高値警戒感から寄り後は利益確定売りに押される/後場の投資戦略

市況
2020年11月30日 12時13分

日経平均 : 26666.91 (+22.20)

TOPIX  : 1778.37 (-8.15)

[後場の投資戦略]

引き続き、バリュー株かグロース株かの議論が続いている。新型コロナワクチン実用化へ向け前進すれば経済活動の本格的な再開期待からバリュー株優位となり、足元の感染拡大が意識される局面ではグロース株に関心が向く。この繰り返しだ。

ここでふと思う。バリュー株、グロース株とは何か。この夏、「米テスラの時価総額がトヨタ自動車<7203>を抜いた」というニュースが注目された。市場ではテスラはグロース株の代表企業のように語られ、トヨタはバリュー株として取り上げられることが多く、市場ではこのニュースはグロース株優位の典型的な事例としても取り上げられた。2社の時価総額逆転は、2つの自動車メーカーの時価総額順位が入れ替わっただけなのだが。

テスラはご存じのとおり、実業家イーロン・マスク氏が率いる米国の電気自動車(EV)メーカーだ。イーロン・マスク氏は、つい先日、日本人宇宙飛行士である野口聡一さんたち4人を宇宙船「クルードラゴン」で国際宇宙ステーションに運んだスペースX社のCEOでもあり、さらにその後、テスラがエアコンに進出すると伝えられ、株式市場でも手掛かり材料となった。常に話題の最前線にいて、先進的なイメージがある人物だ。

片やトヨタ。世界トップクラスの販売台数を誇り、ハイブリッド車などの先進市場を開拓してきた日本を代表する自動車メーカーだ。その技術力は間違いなく世界トップクラスだろう。社長兼CEOは豊田章男氏。豊田家直系ということもあり、世間では「伝統」とか「家系」というイメージで語られやすい。イーロン・マスク氏とは世間一般のイメージが対極にあるようにも思える。

このような両氏の「イメージ」によって両社株がバリュー株、グロース株に分類されているわけではないだろが、全く影響していないとも言えないかもしれない。バリュー株、グロース株の議論は活発だが、その定義はかなり曖昧なものに思える。この件についてはもう少し考えてみたいが、紙面の都合で次に回す。

さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。相場の先高観は強いものの、目先高値警戒感も強くなっており、上値追いには慎重なムードが強い。また、外為市場で1ドル=103円80銭台と朝方に比べ20銭ほど円高・ドル安に振れていることも株価の重しとなりそうだ。(小山 眞一)

《AK》

提供:フィスコ

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