話題株ピックアップ【夕刊】(1):ユアテック、USENHD、日電産
■東京エネシス <1945> 1,052円 +149 円 (+16.5%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
東京エネシス<1945>が急騰、一時ストップ高に買われ1000円大台ラインに一気に乗せた。東電系の電力設備工事会社で原発のメンテナンスなどで優位性が高い。太陽光発電システムの設置では、地盤調査にはじまり部材の調達、施工、メンテナンスに至るまで一貫して手掛けるEPC(設計・調達・建設)事業者として実力を発揮、脱炭素関連をテーマに投資資金の攻勢が加速した。また、株式需給面では第2位株主に光通信<9435>が入っている点も注目されている。
■アルコニックス <3036> 1,683円 +213 円 (+14.5%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
アルコニックス<3036>が3日ぶりに急反発。16日付の日本経済新聞は「中国政府は15日、レアアース(希土類)の統制を強化すると発表した」と報じた。米国の対中包囲網を意識したもので、レアアース管理条例の草案への専門家らの意見を2月中旬まで募り、年内にも施行する見通しだという。これを受け、レアメタル(希少金属)などを扱う専門商社の同社に買いが流入した。
■ユアテック <1934> 943円 +89 円 (+10.4%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
ユアテック<1934>が急騰、127円高の981円まで買われ昨年12月29日につけた昨年来高値905円を大幅に更新した。メガソーラーや風力発電など再生可能エネルギー分野に積極展開しているが、特に洋上風力発電事業に経営資源を投下し、秋田県など日本海側を中心に、大手商社やゼネコンとジョイントする形でプロジェクトに取り組んでいる。政府が「グリーン成長戦略」で洋上風力発電に国策的支援を強めるなか、追い風が意識されている。同社株は実体面からのアプローチでも1株純資産が前期実績ベースで1660円と高い。年20円配当を続けているにもかかわらず時価は依然としてPBR0.5倍台にあり見直し余地が大きい。
■日進工具 <6157> 2,910円 +223 円 (+8.3%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
日進工具<6157>が大幅反発。15日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を74億1000万円から79億3000万円(前期比16.8%減)へ、営業利益を8億5000万円から14億6000万円(同34.2%減)へ、純利益を7億円から11億5000万円(同25.6%減)へ上方修正したことが好感された。5Gに対応したスマートフォン新機種の販売好調や自動車生産の回復に加えて、製品の流通在庫の調整一服などが要因としている。また、従来15円を予定していた期末配当予想について、10円増額して25円にするとあわせて発表しており、これも好材料視された。年間配当は35円(従来予想25円)となり、前期実績に対しては10円の減配となる予定だ。
■USENHD <9418> 1,895円 +135 円 (+7.7%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が大幅続伸。前週末に続いて、第1四半期(9~11月)の大幅増益を好感した買いが入ったことに加えて、この日は、午前中に、傘下のUSEN ICT Solutionsが、企業ICT環境の保守運用サービス「ICT見える化サポート」の取り扱いを開始したと発表したことが好感された。「ICT見える化サポート」は、顧客のICT環境を調査し見える化したうえで、運用・保守をトータルサポートし、システム担当者の運用・保守稼働を低減するサービス。システム担当者の代わりにICTのプロフェッショナルが顧客のICT環境を調査、見える化し、現場からの故障問い合わせ窓口の運用までを行うことで、「ICT環境の現状把握ができていない」「複数の拠点・部署からシステムIT担当者に問い合わせがあり、対処しきれない」といった課題を解決するとしている。
■スクロール <8005> 929円 +55 円 (+6.3%) 本日終値
スクロール<8005>が続伸。前週末15日の取引終了後に発表した12月度の月次売上高が前年同月比21.2%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。
■ラクス <3923> 2,101円 +118 円 (+6.0%) 本日終値
ラクス<3923>が3日ぶりに反発。この日午前中、同社のクラウド型販売管理システム「楽楽販売」が、オービックビジネスコンサルタント<4733>の販売管理システム「商奉行クラウド」とシステム連携を開始したと発表しており、これが好材料視された。「楽楽販売」は販売管理、顧客管理、案件管理をはじめとして、あらゆる社内業務をシステム化することができるクラウド型業務システム構築ツール。今回のシステム連携により、「楽楽販売」の受注確定データを「商奉行クラウド」へ連携し、売上管理・請求管理・入金消込・会計連携までを一気通貫で行うことが可能となったとしている。
■ステラ ケミファ <4109> 3,640円 +200 円 (+5.8%) 本日終値
ステラ ケミファ<4109>が3日ぶりに反発。前週末15日の取引終了後、医薬品の研究開発・製造販売を行う子会社ステラファーマが同日付で、東京証券取引所へ新規上場を申請したと発表しており、これが好感された。なお、グループ業績へ与える影響など開示すべき事由が発生した際には速やかに開示するとしている。
■キヤノン電子 <7739> 1,603円 +72 円 (+4.7%) 本日終値
キヤノン電子<7739>が大幅続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「地表や宇宙を撮影する小型人工衛星の販売を始める」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、価格は1基10億円以下と小型衛星のなかでも最も安い水準に抑えることで、気象会社やデータ分析会社の需要を開拓するという。また、1月中にも受注を始めるとあり、早期の業績への貢献も期待されている。
■日本電産 <6594> 14,170円 +620 円 (+4.6%) 本日終値
日本電産<6594>が朝安後に切り返し、600円あまりの上昇で1万4100円台を回復した。前週末15日の米国株市場では、電気自動車(EV)大手でここ株価を躍進させていたテスラが目先利益確定売りに押され、昨年12月下旬以来久しぶりに続落となった。環境インフラに積極的なバイデン次期米政権の発足を目前にして目先利益確定売りが優勢となったことで、東京市場でもEV向けトラクションモーターシステムを手掛ける同社株にマイナス影響を与える形となった。しかし、寄り後は押し目買いが活発化し切り返す展開をみせるなど強さを発揮している。テスラだけではなく米IT業界の巨人アップルがEV生産に前向きな姿勢をみせるなど、世界的なEVシフトの流れが今後一段と加速するとの思惑が、海外投資家を中心に同社株の実需買いにつながった。
株探ニュース