循環物色の流れだが相場全体の方向までは…/後場の投資戦略

市況
2020年12月3日 12時19分

日経平均 : 26806.37 (+5.39)

TOPIX  : 1779.00 (+5.03)

[後場の投資戦略]

本日ここまでの日経平均は一進一退の展開となっている。日足チャートを見ると26700円の若干下に位置する5日移動平均線が下値を支え、引き続き底堅さを発揮。一方で前日の寄り付き直後に付けた高値26889.90円には届かず、27000円に迫り一段と上値が重くなってきた感もある。

新型コロナワクチンの普及が視野に入ってきたことで、これまで買われていた主力グロース(成長)株からコロナ禍のダメージが大きかったセクターや景気敏感株への循環物色が見られ、相場全体としての底堅さにつながっているのだろう。東エレクやSUMCOといった半導体関連株はなお上値追いの展開が続いており、モメンタム(勢い)に乗るタイプの投資家にとってもまだまだ手掛けやすさはある。ここ2日は日経レバETF<1570>の純資産増加及び日経ダブルイン<1357>の純資産減少も見られ、個人投資家の目線はじりじり切り上がってきている印象だ。

ただ、日経平均先物の売買動向を見ると、引き続き海外の短期筋が積極的に買い持ち高を積み上げている感はない。東京証券取引所が発表した11月第3週(16~20日)の投資部門別売買状況を見ると、外国人投資家は日経平均先物を500億円買い越したものの、前の週の6000億円からは大幅に減った。先に当欄で「海外短期筋は11月第1~2週で買いポジションをある程度構築したのでは」と推察したが、それに符合する内容だ。売買高を見ても11月第1~2週ほど膨らむ場面はなくなり、やはり早々に年末休暇に入っているのかもしれない。

東証株価指数(TOPIX)先物はというと、このところ中間配当の再投資やNTTドコモ<9437>のTOBに絡んで売買が膨らんでいたものの、こうした需給イベントはおおむね一巡。高値警戒感から断続的に利益確定の売りも出るなか、日経平均の27000円台乗せを試すにはエネルギー不足となってくるかもしれない。

また、新興市場でもマザーズ指数が2%の下落となっている。ここ数日は三角もち合い上放れにつく格好でマザーズ主力株に買いが入っていたが、先に指摘したとおり12月の新規株式公開(IPO)のブックビルディングが本格化してきたことで、需給の本格的な好転は期待しづらい。

海外勢の売買が減り、徐々に相場全体の方向感が出にくくなってくることで、目先は個人投資家による循環物色中心の展開となりそうだ。(小林大純)

《AK》

提供:フィスコ

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