業利益が同177.6%増の1.70億円、経常利益が同144.2%増の1.77億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同171.7%増の1.17億円となった。
ネットワーク部門の売上高は前年同期比19.7%増の5.18億円となった。業務系ネットワークと制御系ネットワーク(IT/OT)の統合による次世代ネットワーク基盤強化への取り組みが広がりを見せる中、同社グループの主要顧客である国内大手製造業を中心に、IPアドレス管理サーバのリプレース需要が増加し、ユーザ管理システム構築案件の受注活動は堅調に推移した。また、セキュアなクラウド型無線LANシステムを採用したネットワーク構築案件の受注活動も、引き続き堅調に推移している。なお、今期より販売を開始したRadware製品は、前総販売代理店からの顧客の巻き取り活動により、次世代ネットワーク最適化案件などの受注の獲得に繋がっている。
セキュリティ部門の売上高は前年同期比17.4%増の6.90億円となった。国際的なスポーツ競技大会の開催延期、社会生活や経済活動でのインターネットへの依存度の増大によりサイバー攻撃へのリスクが高まっている。これにより、電力系などの重要インフラや工場及びビル管理などの産業制御システムのセキュリティ対策が緊急を要したことから、制御システム・セキュリティリスク分析案件への引き合いは増加し、受注に繋がった。また、外部からの不正アクセスや標的型攻撃などの高度化・巧妙化するサイバー攻撃への対策として、ネットワーク不正侵入防御セキュリティや標的型攻撃対策クラウドサービスなどのセキュリティ案件の受注活動は堅調に推移している。なお、ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにて、APTに代表される高度な技術を持つ攻撃集団、あるいはサイバー犯罪グループなどがやり取りする悪意ある情報を収集、分析し、契約先企業に提供するサイバースレットインテリジェンスサービスや、サプライチェーンのリスクを可視化するサイバーリスク自動評価サービスの受注活動も、引き続き堅調に推移した。
モニタリング部門の売上高は前年同期比16.7%減の3.45億円となった。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務の急速な広がりからデータ通信量は増加傾向にある。これにより、グループ独自のパケットキャプチャ製品を採用したネットワーク監視やセキュリティ対策、トラブルシューティング対応などの案件の獲得に向け、受注活動に注力した。また、同社開発の運用監視クラウドサービスは、主要顧客を中心に受注活動に努めている。なお、第1四半期に受注のパケットキャプチャ製品を採用したネットワークモニタリング案件については、機器の納入が完了したことから当第2四半期累計期間にて売上を計上している。
ソリューションサービス部門の売上高は前年同期比4.0%減の3.87億円となった。多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から訪日外国人旅行者の急減による需要の減少が見られたが、在留外国人に対応する自治体や医療機関などでの窓口業務の需要が拡大している。なお、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つであるテレビ会議サービスでは、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動の目的として、人事・営業部門、医療機関、研究機関からの引き合いが増加し、契約件数は増加した。その他、独自のRPAツール「EzAvater」の販売強化に向けて、販売代理店網の拡大強化とブランドの知名度向上のためのマーケティング活動に注力している。
2021年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比3.2%増の41.80億円、営業利益が同24.2%減の2.00億円、経常利益が同30.6%減の2.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同34.8%減の1.40億円とする期初計画を据え置いている。
《ST》