話題株ピックアップ【夕刊】(1):三菱重、エムスリー、SBG
■大日本住友製薬 <4506> 1,506円 +213 円 (+16.5%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
大日本住友製薬<4506>が急伸。28日の取引終了後、米連結子会社マイオバント・サイエンシズ・リミテッドが、米ファイザー社とゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体阻害剤「レルゴリクス」について、がん領域および婦人科領域における北米での共同開発及び共同販売に関する契約を締結したことを発表しており、これが好感された。同契約に基づき、マイオバント社はファイザー社に対し、北米における成人の進行性前立腺がんを適応症としたレルゴリクス単剤(製品名オルゴビクス)と、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象として開発中のレルゴリクス配合剤の開発及び販売を共同で行う権利を許諾したという。また、マイオバント社はファイザー社に対し、がん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関する独占的なオプション権も許諾している。これに伴い、マイオバント社はファイザー社から契約一時金6億5000万ドル(約670億円)を受領するのをはじめ総額で最大42億ドル(約4350億円)を受け取る可能性があるとしている。また、ファイザー社ががん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関するオプション権を行使した場合、マイオバント社はファイザー社から5000万ドル(約50億円)を受領し、売上収益に対して2ケタ台のロイヤルティーを受け取るとしている。
■日経レバ <1570> 29,190円 +1,600 円 (+5.8%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅高で5連騰。一時1620円高の2万9210円まで上値を伸ばし、上場来高値を更新した。29日の東京株式市場では、前日の米株市場でNYダウ、ナスダック総合指数など主要株指数が揃って過去最高値を更新したことを受け、先物を絡めたインデックス買いが入り日経平均が一時300円を超える上昇をみせた。日経レバは日経平均に連動するETFで変動率が2倍に基本設定されていることから、全体相場が大きく強気に傾くと、個人投資家など短期値幅取りを狙った資金が流入する傾向が強い。ただ、個人投資家は足もとで反動安を見込む向きが多く、信用買い残を売り残が大きく上回り、直近信用倍率は0.74倍と売り長状態となっており、買い戻しを誘発する状況にある。
■三菱重工業 <7011> 3,194円 +148 円 (+4.9%) 本日終値
三菱重工業<7011>が大幅高で4日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「米電力大手のエンタジー・コーポレーション(ルイジアナ州)と組み、米国で水素の製造や貯蔵、利用に関する共同研究に乗り出す」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、水素を使ってCO2の排出を減らす火力発電システムなどの開発につなげるのが狙いという。協業するエンタジー社は米国南部のテキサス州など4州で、電力供給や小売りを手掛けているという。
■エムスリー <2413> 9,874円 +450 円 (+4.8%) 本日終値
エムスリー<2413>が大幅続伸、一時466円高の9890円まで買われ、今月1日につけた上場来高値9900円を視界に捉えるとともに、株式分割後初となる1万円大台乗せを意識する段階に入った。医薬情報サービスや医療従事者向け会員制サイトを展開、製薬会社のマーケティング支援ビジネスで大幅増収増益トレンドをまい進する。株価も同社の収益成長スピードを評価する形で一貫した上昇トレンドを形成、年初の株価は3200円台だったが、1年間で3倍以上に変貌した。時価総額は6兆6000億円となり、これは医薬品業界国内トップの武田薬品工業<4502>を上回り、2000社をこえる東証1部のなかでも第15位にランキングされている。筆頭株主のソニー<6758>とは新型コロナウイルスの診断支援サービスなどで連携しているほか、オンライン診療ではLINEなどとも協業しており、今後の展開力にも期待が大きい。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,055円 +349 円 (+4.5%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸したほか、ファーストリテイリング<9983>は3900円を超える上昇で4連騰。市場では「両銘柄とも特にこのタイミングで買われる材料はなく、ソフトバンクGについては支援先の米保険会社が前日の米株市場で急落するなどネガティブ材料の方が目立つ状況だが、足もとの相場ではあまり関係なくなっている。先物への大口の買いが入り、これに絡む裁定買いが日経平均寄与度の高い両銘柄の株高に反映されている」(国内ネット証券大手)という。ファーストリテについては11月17日につけた8万8630円を大きく上回り上場来高値を更新した。
■川崎汽船 <9107> 2,070円 +67 円 (+3.3%) 本日終値
川崎汽船<9107>が反発。28日の取引終了後、第3四半期累計(4~12月)の連結経常利益が約400億円になりそうだと発表しており、これが好感された。旺盛な貨物需要に伴い、海運大手3社が共同出資する持ち分法適用関連会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス社が運営するコンテナ船事業が想定を大幅に上回っていることが要因としている。また、21年3月期通期業績予想(経常利益収支均衡)も上方修正する見込みとしている。
■あらた <2733> 4,935円 +140 円 (+2.9%) 本日終値
あらた<2733>が4日ぶりに反発。28日の取引終了後、商品マスタ情報のデータ整備や購買データ分析に優れたノウハウを持つアダプティブ(東京都港区)に出資すると発表しており、これが好感された。あらたは、生活必需品を取り扱う卸商社であり、商品の安定供給とともに季節や環境の変化に応じた商品提案を行う必要があるため、アダプティブの持つノウハウを活用し変化に対応できる提案力を更に強化することが狙い。出資比率は14.9%。なお、同件による21年3月期業績への影響は軽微としている。
■サンアスタ <4053> 2,329円 +64 円 (+2.8%) 本日終値
Sun Asterisk<4053>が反発。東京証券取引所が、同社株を29日付で貸借銘柄に選定すると発表したことを受けて、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買いが入ったようだ。また、日本証券金融も29日約定分から同社株を貸借銘柄に追加した。
■ナガイレーベン <7447> 2,990円 +72 円 (+2.5%) 本日終値
ナガイレーベン<7447>が反発。28日の取引終了後に発表した第1四半期連結決算が、売上高35億9500万円(前年同期比24.6%増)、営業利益10億3900万円(同55.3%増)、純利益7億2600万円(同52.1%増)と大幅な営業増益となったことが好感された。主力のヘルスケアウェア、ドクターウェアが前期からずれ込んだ更新物件を確実に受注したことで大幅な売り上げ増となったほか、患者向けや手術向けのウェアも順調に拡大した。また、前期に開発して上市した感染対策商品で、厚生労働省への大口納入があったことも寄与した。利益面では、感染対策商品の海外生産への移管が進められたことや、円高に推移したことにより売上高総利益率が改善したことに加えて、販管費を削減したことが利益を押し上げた。なお、21年8月期通期業績予想は、売上高173億円(前期比1.4%増)、営業利益50億6800万円(同2.7%増)、純利益35億1800万円(同1.3%増)の従来見通しを据え置いている。
■ケーヨー <8168> 725円 +14 円 (+2.0%) 本日終値
ケーヨー<8168>は反発。28日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)単独決算が、売上高872億8700万円(前年同期比5.7%増)、営業利益48億5500万円(同8.0倍)、最終利益30億6000万円(同2.6倍)と大幅増益となり、営業利益が通期予想を大きく上回って着地したことが好感された。マスクや除菌グッズなどの感染症対策用品や、新しい生活様式・巣ごもり需要からDIY・園芸用品、トレーニング用品、テレワークの普及によりオフィス家具などの販売が引き続き好調に推移した。また、DCM棚割導入による改善効果に加え、粗利益率が比較的高いDIY・園芸用品の売上増も寄与した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高1110億円(前期比3.1%増)、営業利益39億円(同7.4倍)、純利益21億円(同69.3%増)の従来見通しを据え置いている。
株探ニュース