フェローテックHD---事業拡大戦略の一環として、効果的なM&Aを活用

材料
2020年12月28日 8時30分

フェローテックホールディングス<6890>は、10月14日にサーモモジュール分野でロシアRMT社を、12月9日に真空事業分野で米国MeiVac社を、それぞれ傘下に収めたことを発表した。同社は、1980年の設立以来、半導体等装置関連事業、および電子デバイス事業を柱に事業規模の拡大を実現してきた。現在同社の主力となっている半導体製造装置向けマテリアル製品の石英、シリコン、セラミックス、CVD-SiC(窒化ケイ素)についても、それぞれM&Aを駆使して事業基盤と固有技術を獲得し、半導体市場の成長と相まって、同社の経営基盤を支えてきた経緯がある。

電子デバイス事業の代表的な製品であり、フロンを使用せず、様々な分野で温度コントロールを担うサーモモジュールは、自動車向け温調シート、5G通信基地局などの通信機器、PCR検査装置でのDNA増幅や血液分析装置、その他エアコンや空気清浄機、ヘアドライヤーなどの民生用途に至るまで、多種多様なアプリケーションに対応する、同社のコア製品の一つである。この程、材料開発力が高く、サーモモジュールの小型化・多段化にも強みのあるロシアのRMT社を買収(欧州の子会社による買収)したことで、将来的に新たなアプリケーションでの採用が進む可能性も高まり、世界トップシェアの同社サーモモジュール事業の更なる強化の一環となっている。

また、半導体等装置関連事業において、同社の真空製品としては、磁石に反応する磁性流体を応用した半導体製造装置や有機ELパネル製造装置で真空保持の役割を果たす真空シールの他、欧米を中心に事業を展開する蒸着装置(生産拠点:米国)などがある。先日、成膜系真空装置などの米国MeiVac社を米国の子会社を通じ買収した。同社の真空部品、真空装置組立技術や販売ネットワークの面でのシナジーが高いと判断されたためである。

同社は、中国に多くの生産拠点を保有することも特徴の1つだが、半導体市場を中心として、欧米にも重要な顧客が数多くいる事から、必要に応じて、今後もM&A戦略なども駆使しながら、中国外での業容拡大、売上伸長も目指していく。

《ST》

提供:フィスコ

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