ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (33)短期売買も長期投資も、バリューもグロースも、有望株は業績評価で決まる【市場マップ】

特集
2020年12月15日 10時00分

足元から将来の業績の数字を読み取ろう!

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆成長企業の第一条件、売上高は順調に伸びているか?

次に「売上高増減率」の分布マップをみていきましょう(図5参照)。「売上高増減率」は、企業が発表した売上高予想を前期と比較した増減率の分布をマップ上に表示しています。売上高を順調に増やすことができなければ利益を拡大していくことは難しいですから、売上が伸びていない企業よりも伸びている企業の方が評価されるのは当然のことでしょう。

マップでは、今期の売上高予想が前期に比べて増加している場合は赤色で表し、濃い赤色ほど売上高の増え方が大きいことを意味します。また、売上高予想が減っている場合は青色で表し、濃い青色ほど売上高の減り方が大きくなります。濃い赤色の「+50%以上」から濃い青色の「-25%以下」まで白色の「±5%」を挟んで11段階に濃淡をつけて色分けしています。なお、グラフ中の黄色の「-」は業績予想が非開示であることを意味します。

図5 市場マップの「売上高増減率」分布マップ(東証1部)

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「売上高増減率」の分布マップ内の赤色や青色、白色、黄色の小さな四角形の上にマウスのポインタを移動すると、業種と市場、コード番号、銘柄名、株価、上昇・下落率、売上高増減率の値をポップアップウインドウで確認することができます。この四角をそのままクリックすれば個別銘柄の「決算」のページへと移動できますから、売上高に着目して成長銘柄を探す際に威力を発揮します。

「売上高増減率」の分布マップを「東証1部」で表示させると、全体的に青い色が多く、多くの企業で売上高が前期に比べてマイナスで推移する可能性が高いと分析することができます。一方で、「新興市場」では全体的に赤色や黄色が多くカラフルで見た目は楽しいのですが、セクターによって売上高に大きく差が出る可能性があることがわかります。全体を俯瞰してどのセクターを取引するのかを考える時に活用するとよいでしょう(図6参照)。

図6 新興市場の「売上高増減率」分布マップ

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次ページ:「売上営業損益率」分布、収益性の高さを支えるものは?

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