明日の株式相場に向けて=再生エネ&EVの2頭立て馬車

市況
2021年1月5日 17時00分

きょう(5日)の東京株式市場は前日の米株安を受け、日経平均株価が99円安の2万7158円と下落。昨年大納会から数えて3営業日続落となった。半導体関連株が買われ、途中小幅プラス圏に足を踏み入れる場面もあったが、結局押し戻された。

緊急事態宣言の発令を警戒した売り圧力が重荷となったというのが軟調相場の一般的な解釈。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないから株価が下がるとう理屈は一時的な現象としては当てはまるもしれないが、本質的にはあまり関係がない。株価が上がっているときは、感染状況が深刻でもワクチン普及期待という言葉で肯定される。

目先的には、米国で5日に行われるジョージア州での連邦議会上院選の決選投票がどうにも気になるというところ。「共和党が優勢なムードだったが、給付金問題も絡み民主党が盛り返し、トリプルブルー成立の可能性が十分にある」(ネット証券アナリスト)という。仮にそうなった場合、いったんは上院でハジかれた給付金2000ドルへの引き上げが再び現実味を帯びてくる。給付金トレーダー復活となれば、米株高の原動力にもなり得るとの見方は根強い。中長期的には法人増税や富裕層増税の動きが株式市場にマイナスに働くとしても、「マーケットは猿かに合戦の猿の心境で、目先の“おにぎり”が欲しいというのが本音。したがって短期的には株高」(中堅証券ストラテジスト)という指摘がある。どっちに転んでも過剰流動性のなかで、いいとこ取り相場が続くということかもしれない。

さて、東京市場。個別では主力銘柄が冴えないなかも日替わりで中小型株を買い進む動きが活発だが、そのなか再生可能エネルギー関連と電気自動車(EV)関連の2頭立て馬車で全体相場を牽引、旺盛なテーマ株物色が繰り広げられている。

きょうは、レノバ<9519>は利益確定売りに3日ぶり反落、ウエストホールディングス<1407>も朝高後に軟化したが、メガソーラーなどのエネルギー関連に視線が向いていることには変わりなく、足もとでは時価総額の小さい小回りの利く銘柄に投資資金の攻勢が目立った。株価に値ごろ感のある省電舎ホールディングス<1711>やジー・スリーホールディングス<3647>が値を飛ばし、昨年11月から12月にかけて大相場を形成したエヌ・ピー・シー<6255>も動兆。一方、風力発電関連では駒井ハルテック<5915>がつむじ風に巻かれるような上昇トレンドを形成中だ。

また、これまではなかなかテーマ買いの恩恵を受けにくかったセクターとして電気工事株が上げられるが、ここにきて一斉に動意づいている。言うまでもなくメガソーラーなどエネルギー関連工事に関連した商機が高まるとの思惑が背景にある。きょうは東北電力系のETSホールディングス<1789>が前日に続き派手な値動きをみせたが、こうなるひと押し入れているユアテック<1934>の方も注目されやすい。また、昨年11月下旬に取り上げたメガソーラー用建材の金属加工を手掛ける日創プロニティ<3440>がここ陽線連打で強力な上値追い態勢にある。

EV・電池関連では「全樹脂電池」の開発が期待される三洋化成工業<4471>、電池試験を手掛けるカーリットホールディングス<4275>。また、巻き取り式充電スタンドで実績があるモリテック スチール<5986>も改めて上値余地が意識されそうだ。米国でテスラが怒涛の上値追いを続けており、前日はNYダウが波乱含みに下げたにもかかわらず、同社株は3.4%の上昇で7連騰と気を吐いた。時折急落することもあるが、すぐに体勢を立て直し、何事もなかったように再び高みを目指す。このタフネスさが海を渡った東京市場でもEV関連やその周辺株に浮揚力を与えている。

再生可能エネやEV周辺株以外では、安川電グループにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の急先鋒YE DIGITAL<2354>の押し目や、巣ごもり消費関連では通販大手のベルーナ<9997>なども依然割安で上値妙味が感じられる。

あすのスケジュールでは、20年12月の消費動向調査など。海外では12月の財新中国非製造業PMI、12月の独CPI速報値、12月のADP全米雇用リポート、11月の米製造業受注、FOMC議事要旨(12月15~16日開催分)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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