「手掛けづらくなってきた」印象/後場の投資戦略
日経平均 : 25466.69 (-167.65)
TOPIX : 1722.12 (-4.29)
[後場の投資戦略]
ニューヨーク市のデブラシオ市長が新型コロナ感染拡大で飲食店やスポーツジムの屋内営業を中止する可能性を示唆するなか、ムニューシン氏が緊急融資プログラムの一部の延長を拒否。NYダウ先物が時間外取引で下落し、本日の東京市場でも売りが先行する展開となった。一方、議会執行部が追加経済対策の交渉再開で合意したほか、大統領選におけるジョージア州の得票再集計は民主党・バイデン前副大統領の優位変わらずなどと伝わっており、このあたりが安心材料になってNYダウ先物、日経平均とも足元ではひとまず下げ渋っている。
売買代金上位の動向を見ると、米半導体関連株の上昇に伴い東エレク<8035>が反発しているものの、前日に続きファーストリテなど一部値がさ株が日経平均を押し下げている格好だ。テスラ参入による競争激化懸念から売られたダイキンとファーストリテの2銘柄で日経平均を約107円押し下げている。一方、日経平均が0.65%の下落で前場を折り返したのに対し、東証株価指数(TOPIX)は0.25%の下落と相対的に底堅い。ファーストリテや東エレクといった値がさ株主導で日経平均が上昇してきた反動に加え、NTT<9432>によるNTTドコモ<9437>株の公開買付け(TOB)及び完全子会社化に伴う資金還流が見込まれるなど、TOPIX型銘柄に需給面の好材料が多いことが影響しているようだ。
とはいえ、本日の反発が示すとおり、東エレクなどはコロナ渦中に相対的に買い安心感がある。先だって述べているとおり、当面は循環物色の流れが継続しそうだ。
他方で、本日ここまでの東証1部売買代金は1兆円を割り込んでいる。3連休が控えていることもあるだろうが、特殊要因を除くとここ数日でも売買代金の低下傾向が見られており、「積極的な売買を手掛けにくい」というムードがじわり広がっていることが窺える。新型コロナ再拡大が脅威となる一方、経済・金融政策の下支え期待は根強い。売りにも買いにも傾きづらくなり、「売買代金の低迷と日経平均のこう着」といういつか見た光景が再び目の前に広がってきたようだ。新興株もやはり直近の需給悪化がネックとなって目先の反発は鈍く、市場参加者にとっては手掛けづらい環境かもしれない。(小林大純)
《AK》