話題株ピックアップ【夕刊】(3):イーレックス、郵船、東芝

注目
2020年11月11日 15時26分

■イーレックス <9517>  1,348円  +55 円 (+4.3%)  本日終値

イーレックス<9517>が反発。10日取引終了後、ENEOS(東京都千代田区)と大型バイオマス発電所に関して共同で事業化を検討することで合意したと発表しており、これが好感されたようだ。同発電所は設備出力300メガワット規模となる予定で、新設としては世界最大級になるという。建設予定地は新潟県にあるENEOS所有地で、今後環境アセスメントの手続きを経て、2023年中に着工し、26年度の営業運転開始を目指すとしている。

■国際石油開発帝石 <1605>  563円  +21 円 (+3.9%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が高いほか、原油市況に連動するETNであるNEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN<2038>などが上値指向を強めている。ここにきての原油価格の戻り足が顕著となっている。WTI原油先物価格は9日に3ドルを超える急騰をみせ、前日も1ドル7セント高と2営業日で4ドル以上の上昇となり、1バレル=41ドル36セントまで水準を切り上げている。これを背景に前日の米国株市場ではシェブロンが4.6%高に買われNYダウ押し上げに寄与、この流れが東京市場にも波及している。

■日経レバ <1570>  24,670円  +840 円 (+3.5%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が一時900円を超える大幅高、連日で最高値を更新した。日経平均株価に連動するETFで基本的に価格変動率が2倍に設定されており、日経平均のボラティリティが高まるなかで、個人投資家を中心とした短期資金の商いが活発化している。売買代金は全上場企業のなかで首位の任天堂<7974>を更に50%上回る水準で、後場寄り早々既に1300億円に達している。全体指数はヘッジファンドの先物を絡めた買いが押し上げる格好となっており、日経平均はフシ目の2万5000円大台ラインを突破して買いの勢いが増しており、日経レバもそれに追随する形となった。

■日本郵船 <9101>  2,097円  +66 円 (+3.3%)  本日終値

日本郵船<9101>が一時79円高の2110円まで買われたほか、商船三井<9104>も81円高の2599円まで上値を伸ばすなど大手海運株に買いが集まった。米大統領選でバイデン候補の勝利が確実となったことを契機に、米株市場では業績好調なハイテク系のグロース株を買って、バリュー株を売るこれまでの動きが急速に巻き戻される方向となった。東京市場でも足もとその流れを引き継ぐ形で、今期の業績が低迷していてもPBRの低い銘柄に物色の矛先が向いている。大手海運は21年3月期が大幅減収見通しながら、コンテナ船事業が回復色を示すなど、大底は脱する方向で業績の上方修正が相次いだ。PBRは郵船が0.7倍台、商船三井が0.6倍前後と解散価値を大きく下回っており、全体相場の流れに乗って投資マネーが流入する形となった。

■三菱UFJ <8306>  459円  +13.1 円 (+2.9%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>をはじめメガバンクの上昇が目立つほか、第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株もマドを開けて買われる展開となった。ここ米国株市場主導でバリュー株物色の流れが強まっているが、高配当利回りでPBRが低い大手金融株はその流れに乗っている。ここにきて米長期金利が急速に水準を切り上げる展開にあることも、米国事業における運用環境の改善につながるとしてポジティブ視されている。米10年債利回りは前日終値ベースで0.027%高の0.96%まで上昇。早晩1%台への上昇も意識される局面にある。仮に米10年債利回りが1%を超えた場合は、コロナショック急落の初動期である今年2月下旬以来となる。

■大成建設 <1801>  3,650円  +90 円 (+2.5%)  本日終値

大成建設<1801>が7日続伸。この日の午後1時ごろ、上限を500万株(発行済み株数の2.40%)、または100億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は20年11月12日から21年3月31日までで、株主還元の充実及び資本効率の改善を目的としている。また、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆4500億円から1兆5300億円(前期比12.6%減)へ、営業利益を810億円から1200億円(同28.5%減)へ、純利益を560億円から820億円(同32.8%減)へ上方修正したことも好材料視された。新型コロナウイルス感染症の業績への影響が想定を下回って推移していることに加えて、建設事業の利益率好転に伴う売上総利益の増益が寄与するとしている。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高5940億7400万円(前年同期比22.5%減)、営業利益443億9700万円(同25.8%減)、純利益306億5200万円(同31.7%減)だった。

■タカラバイオ <4974>  2,981円  +52 円 (+1.8%)  本日終値

タカラバイオ<4974>が大きく切り返し、10月21日以来の3000円大台復帰を視界に捉えている。同社は研究試薬や食品の開発を主力に手掛け、再生医療分野への積極的な取り組みでも知られる。10日取引終了後、21年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の65億円から80億円(前期比28%増)に大幅増額しており、これを評価する買いを呼び込んでいる。研究用試薬や理化学機器の販売が好調なほか、稼働率向上などで利益率改善も業績に反映される。利益高成長トレンドが長く続いており、今期で11期連続の過去最高利益更新となる。なお、好業績を背景に期末配当(一括)も増額、従来計画の8円から1円増配し9円(前期実績は8円)とする。

■東芝 <6502>  2,751円  +21 円 (+0.8%)  本日終値

東芝<6502>が反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「石炭火力発電所の新規建設から撤退する」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると同社は、事業の軸足を再生可能エネルギーに移し、22年度までに同分野にエネルギー部門全体の年間投資額の約5倍にあたる1600億円を振り向けるという。石炭火力発電は温暖化ガスを多く排出することからグローバルで需要が落ち込んでおり、海外の重電大手でも事業は縮小傾向にあり、より成長力のある分野への投資観測が期待感につながったようだ。

■アネスト岩田 <6381>  959円  +7 円 (+0.7%)  本日終値

アネスト岩田<6381>が高い。株価は3月末以来の4ケタ大台復帰を視野に入れている。スプレーガンやコンプレッサーの大手メーカーで抜群の商品競争力を持っている。医療向けコンプレッサーは新型コロナ関連需要を取り込み収益に反映させている。10日取引終了後に21年3月期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の300億円から325億円(前期比17%減)、営業利益は5億円から24億円(同38%減)に大幅増額しており、これを手掛かり材料に投資資金が攻勢をかけている。株価はここ急速に上値追い態勢にあったが、PERなど株価指標面で割高感に乏しく、信用買い残も枯れた状態で株式需給面でも上値の軽さが意識された。

■ラック <3857>  1,159円  -111 円 (-8.7%)  本日終値

10日に決算を発表。「今期経常を一転13%減益に下方修正」が嫌気された。

ラック <3857> [JQ] が11月10日大引け後(15:30)に決算を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比98.3%減の200万円に大きく落ち込んだ。併せて、通期の同利益を従来予想の22億円→16.2億円(前期は18.6億円)に26.4%下方修正し、一転して13.3%減益見通しとなった。

⇒⇒ラックの詳しい業績推移表を見る

■ツインバード工業 <6897>  1,318円  +300 円 (+29.5%) ストップ高   本日終値

ツインバード工業<6897>がストップ高の1318円に買われた。米製薬大手ファイザーが9日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で高い有効性が示されたと発表したことを受けて、ワクチンの輸送には低温輸送が必要とされることから、マイナス50度C以下の精密な温度制御が可能な保管/輸送製品を手掛ける同社に思惑的な買いが向かったもよう。また、医薬品用アンプルやバイアル(管瓶)などを手掛ける不二硝子<5212>や、コールドチェーン向け紙梱包ソリューションを展開するPALTEK<7587>などにも同様の買いが流入したようだ。

■ティアンドエス <4055>  14,250円  +3,000 円 (+26.7%) ストップ高   本日終値

ティアンドエス<4055>がストップ高に買われた10日の取引終了後、11月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当りの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整えることで、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。

■鈴木 <6785>  861円  +150 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値

鈴木<6785>が急伸し、ストップ高の861円に買われた。10日の取引終了後に発表した第1四半期(7~9月)連結決算が、売上高73億100万円(前年同期比9.3%増)、営業利益7億7300万円(同2.0倍)、純利益6億1300万円(同4.3倍)と大幅増益となったことが好感された。部品セグメントで、電子部品の主力であるスマートフォン関連部品の需要が好調に推移したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ自動車電装部品の需要も回復基調に転じた。また機械器具セグメントで、自動機器の受注が医療用装置を中心に好調で、医療組立も堅調を維持した。同時に、未定としていた21年6月期通期業績予想を発表しており、売上高300億7700万円(前期比6.9%増)、営業利益19億4000万円(同11.8%増)、純利益12億9300万円(同4.6%増)を見込む。期末一括配当は前期同様11円を予定している。

●ストップ高銘柄

不二硝子 <5212>  2,115円  +400 円 (+23.3%) ストップ高   本日終値

明和地所 <8869>  554円  +80 円 (+16.9%) ストップ高   本日終値

など、7銘柄

●ストップ安銘柄

リグア <7090>  4,350円  -1,000 円 (-18.7%) ストップ安   本日終値

不二ラテックス <5199>  4,600円  -1,000 円 (-17.9%) ストップ安   本日終値

ニッパンレンタル <4669>  805円  -150 円 (-15.7%) ストップ安   本日終値

など、3銘柄

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